今国産シェーバーで頑張っているのは、パナソニック、マクセルイズミ(ブランド名:IZUMI)、日立の3社。この中で、トップを走り海外のブラウン、フィリップスと対等に渡り合っているのがパナソニックです。
そのパナソニックのラムダッシュシリーズ最高峰が、5枚刃モデルです。
ES-LV9EX、ES-LV9E、ES-LV7E、ES-LV5Eの4ラインナップ、色違いがありますので6モデルラインナップしています。実は、5枚刃にはES-CV70というモデルもアルノですが、同じ5枚刃でもコンセプトが違いますので、今回は取り上げません。
それぞれのタインナップの違いは、表の通りです。
仕様に対してちょっと納得が行かないのが、ES-LV9EX、ES-LV9Eの価格差。本体、洗浄器が全く同じなので、差額は収納ケースとなります。1万円近い収納ケースは、流石に引きますね。
それは置いて置くとして、今回は、ES-LV9EXをお借りして早速テスト。レポートします。
■シェーバー、永遠の課題
シェーバーの課題は「肌にやさしく」「深剃りがきく」こと。
この2つの課題はは矛盾します。肌は擦るとダメージを受けます。ところが、深剃りというのは、肌より生えているヒゲをちょっと引っ張り上げた状態でカットすることです。要するに、深剃りは肌に無理をさせているということです。
昔はいざ知らす、今は肌を大切にするので、無闇矢鱈な深剃りはしません。肌を傷めてしまうからです。このため、シェーバーは押しつけるのではなく「軽く当てる」のが鉄則です。
しかし、くせヒゲなど一度ではキレイにならないと、人は思わずシェーバーを押しつけますね。押しつけると、肌が網刃の中に深く入り込みますから、肌をカッティングしてしまいます。肌への大ダメージ。ヒリヒリします。今も昔も、シェーバーに「押しつけ」は厳禁なのです。
■何故5枚刃が最高級なのか?
パナソニックのシェーバー全体を見まわすと、5枚刃は最高峰に位置しています。
これは何故なのでしょうか?
理由は面積にあります。
肌にやさしいというのは、前述した通り、肌に押しつけるのは厳禁です。ある力で押しても、なるべく力を分散させた方がベター。このため、今のシェーバーは、カミソリのように「線」ではなく、「面」で当たるようになっています。
5枚刃の基本は、肌への接触面積を増やしたためのモノです。
■5枚刃を、効果的に使う3つの技術
しかし、人の顔をポリゴンで表現すると分かりますが、非常に複雑です。このため、パナソニックは5Dアクティブサスペンション(以下5D)を採用しました。前後、左右、上下への動き、その上、前後にスライド、ツイストするので5Dだそうです。
実際、LOCK状態からフリーにして、5Dが利く状態にすると、呆れるほどグラグラに思えます。首振り人形のようにユラユラです。で、肌に合わせると、これがしっかりするのです。5枚刃は接触面積が大きいので、肌に触れさせると、ピシッとするのです。で、どの角度にお追従性がいい。イイ出来です。
次のポイントは、くせ毛への対応です。くせヒゲとは、ねているヒゲ、肌に垂直ではなく、水平にはえているヒゲのことで、実に剃りにくい。この剃りにくい毛をなるべく1回で剃らなければ、肌の同じ部分を何度も刃が擦ることになります。当然肌は傷みます。
パナソニックの場合は、2番目と4番目に当たる刃が、このくせヒゲに対応したリフト刃になっています。
ねてるなら、起こして切ろう、ラムダッシュ
というわけです。必ずしも1回で100%剃り残しがないというところまで行きませんが、これもかなり効果があります。
3つめは、1枚目と2枚目の刃の間と4枚目と5枚目の刃の間に設けられた「スムースローラー」です。チタンコーティングされたこのローラーは、肌との摩擦を2/3にするそうです。
大接触面積モデルで有名なのは、フィリップスの円形3枚刃。こちらは、円を描くように動かします。というか、他の動かし方だと密着しすぎて動かすことができません。が、パナソニックはT字カミソリのように使えます。
これらは、すごい技術ですが、ユーザーに意識されません。ま、そこがいいです。
■官能的なタッチはどうしてできるのか?
