新製品

ネスプレッソがコーヒーの新作法を提案。
VERTUO(ヴァーチュオ)がもたらす厚いクレマ(泡)と豊かな香り


ネスレ。世界最大の食品飲料であり、本社はスイス。スイスのチューリッヒ空港をトランジットで使った時、呆れるほどネスレ製品があったのを覚えています。
「ネスプレッソ」は、ネスレが保持するブランドの1つ。カプセル式エスプレッソコーヒーがメインです。
そのブランドが、2014年からアメリカで扱い始めた新抽出方式を採用した最新モデルを日本で発表。それが新型コーヒーマシン VERTUO(ヴァーチュオ)。それが淹れてくれるコーヒーには、かなり驚かされました。

遠心力抽出方式採用のコーヒーメーカーの新モデル。VERTUO(ヴァーチュオ)。
世界に先行して日本で発表導入される。発売は1月30日。


■こんな量のクレマ、見たことない!
美味しいコーヒーの目安として「クレマ」のありなしはポイントになります。クレマとは、エスプレッソの液面に浮かぶ「泡」のことです。コーヒー豆の油分やタンパク質に由来する「甘さの元」とされています。しかし、エスプレッソ独自のものかというとそうでもなさそうです。

ネスレは、ネスカフェ専用のコーヒーマシン「バリスタ」を出していますが、これを使うと、ネスカフェでもクレマがきちんと出ます。これにはビックリしました。

クレマは、コーヒーを抽出すると、必ず出るモノですが、基本 泡ですからはかない。スグに、コーヒーに混じってしまいます。

クレマは割りとはかないもので、すぐにコーヒーに吸収されてしまいます。ビジュアル化が非常に難しい。エスプレッソは、豆の奥深くの成分までキチンと抽出するためでしょうか? 見やすいですね。まぁ、ちゃんとおいしく淹れられたコーヒーの証拠のようなものと考えて下さい。

唖然としたシーン。こんな大量のクレマ、見たことない。


抽出が完全に終わっても、
こんなに分厚いクレマの層が残っていた。


上の写真を見てください。新型コーヒーマシン VERTUO(ヴァーチュオ)で抽出した時の写真です。信じられない量のクレマです。正直、驚きました。正に何コレ状態です。

多分、ほとんどの人は見たことないことと思います。私もそうです。こんなにもクレマを持っていたんだって感じです。これが、VERTUO(ヴァーチュオ)に採用されている「セントリフュージョン(遠心力抽出法)」なのです。

 
■セントリフュージョン法とは?
セントリフュージョン法というのは、ある意味ドリップ式に似ています。

ドリップ式は、コーヒーに少量のお湯を注ぎ、コーヒー粉の一つ一つの内部にお湯を染みこませます。そしてその後、適量のお湯を注ぎ、コーヒーを抽出します。抽出されたコーヒーは重力にしたがい下に落ちる、というわけです。

セントリフュージョン法は、この重力を「遠心力」で行います。

ヴェローチェの内部。カプセルホルダー。


まず、コーヒー粉が詰まったカプセルの中にお湯を入れます。ムラします。そして、カプセルを高速回転させながら、抽出用のお湯を入れます。遠心抽出です。コーヒー粉に染みこんだお湯は、コーヒーの成分と共に、遠心力により排出されます。ある種の強制排出法です。エスプレッソは、これを圧力(約9気圧)で行うのですが、それを「回転」で行う、と考えてもらえればと思います。

中央の穴は軸を入れるため。裏側には突き抜けない。
周りはコーヒーを抽出するため。


何故、こんなにもくっきり分かれて出てくるのかと言うことですが、私は遠心力が大きく関与していると思います。遠心力を追い要したモノに遠心分離機があります。血液などをこれにかけると、成分毎重さが違うので、その重さ毎、層別されます。要するに軽い泡、クレマから抽出されるわけです。そして見事な層分離となるわけです。

最大回転数4000rpm。クルマが普通に、ちょっと速い位のスピードで走っている時のエンジン回転数と同じ位の回転数でぶん回すわけです。が、いつも最大回転数を使うわけではありません、ここのコントロールも大きなノウハウになっています。

マグ(230ml)用の「エルヴァツィオ」のカプセル。
縁の部分はバーコードになっており、ベローチャが読み取り、その通りに抽出する。


この後、カプセルの「湯切り」をします。今まで、抽出後のカプセルからコーヒーがタレたりするなど、ティータイムに相応しくないシーンもありましたが、VERTUOはそんなことなく、最後まで優雅です。

 
■味は「香り豊か」で「やわらかい」
抽出されたコーヒーは、「クレマの層」の下に「コーヒーの層」という感じで2分割されています。ネスプレッソは、この大量のクレマをコーヒーと混ぜ合わせて飲むことを推奨しています。しかし、こんな大量のクレマなんて混ぜたことがありませんから、ちょっとドキドキしました。

