一昨年秋、象印がリリースした、「STAN(スタン)」シリーズ。
キッチン家電のカテゴリーに属しながら、リビングで使われることを強く意識した統一のデザイン感が特徴のシリーズです。これが予定数量を超すヒットシリーズとなり、今回、ホワイトモデルが、付け加えられました。
2020年 炊飯器レポートの第三段目です。
■STANシリーズ
今回レポートする炊飯器、象印 STAN. NW-SA10-WAは、STAN(スタン)シリーズの一員です。
これは、「あなたの暮らしにスタンバイ、スタンダードを作り続ける、それが象印のスタンス。」というコンセントから来ており、STANDBY(スタンバイ)、STANDARD(スタンダード)、STANCE(スタンス)に共通するSTAN(スタン)をシリーズ名にしたものです。
で、シリーズ製品は、炊飯器、電気ポット、ホットプレート、コーヒーメーカーの4種。いずれもキッチン家電ですが、使うのは食卓という共通項があります。ダイニングもしくはリビングで使われるわけです。が、正直いうと余り家電が目立たない方がイイ場所です。
このため、STANシリーズは、洒落ていながら、主張しすぎないデザインが採用されています。
また、機能は絞り込みながらも、一番必要な味へのこだわりは捨てない。
人生の良きパートナーとなれるように、作られています。
当然、この炊飯器も、かなりの本格派。同社の高級炊飯器「炎舞炊き」のような、仰々しい名前こそありませんが、価格に相応の品質、機能があり、質実剛健。目立たないけど、いい仕事をしてくれる。そんな炊飯器に仕上がっています。同シリーズの他の家電も同様。ただ単に、ちょっとイイデザインと言うわけではありません。
■独特の雰囲気を醸し出す天面平面デザイン
今の家電、安全のために、基本、角は丸みを帯びさせます。怪我でもしたら、実に大変なことになりますからね。
逆にいうと、角を構成する要素、平面を強調したデザインも、このサイズには少ないのです。
大きいものは平面はいろいろ使われています。テレビ、冷蔵庫、電子レンジ。サイズのためなのですが、平面デザインは、人工的に作ったある種の突き放し感がります。それぞれ機能が、ドア、窓という別のモノをつないでいるために、そう見えるのかも知れません。その分、緊張感があります。
STAN炊飯器のフタは、平面構成で、ある種の、気持ちい緊張感があるデザインです。これは炊飯器にとって有利なことです。炊飯器は「水加減」で炊きが変わるので、昔ほどではないにせよ、お米の量に対して正確な水量が、とても重要です。無意識でも、それを感じさせてくれているのでは?そう感じられるデザインだと思います。
が、その緊張感は天面だけですから、使用時だけです。置いてあると丸みの方が強調されますので、緊張を促しません。
なんか、イイ感じのデザインです。
■シンプルな操作感は、「中食」を意識した?
若い人の多くは、完全自炊ではなく「中食」が多いと思います。簡単な料理は作るとしても、手間がかかるモノ、作るのが苦手な料理は、出来合いのものをスーパー、お店から買ってきて食べるのを「中食」といいます。
日本の定食は、「ごはん(主食)」「おかず」に、「味噌汁」「お新香」もしくは「作り置きのお総菜」で形成されています。このため、ご飯さえあれば、残り500円玉、ワンコインでそろえるのは、余り難しくありません。むしろ結構楽です。
私の経験では、中食を美味しく食べるコツは、ご飯が美味しいことと、ご飯と料理が暖かいこと。要するに、炊飯器と電子レンジを使いこなせれば、かなり美味しい思いができるというわけです。これは何も高いのを買えということではありません。自分の使い勝手を考えて購入して欲しいと思うのです。
電子レンジは、操作が簡便(ワンタッチで上手く温められる)とか、メンテしやすいことが大切です。
炊飯器も、同様。使いやすくて、美味しく炊ける。が、中華がゆも美味しく炊ける機能とかは、必要ありません。標準モードで白米が美味しく炊け、「かため」「やわらかめ」を選択できること。「お米」「無洗米」を炊きやすくする工夫(「お米」「無洗米」は必要な水の量が違います。このため水の目盛りが2つあるなど)がされていればOK。
STANの炊飯器は、それを楽々クリア。むしろ、高級炊飯器より、機能を絞ったことにより、使いやすくなっています。
ちょっとユニークなのは、内釜の目盛りでしょう。これは内釜に水を張ったとき目盛りが濃くでる仕様になっています。中には、目盛りが読みづらい炊飯器もあります。STANは隅々まで、よく気を付けられた炊飯器なのです。
■あーぁ、これぞ日本のお米
STANで炊いたお米は、一口食べると「あ〜ぁ、これだ!」と思いますね。日本人好みの食感で、香り、甘みが拡がります。最近、安価な炊飯器をチェックしてきましたが、2万円の炊飯器は、まだ、この感じはちょっと薄いような気がします。
この感じというのはしっかりとしたご飯の感じです。ご飯単体で食べても、かなり美味しいという日本米独特の感じ。長米系は、これほどの味を持ちません。だから米に味付けをするわけです。逆に日本は、ご飯のお供さえあれば、いくらでもお米が食べられる。そんなお米に炊き上がるわけです。
理由の一つは、火力の強い「IH」であること。しかし、IHを採用しても他国のメーカー品、また炊飯器に力を入れてきていないメーカーには、なかなか真似ができません。トップ3メーカーの象印の実力です。
■洗い易いのもイイ
炊飯器は、毎回洗う必要があります。
高級炊飯器だと、「内釜」「内ブタ」「内々ブタ」「水関連のパーツ」の4種類位洗うのが普通です。
が、STANは2つで、OK。
「内釜」と「内ブタ」だけです。ちょっとした差ですが、スゴく楽です。
■安いながらも「高級炊飯器」
では、この炊飯器、安いのかと問われれば、3万円ですから、それなりにします。
ま、メディアでよく取り上げる高級炊飯器ほどではないにせよ、今、進行しつつある格差社会では、高い価格と見られるかもしれません。
が、STANのいいところは、5万円以上の炊飯器に比べて、見劣りしないところです。当然性能には差があります。高級炊飯器ほど、安定して、美味しく炊くのは厳しいでしょう。が、それにほとんど劣らないレベルにあるのも事実です。
これで十分と言えるレベルに仕上がっています。
ある意味、この価格帯の「高級炊飯器」と評していいかも知れません。
太鼓判が押せる、炊飯器といえます。
商品のより詳しい情報は、象印のホームページにてご確認ください。
https://www.zojirushi.co.jp/syohin/stan/
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