ラムダッシュの5枚刃と、他社のフラッグシップを比較して思うのは、タッチの繊細さです。当然ある程度ということになりますが、タッチが心地よいのです。
これを支えているのが、「14000ストローク/分」のリニアモーター駆動とラムダッシュAIです。それに切れる刃です。
ハサミで毛を刈ろうとすると毛は逃げていきます。刃の切れ味が鋭いと、最終的には切れるのですが、そうでないと刃と刃で毛が引かれる状態になります。これはかなり痛い。
ヒゲも同じです。このため、部率的な方法がスピードです。手早く切る。その上、刃も鋭い。このため、剃っていると感じはほどんどなく、シェーバーで肌を軽く撫でている感じしかありません。他のシェーバーに比べ、タッチがとても官能的なのです。
その上、AIも搭載。220回/秒でヒゲの濃さをセンシングし、パワー調整します。220回/秒というと13200回/分ですから、ほぼ1回1回のカットを最適なパワーで行っているのです。ヒゲの濃い方も、薄い方もOKです。
■ラムダッシュ 5枚刃 LV Eシリーズは太鼓判認定
と言うことで、生活家電.comは、パナソニック ラムダッシュ 5枚刃 LVシリーズを太鼓判認定します。
理由は比類のないタッチの5枚刃によるものです。
■洗浄器は必要なのか?
さて、本体がいいことは分かったとして、次のポイントは洗浄器です。
ある友だちは邪魔といい、ある友だちは必要といいます。またある友だちは、洗浄剤が高いため、無水アルコールを使っています。
私は、洗浄器を、必須なものとは考えていません。一番大きな理由は、深刻なトラブルを聞いたことがないからです。肌の一部が剃られ傷むのは事実です。が、寡聞にしてだから皮膚科に通院していますなどという話は聞いたことがありません。
次の理由は、今ドキのシェーバーは、防水加工がされており、お風呂で使えるモノがほとんどだからです。汚れたら洗って、アルコールで拭いてやれば良いのです。
では、何故スタンドがイヤなのかというと、大きいからです。約10cm 四方。豪邸の洗面所ならともかく、設置スペースがないことが多いと思います。置いても穏当に場所をとります。それでなくても、私の場合、電動歯ブラシでスタンドを使っていますので、ヒゲ剃りは、どちらかというと、遠慮したい口です。
ここらへん、グルーミング用の全電化製品をサポートする、小型スタンドを作ってくれないものかと思いますね。
むしろ、このラムダッシュシリーズで困っているのは、スタンドがないことです。スタンドが全て洗浄器を使う様に支持されているからです。
■収納ケースで五千円
微妙な話は、まだ続きます。それは収納ケースです。
収納ケースは、家で使う限り必要ありません。ヘッドキャップで十分です。
ヘッドキャップをすると、刃を守り、かつ剃った後のヒゲが薪散らかるのを防いでくれます。しかし、このキャップはずれ易いのが難点。このため、旅行など持ち運ぶために使われるのが、収納ケースです。極端なことをいうと、外れないキャップがあれば事足りるのです。
で、このケースのありなしで差額が、約5000円。かなり考えてしまいます。
■お買い得は ES-LV5E。だがしかし・・・
そう考えると、ES-LVの5枚刃は、全モデル共通です。ですから、すっぴんのES-LV5Eが、最高のコストパフォーマンを誇るモデルになります。
しかし、問題もあります。
それは色です。私の好きなのは、シルバー、次点がブラウンです。
最低差額:3794円(税抜)
最高差額:9300円(税抜)((*^O^*)
だいたい、差額、9300円だと、本体の約半分の価格です。
これは悩ましいというか、笑うしかありません。
商品のより詳しい情報は、パナソニックのホームページにてご確認ください。
https://panasonic.jp/shaver/
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