JOLED、世界初・印刷方式有機ELディスプレイ量産ライン稼働開始
中型・高精細の有機ELディスプレイを効率的に生産
有機ELディスプレイ(OLED)を開発・生産・販売する(株)JOLED(ジェイオーレッド)は、このたび、JOLED能美事業所に構築した、世界初の印刷方式有機ELディスプレイの量産ラインの稼働を開始した。中型・高精細の有機ELディスプレイを効率的に生産することができる独自の印刷製造方式で、高性能・高品質な有機ELディスプレイを、ハイエンドモニター、医療用モニター、そして車載などの用途向けに生産するという。
能美事業所の量産ラインは、基板サイズG5.5(1,300×1,500mm)、月産2万枚(ガラス基板投入ベース)の生産能力。
独自の印刷方式のメリットを生かしたラインの特徴は以下の通り。
1. 高精細印刷技術による高性能・高品質な製品、
2. RGB OLEDとしては最大基板サイズを高速印刷で一括成膜する高い生産性、
3. 高速段取替・機種交換による多品種対応力、を特長としています。
JOLEDは、2018年7月に能美事業所を開設して以降、新棟建設、設備搬入、ラインの構築を進めて、今回、量産ラインの稼働を開始。2020年の量産開始に向け、顧客に提供するサンプルの試作を順次進めているという。
11月25日(月)には、能美事業所にて「生産ライン完成式」を執り行い、谷本正憲石川県知事、井出敏朗能美市長ほか、来賓へ向けて、新工場をご紹介。
その際の、石橋代表取締役社長は、以下のコメントを行った。
「JOLED初となる有機ELディスプレイの量産ライン、そして世界で初めての印刷方式での量産ラインを完成できたことを、たいへん嬉しく思います。中型・高精細の有機ELディスプレイを印刷方式で生産し、有機EL市場の中型領域に変革を起こしてまいります」
谷本石川知事は来賓挨拶で、「石川の地から、高性能で高品質の製品が世界市場に向けて発信されることを大変誇らしく思います。石川県発、世界にはばたくグローバル企業として成長することを大いに期待しています」と語っています。
■筆者から一言
液晶は黒の再現性が悪い。これは事実であり、日常的なテレビ番組では気付きにくいが、最近の映画をブルーレイなどで鑑賞すると分かる。このため、黒再現ができる自家発光型のテレビが求められており、OLEDはその急先鋒。ただし、今までテレビ用は、韓LD電子の独占販売であり、同サイズの液晶テレビの約3倍近い値段がしていた。
印刷=量産=安価と言われる印刷方式を導入したラインが、今回のOLED。ただし、4K液晶は、今の時点でかなり価格が下がっている上、この規模で、世界市場を相手にすることは無理。なんとも微妙な状況といえる。
また、ドルビーデジタルなど、「黒」で魅せる画を映画館ですら意識し始めており、今後の動向が着目される。
より詳しい情報は、JOLEDのホームページにてご確認ください。
https://www.j-oled.com
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2019年12月5日