職業柄いろいろな家電を評価します。そのためには、当然ですが評価の基準となる製品が必要です。
特に基本機能は、特に重要となります。家電は何かに代わるものとして作られています。このため場合によっては、基準を家電製品に置かないときもあります。
私の場合、炊飯器は、土鍋で炊いたご飯が基準ですし、電気カミソリの場合は、T字のカミソリが基本。そのT字のカミソリに、2019年新しい考えを入れたカミソリが登場しました。P&Gの「スキンガード」です。
私は、さんざん使ってみて、今これを「標準」としています。
そして、電気カミソリではなかなか超えられないレベルと思っております。どこがそんなにすごいのかを、レポートします。
■4日目のヒゲが、痛くなく剃れるスゴさ
ヒゲ剃り、シェーバーの課題は、大きく2つあります。
1つは、長いヒゲだろうが、クセのあるヒゲだろうがきちんと剃れること。
もう一つは、肌に余分な負担をかけないことです。
多くの男性は体験したことがあると思うのですが、長期休み明け、ヒゲが伸び放題。そんな時のヒゲ剃りで、痛い思いをしたことがありませんか。
ありますよね。特に、電気カミソリは痛い。これは、製品仕様の想定以上にヒゲが伸びたため、キレイに剃れずに、ヒゲが刃に引っかかり、引っ張られるためです。これは技術の粋を集めたような、高級電気シェーバーでもダメです。
そんな時、私は、電気カミソリを肌に触れないように、ヒゲの先端にだけ触れるように動かします。そうして短くして、今度は普通に使います。しかし面倒臭いし、失敗したら痛いし、どうしてくれようと思ってしまいます。
頭の中ではヒゲを剃ることに夢中ですが、こんな感じだと肌への負担も大きくなりますね。肌は、刃が触れるたびに荒れていきます。特に、ヒゲが伸びているとつい押しつけることもあります。そうなるとダメですね。肌がピリピリします。
それに対し、真っ向勝負を挑んだのがP&G。
実は私、「スキンガード」の前に、標準としていたのは「フュージョン プログライド パワー」。
5枚刃で、刃を細かく振動させるなど、かなりギミックの多い、しかし痛くなく深剃りがきく「T字カミソリ」です。発売されたときに試し買いしたら、そのまま定番化してしまいました。それは、パズルのピースが当てはまるように、自分の生活にビシッと入り込んだ感じでした。
が、このフュージョンをもってしても、長いヒゲはNGとなることが多かったです。
ところがです、このスキンガード。痛みもなく、スッとそのまま剃れるのです。
「アンビリバブル!」「嘘だろ!」という感じです。
剃り残しもなく、肌へのヒリヒリ感もありません。
文句なく、次の定番カミソリになりました。
■何故、5枚刃でなく、2枚刃の方が長いヒゲに対応できるのか?
ジレットの5枚刃は、5枚刃の周囲、主には前後にスキンガードがあり、肌を守ります。5枚刃は密にセットされていますので、ヒゲを引っ掛けてカットが連続してできますので、深剃りができます。
しかし、これが長いヒゲの場合、ヒゲが刃と刃の間に入りません。表面を引っ掛けるだけで切れないのです。このため、ヒゲが引っ張られて、痛い思いをするわけです。
一方、2枚刃は、刃、スキンガード、刃の順に並んでいます。このため、刃と刃の間が長い。そのため、伸びたヒゲも、しっかり刃と刃の間に入ります。そして、痛みなく剃ってしまうわけです。
その上、刃もリニューアル。ジレットの中で最も薄い刃です。要するに切れ味が抜群なわけです。そのため、今まで数枚の刃で行っていた、ヒゲに引っ掛ける、毛穴から引き出す、カッティングという3工程を、一枚の刃でやってしまいます。
しかし、2枚刃ですから、5枚刃のように、とことんまで深剃りをすることはできません。が、私の場合、ヒゲは余り濃くありませんし、夜遅くまで外に居るわけではないので、問題はありません。
しかし、「刃数が少ないからこそイイ」、というのは、初めての経験でした。眼からウロコです。
まっ正確には、「少ない枚数でも、キレイに剃ることができる。」が正解ですが。
■肌が傷まないのを数値化してみると
さてそれでは、P&Gのモニター試験で、どの位肌に負担がなくなったのかを見て見ましょう。
方法は、被験者に28日間、毎日ヒゲ剃りをしてもらいます。そして1日目と28日目の肌の状況(赤み、乾燥、荒れ、テカリなど)を皮膚科の医者が目視で各項目毎に点数を付けるというものです。
灰色がベースライン(1日目)、そして赤色が28日目です。各項目共に点数が低い=調子がいいことを示しています。
それまで、いろいろなシェーバーを使っていた状態より、毎日スキンガードを使った方が肌の調子がイイと言うことです。要するに、肌の角質層を削り取ることなく、ヒゲのみをシャキンと切っているわけです。
さてお次は、気持ち良さの可視化です。
こちらは、脳波計でリラックス状態を可視化します。α波がよく出ている場合は、リラックス状態にあるそうです。
こちらは、発表会でのデモを動画で見てください。全体で3分30秒ありますので、頭と終わりだけでも是非どうぞ。
自信があるのでしょうが、意気込みも大したモノです。
■2枚刃のもう一つのメリット
2枚刃にはもう一つメリットがあります。それは、替え刃が「安い」ということです。
カミソリの命はやはり「刃」。パーツとしては一番高いパーツです。この刃が2枚だけですから、安く上がるわけです。これも庶民の味方と言えます。
■5枚刃を上回る電気シェーバーの可能性はあるのか?
今、全ての電気シェーバーは、トップに5枚刃もしくは多枚刃をラインナップしています。
スゴいとされる家電でパーフェクトなものはありません。生活習慣が異なる人には受け入れられないこともあります。
カミソリも、普通、電動を問わず、「肌に優しく、深剃りがきく」を目的に開発されてきました。それは正しいのですが、積み忘れた課題も多くあるということです。また、古い形とされた技術も、上手く甦らせてやれば、すごいものになるということです。ヒゲを剃る。成人男性としては、極めて日常的な行為ですが、それに対してすら、いろいろなパターンがあり得るわけです。
しかし、多枚刃を追求、技術界してきたカミソリですから、今回の2枚刃、スキンガードには驚愕しました。
まだまだ、シェーバーの開発余地はある。ジレット「スキンガード」は、改めてそれを認識させてくれました。
商品のより詳しい情報は、ジレットのホームページにてご確認ください。
https://gillette.jp/ja-jp
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