エアコンを買うなら、いつがいい?!
日本の家電は基本1年でモデルチェンジされます。
このため新モデルが、旧モデルと余り変わらなかった場合、新モデルが出た後、旧モデルの在庫処分が一番の買い時と言えます。しかし、メーカーもそのモデルの生産を止めた後ですから、欲しい型番が売り切れていることもあります。安いことは、安いのですが、買いの時期としてはイマイチだとということです。
では、毎年夏になるとメディアに出てくるエアコンの売り。猛暑で売れまくりの時などは、7月中に買ったのに、設置してもらえたのは8月も終わりなんてことも。
では、いつなら安く、工事も早く、そして自分が欲しいと思うラインナップがあるのでしょうか?
価格.comが出している平均単価から、考察してみたいと思います。
■夏のボーナス商戦=エアコンの図式
家電メーカーは力を入れるのは、大物と言われる4大家電でした。「エアコン」「洗濯機」「テレビ」「冷蔵庫」のことです。
「テレビ」は脱落しましたが、その分、世界中でエアコンを売りまくり、穴を埋めているのが現状と言ってもいいでしょう。
ただ、「洗濯機」「冷蔵庫」は季節家電ではありません。基本壊れたときが買い得になります。テレビは、地デジ化されるまでは、日本家電の象徴的なところがありました。こちらはビッグイベントのタイアップです。オリンピック、サッカーW杯、ラグビーW杯、世界陸上、バレーボール等々。夏のイベントが多いですが、夏はエアコンが売れますので、どちらかというと冬のボーナス目玉にしたわけです。女子フィギュアの人気に火が付いたときは、ホクホクだったことと思います。
ま、夏のボーナス商戦で一番「確実に」売れるのは「エアコン」です。
今、日本のエアコンの所有台数は一世帯当たり3台と言われています。「各部屋に1台」が、今の日本のリアルな姿です。まさに「エアコンの夏、日本の夏」です。では、エアコンの半年の価格推移を見てみましょう。
上のグラフは、2018年4月〜10月までのエアコン専業メーカーであるダイキン社の6畳用エアコン(木造:6畳用・鉄筋:9畳用という、2台目、3台目としてよく買われる)の価格推移をモデル毎に示したものです。
ダイキンのラインナップは、以下のようになっています。
Eシリーズ(以下シリーズ略)がベーシック中のベーシックです。「温度コントロール」と「除湿」ができます。
CXになると、「自動おそうじ機能」「天井気流」が付きます。天井気流というのは、天井に沿い強い気流を流し、部屋隅まで冷気を行き渡らせる技術です。冷気は重いので、天井いっぱいに拡がった冷気は、部屋全体を冷やすことになります。
FXは、冷房時の細かなコントロールが出来るようになっています。エアコンを意識しない快適さがでてきます。
AXは、それを暖房にまで拡げたモノ。暖気を足下に当てる機能など、暖かい風による暖房で快適さを追求しています。
そして、RX。CMでもやっている「うるらさ7」のことで、除湿だけでなく、加湿機能すら付いているエアコンの最高峰、何でもありです。リビングに最適の機能を有しています。
これに加え、別枠のSXは「デザイン」と「薄さ」が特長のエアコン。指名買いの多いモデルです。ちょっと毛色が違います。またSXはおそうじ機能があってしかるべきですが、薄さを優先させたため物理的に搭載は無理と判断したそうです。
一般には、リビングには、RX〜FX。それ以外は、CXがいいと思います。しかし、個人的に欲しいのはSX。空調家電は目立たない方がイイというのが私の考えで、その考えに一番合っています。
さて、グラフでは、4月、FX、CXシリーズが、一番高くなっています。最高級であるRXシリーズより高いです。これはこの2機種が春にモデルチェンジしたためです。エアコンは一斉にモデルチェンジしません。順に秋口から順に、モデルチェンジをして行きます。
エアコンの価格は導入後、しばらくして値をがくんと下げます。これで、ラインナップ順の価格にします。そして、あとは緩やかに値を下げていきます。ラインナップ順になるときの値下げは、一週間で数万円下がるのは当たり前です。買うのに余り良い時期とはいえません。
それが一番分かりやすいのが、CXシリーズです。CX、Eのベーシックは夏のボーナス商戦の目玉ですから、差が分かりやすいのです。6月までと7月以降で、グラフの傾きが違うのがお分かり頂けると思います。
