次なる「銘品」はこれ02！千代田区神田の神田豊島屋の限定酒「利他（りた）」

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次なる「銘品」はこれ02！
千代田区神田の神田豊島屋の限定酒「利他（りた）」

大手町から小川町へ続く道を、ちょっと横丁に入ったところ、おしゃれな酒屋さんがあります。店頭の張り紙には「RITA」。名前からすると、日本とも、イタリアともつかない名前のオリジナルの日本酒を扱ってます。
その酒、ちょっといかしたシロモノでした。

■「日本橋」でなく「日本酒」？
日本酒は海外では酒として、ワイン同様に楽しまれています。特に吟醸系の日本酒は、いろいろなレストランで楽しむことができます。

この日本酒、味を決めるのは杜氏。まぁ、蔵元の方で味を決め、それを酒屋が伝え、お客さんが楽しむのが普通のスタイルです。

この酒屋で売っている酒は、ラベルになんと「東京　日本酒　神田」とあります。
「東京　日本橋　神田」ならまだしも、「東京　日本酒　神田」とは恐れ入谷の鬼子母神。

あれれ、と思ったラベル。
いったいどこの酒？

千代田区ですよ。東京のど真ん中です。
水だって悪い。「神田上水」と言って、わざわざ多摩川から水を引いた位です。

米と水と麹の芸術品、日本酒が神田のようなエリアで、できるわけはありません。

この意味は、神田にあるこの店が味を決めて、蔵元に作らせているからです。

■老舗　豊島屋酒造が蔵元
蔵元は、東京東村山市にある豊島屋酒蔵。定番の「金婚」、そして最近は「屋守（おくのかみ）」が有名です。

特に「金婚」は、明治天皇の銀婚式をお祝いする願いを込めて命名されており「金婚政宗」は、明治神宮、神田明神、と言う東京を代表する神社のお神酒として収められており、東京在住の方でしたら、初詣の時に振る舞われたかもしれません。
私も、神田明神の方で、何度かいただきました。ちょっと古風。

金婚　本醸造　無濾過　直詰　生酒。
振る舞われたお神酒より滅法美味い。

一方の「屋守」は、新しいブランドで現代日本酒の良さがバッチリ出たうまさを誇ります。爽やかな酸味が、魅力です。

純米無調整　屋守（おくのかみ）
実は、片方は2018年モノ。
最近流行の古酒ではないが、飲み比べは面白かった。

利他を販売しているのは、豊島屋神田。同じ系列ですが、この店が、「自分の店だけで売るための酒」を作ってもらっているわけで、これは凄いことです。

純米大吟醸　利他
他に、純米大吟醸　大利他、特別純米　利他（以上4合瓶）、
特別純米　利他　無濾過生原酒（一升瓶）がある。

■抑制が効いた極めて上品な味わいと香り
私は、友達のY氏に誘われて、店偶然によさせてもらったのですが、いろいろ試飲させていただきました。

現在、海外でも、広く飲まれている吟醸系日本酒は、そのフルーティーな香り、甘み、そして爽やかな酸味がうまく組み合わされています。

リタはそれらが抑制を効かせた感じで組み立てられており、食後酒ではなく、料理を味わう食中酒として、バランスよく作られております。

お酒が苦手な女性でも、「おいしい」と言ってもらえるお酒だと思います。

ブルーチーズにも合う味わいですから、西洋の人も好むタイプです。

瓶も、瑠璃色などおしゃれです。利他は自然の恵を表すため、瓶は、山の緑、海の瑠璃、里の紫など、発色のキレイな瓶に収められています。

実は、利他は、今年のグラミー賞で振る舞われたお酒です。あちらでの評判もすこぶる良かったとか。アメリカのエンターテイメント系は、非常にリッチですからね。舌も肥えています。そこで評判だったったということは、スゴいことです。

グラミー賞で使用されたプレート。
神田限定の酒なのですが・・・。

今、世界的に、お酒は2つの傾向にわかれつつあります。1つは酔っ払うための酒。値段もほどほど、味もほどほどの酒です。もう一つは、嗜好品として、ゆるゆる味わう酒。

飲む量は減ってきていますが、おいしいものを味わいたいと言う人が増えています。

店のオリジナルの日本酒リタは、そんな時代にふさわしい酒だと思います。

東京の横丁で、またおいしいものを見つけました。

ちなみに、01で紹介した「おつな」は、生活家電.com掲載後にテレビで紹介され、オンラインでの発注を受けていたために注文が殺到。一時、店を閉めるほどでした。
さて、「利他」は神田豊島屋限定。店頭販売のみです。

江戸時代に評判となり、落語にも名前が出てくる「幾代餅」の幾代太夫ほどではないにせよ、かわいい店員さんもいます。「利他」は是非店まで足を運んで頂ければと思います。