オリンピック延長により、展示会場問題はますます厳しく。
新たに嘆願書が出されました。
コロナの自粛は解除されt、徐々に普通に戻りつつあります。しかし、オリンピックの延期他、先延ばしにされた事項もあり、コロナ禍だけでなく、延期問題でも足掻いている人がいます。
その中の一つが「展示会場問題」。いまだに、ビッグサイトの半分は、五輪放送用の施設を入れるために、空けてあるのです。それに対し、展示会関係者は、展示サポート業者も含め、東京都知事に嘆願書を提出しました。
◾️なし崩し的だった展示会場問題
「オリンピックを安く上げるため、新しく作るのではなく、今あるものを使用する。」
1984年のアトランタ五輪以降、イベント、エンターテイメントの側面が、大きく肥大したオリンピック。当然、金喰い虫です。このため、先に挙げたように、既製品をうまく使おうと言う動きがでます。
今回のお話は、オリンピックのメディアセンターとして、東京都一番の展示会場、東京ビックサイト(国際展示場)が使われることが決まったことから始まります。
「あるなら使えばいいじゃないか?」まぁ、ほとんどの人はそう言うと思います。しかし、ビッグサイトの予定に空きはないのです。これを会期中及び設営に必要な時間空けるように、東京都は言ったわけです。ビッグサイトは元々東京都の持ち物ですから、話はわからないでもありません。しかし、その間、展示会=商談会が潰れますし、ビッグサイトで行われる展示会の設営などをしてきた会社などは、あまり考慮されていません。
まるで、コロナ禍の自粛のような状態です。
青海に、小さな仮説展示会場を作ったりして対応しているのですが、元々、ビックサイトさえ足らないと言われていた展示会場ですから、満願回答ではありません。しかし、タイムアップ。時間切れ。側から見ても、あまり納得できない感じでしたが、オリンピックが終われば、騒ぎも鎮まるだろうという感じでした。
◾️延長=そのまま
違ったのは、オリンピックの開催が圓朝されたことです。この決断がなされた時、ビッグサイトうはオリンピックの用意に入っていました。コロナ禍の時ですから、そのまま中断です。つまり、ビッグサイトは使えない状態で放置されたわけです。
コロナ禍で、経済活動が元に戻っても使えないのです。それが1年キープされるわけです。ニーズはあるのに使えない状態が続くわけです。
具体的には、
○東展示棟
当 初:2019年4月1日(月)から2020年11月30日(月)まで貸出休止
変更後:延期後の大会日程終了後の一定期間(撤去工事完了の日)まで貸出休止
○西・南展示棟、会議棟
当 初:2020年5月6日(水)から同年9月30日(水)まで貸出休止
変更後:同期間の貸出が可能。2021年は、2020年と同様の時期について貸出休止
○青海展示棟
当 初:2020年7月15日(水)から同年9月9日(水)まで貸出休止
変更後:同期間の貸出が可能
特に厳しいのは、サポートそして作られた青梅展示棟が、今年の9月9日まで。来年に関しては無策ということです。
これは、展示会ビジネスをしている会社にとっては、死活問題。そんなに大きな会社ではないですからね。それが、自分ができる仕事があるのに、それで稼がせてもらえない状態がキープされるわけですから、たまったものではありません。しかも、歯を食いしばり、オリンピック期間中、耐えようとしていたのですから、この状態は実にひどい仕打ちと言えます。
総額になりますが、オリンピックが正常に行われた場合に起こった過去20か月の2兆5千億円の損害に加え、さらに計1兆5千億円の損害を被ると算出されています。
◾️いつまで続くぬかるみぞ
このような窮状を訴える572社が発起人となり、仮設展示会場建設の嘆願書を作成しました。要するに、ビッグサイト並みの展示面積を持つ仮設会場が欲しいというわけです。
この嘆願書への賛同署名が約2800人から寄せられました。それはわずか一週間のことです。
そして6月9日(火)田中代表発起人と石積副代表、出展社・支援企業の代表が東京都の産業労働局を通し小池百合子都知事あてに (1) 嘆願書と (2) 2800名の賛同署名 を提出。
しかし、どうなのでしょうね。少なくとも東京都知事選が終わるまでは、何もできないのでしょうか?
そういう間にも、倒産の危機を迎える関係会社が出るのではないでしょうか?
◾️オンライン展示会は、展示会の代わりができるのか?
コロナ禍は密がダメ。マスクをつけるのが当たり前のように、密な状態は、公式的なところではちょっとと言われるかもしれません。このため、オンライン展示会で代用できるのではないか? と言う人がいます。
しかし、私は2つの点で、そうは思いません。
1つ目は、撮影された時点で、カメラマンの視点が入るからです。編集すればその意志が、紹介者を入れれば、その言葉が、ミスリードを引き起こす可能性があるからです。
情報は足で稼ぐ。展示会は、それが効率よくできるところだからです。
2つ目は、人の熱が伝わりにくいからです。展示会場は、通常会わない会社どうし、人どうしが一堂に介します。その時の熱量はすごいものがあります。そんな時、回っていると、自分を呼んでくれているような展示物があります。その熱は、カメラ、文章と言うフィルターをかけると伝わり難くなります。ハイでない時、展示会場でないところで見ても、変わることがないことを確認するために、客観情報は必要ですが、逆に熱は伝わりません。
要するに、オンラインで人が会うことの完全互換は無理ということです。
欧米は、新製品の発表会を、大きな展示会でする傾向があります。理由はいくつかありますが、展示会のトップで取り上げられたら、それだけで話題です。当然、展示会場に隣接する会議室は、商談、商談。ビジネスが大きく動くからです。その場で、ベストなポジションをとるわけです。
それと言うのも、展示会に力を入れ、情報がうまく流れるように整理してきた結果です。
逆に、日本の展示会は、衰えています。これはビジネスの主権が日本から出て行ったことを意味します。
市場の眼は確かなので、海外メーカーは日本市場での成功を目指しますが、日本発のビジネスは決して成功しているとは言い街たい。むしろ、便利なパーツ開発メーカーでしかなくなっています。
展示会は、いろいろな意味で必要だと思います。
それとともに、人は群れる動物であり、「密」は必要であることがわかります。
この辺りの矛盾も、十分考慮して進めなければなりません。
が、まずすべきは、展示会を復活させることだと思います。
東京都も、誠意ある即回答することを望みます。
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2020年6月15日