また、価格.comでエアコンの売れ筋BEST4もグラフ化してみました。BEST4はいずれもダイキンでいう「E」シリーズ。ベーシック型です。
こちらも、7月に入ると価格の値下がりが少ない(千円台)なことが分かります。
■買うなら7月の第1週
価格下落が7月に入り少なくなるのは、6月30日に国家公務員の夏のボーナスが支払われるからです。翌7月1日から夏のボーナス商戦というわけです。この時は、その夏、その店がこれで頑張ろうという価格で、ラインナップも豊富。工事も余り待たなくてすみます。
ただ、それだけではダメです。その年の仕入れ分、きっちり売り切るためには、他店情報が必要です。反映させるのにほぼ1週間。以降、脇目も振らず売ると言うわけです。
以降、人気機種からなくなります。また工事も待たされる時間が増えます。この中で、一番の変動は工事待ちだそうです。7月20日夏の日、連休以降は、まず工事待ちがあると思ってください。
また、猛暑予報が出たり、また土日が暑いと、どっと買いが多くなるので、そこも引っ掛かる可能性があります。今、電気工事の人も若手が少なくなっていると聞きます。こんな所でも影響が出ているようです。
こう言ったことを踏まえると、夏季、新しいエアコンが必要な場合は、7月第1週に買われることをお勧めします。それから数千円下がります。しかし、猛暑の8月。エアコンがなく不快さは、今の東京ではとてつもなく大きいです。
ちなみに、2019年は、土日には雨、その上温度も上がらないと言うことで、商戦は後ろにずれ込みそうです。
■微妙な値下がり差
ただグラフを見るとこうも言えます。「何故、ベーシックのところだけ、そんなに差異が現れるのか?」
それは機能によるからです。
夏のエアコンの機能は「冷やす」「除湿」。これに「スマホコントロール」が付くのが異本になりつつあります。
これに「おそうじ」「気流」です。これらは物理的な機能です。
では、快適性とは何か?
煎じ詰めて言うと、これは、オートコントロールです。つまり、AIが常にベストの状態に部屋を導くわけです。
しかし、これが分かりにくい。5分で納得できる体感ができるものではありません。また、小まめに操作すると、人でも対応することができます。実は、データーから作り上げるのに膨大な時間を有するにも関わらず、認められにくいのです。
日本のエアコンのエッセンスですが、そこを突っ込んで書いてくれるメディアも少ないのです。
「分からないのは、ないのも同じ」となりますので、売れるユーザーが限られます。そうすると、時間に寄る適度な値下がりでいいとなるわけです。
が、面白いのは、7月頭には、売りのラインに付いていることです。店側の見事な価格コントロールと言えると思います。
■日本の中小企業、中国企業の参入でエアコン市場が変わる!??
さて、今回使ったのは昨年のデータですが、昨年と変わっている部分もあります。
それは、昨年から今年に入り、ダイキンのラインナップのCX、Eに相当するベースキック市場に、アイリスオーヤマ、ハイセンスなどの中国ブランドなどが入りつつあることです。
グローバル化ですから、当然、テレビと似たような状況になるわけです。白モノ家電の雄「エアコン」ではあり、日本メーカーは技術優位性を持ってはいますが、すでにテレビではひっくり返されました。エアコンとて大丈夫とは言い切れません。
日本の「エアコン」「洗濯機」「冷蔵庫」市場はどうなるのでしょうか?
また、日本の家電メーカーは?
エアコンは、技術を作るのが大変と言いますが、技術は必ず進歩します。デジタルは言うに及ばす、アナログもです。欧州のバイクレースを席巻したホンダがレースを撤退した時に、「我々の記録は抜かれることはない。」と言ったとか。抜かれ、再参戦したとき、勝てない勝てない。
エアコンにあるのは、涼しい未来か、それともお寒い未来か、どちらでしょうか?
ダイキンのホームページはこちら。
https://www.daikinaircon.com/roomaircon/
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2019年7月7日