スプーンでグルグルかき混ぜると、案外楽に混ざってくれます。そうでしょうね。他の抽出法だと、クレマ成分はどこまで抽出されているのは分かりませんが、クレマはかなりの量、コーヒーに溶け込んでいるはずですから。

 
その味は、「香り豊か」「やわらかい」「まろやか」でした。

尖った部分のない、洗練された味に包み込まれます。試飲したのは、「ジョルニオ」。バランスの取れた、押しの強くないコーヒーですから、狙った通りの味と言えば、その通りです。モーニングにピッタリの感じです。もともとネスプレッソは、豆のクオリティへのこだわりは並々ならぬモノがありますが、それが如実に、上手く抽出、反映されている感じです。

これを見ていた、ゲストのフレンチシェフが、「これだけクレマがあれば料理に使える」とコメントされてました。クレマはコーヒーの旨味とも言えますからね、よくわかります。よくネスカフェを挽いて、コーヒーパウダーとして使う手もありますが、このクレマだと、それより美味しそうな気もします。

クレマをすくってみた。
泡は固め。粘りは少ない感じ。


 
あと、ネスプレッソは、このイベントで使った耐熱性ガラスのマグなども用意しています。コーヒーカップは陶器が多いのですが、今回のように、視覚でも楽しませてくれる場合はとてもいい感じです。「目で食べる」と言われる日本人なら、持っておいてもいいかも知れません。

それにしても斬新な感じです。

 
■日本人の好みのサイズ
さて、コーヒーを飲む時、あと一つ問題があります。それは「サイズ(量)」です。

初めてアメリカへ行った時、国内線の乗り換えに30分以上余裕があったので、「レギュラーで」と頼んだら、出てきたのはバケツのような印象のどでかいマグカップ。熱いコーヒーが並々と入っています。値段は確か、2.9ドル。感覚的に、1ドル=100円ですので、約300円。アメリカの物量主義を見る思いでしたが、正直あまり美味しくないので適当に飲んでいると、30分で1/3位しか飲めませんでした。

一方、ヨーロッパで1.5ユーロのコーヒーがありました。200円くらいの感じです。出されたのはエスプレッソ。30〜40mlくらいでしょうか。疲れてもいたので、砂糖をドッサリ入れて飲みました。取材の途中でしたから、ちょうどイイくらいでした。とはいうものの、家で普段飲むのは、マグカップにコーヒーを淹れ、ユルユル飲むことが多い。そんな時、エスプレッソでは足りません。(エスプレッソをお湯で割ると言う手もありますが、ちょっと苦手です。)

このため私は、自宅でカプセル型のコーヒーマシンは使っていません。理由は、量が少ないからです。お金が唸るほどあれば、2カプセル、3カプセル使えばいいのですが、そこまでお金持ちでないですし、いろいろな豆も楽しめます。

まぁ、とにかく「完全な一杯」を淹れることは「科学」ですから、正確な湯温、湯量、粉の量、焙煎度、扱いなど、全てをベストにする必要があります。カプセル方式は、それには一番相応しい方式の一つですが、飲みたい量は人それぞれ。必ず一定の量になるカプセル方式の泣き所でした。

VERTUO(ヴァーチュオ)と共にネスプレッソが提案したのは、5つのサイズでした。
エスプレッソ(40ml)を皮切りに、ダブルエスプレッソ(80ml)、グランルンゴ(約150ml)、マグ(約230ml)、アルト(約414ml)の5種類。これだけあると好きなサイズで飲めます。

 
■アートと共に体験を
今回の発表会場、入口にペーパーアートが展示されていました。飾り方も含め、私の好みから外れるのですが、この姿勢は嬉しいです。人間は、外界の刺激がすごく重要です。年寄りが家に引きこもると急に老け込むのは、運動が足らないためでもありますが、刺激が足らないので活性化が足らないためです。

コーヒーは、憩い時間でもありますが、こんな時(ボーッとしている時)の脳は、逆にフル回転。いろいろな情報を必死で整理しています。アルキメデスが、浴場で浮力の原理を発見。裸で外にまで飛び出したエピソードは有名なのですが、これもボーッとしたからではないでしょうか?

そんなコーヒーを飲むとき、アートでちょっと刺激を送る。好き嫌いに関わらず、とてもいい感じだと思います。

今回のことから、コーヒーは、まだまだ楽しめる余地がずいぶんあることがわかりました。視覚、香り、味、それぞれ新しいところがあります。一度楽しんでほしいと思います。

 
VERTUO(ヴァーチュオ)は、2020年1月30日発売ですが、その日より4日間、東京・六本木ヒルズのカフェスペースでイベントが行われます。無料試飲もありますので、是非、試してみてください。

 
ネスプレッソのホームページは以下のURLから。
https://www.nespresso.com/jp/ja/
 

 
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2020年1月26日

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