8月29日に、東芝 新型冷蔵庫「VEGETA」、新型ドラム式洗濯乾燥機「ZABOON」、そして新型ルームエアコン「大清快」の発表会が、スマート家電元年の宣言とともに行われました。当日のお話をレポートします。
■大企業の強みを活かした展開
東芝は今、3つの事業を推し進めています。エネルギー事業、ストレージ事業、ヘルスケア事業の3分野です。
現在、家電はその中でエネルギー事業に属しています。そしてHEMSHome Energy Management System(ホームエネルギー管理システム)の略。住宅内の家電を接続し、電力消費状況の監視する。現在、7万円の補助金が出るシステムでもある。という家庭でいろいろな電気器具をつなげた現在、それとストレージ事業、つまりはクラウドシステムと組み合わせ、よりよい生活が出来ないかという考えが出てきす。
それが今回の「家電コンシェルジュ」というサービスなのです。
家電の集中管理は SF、マンガ、アニメではよくあるパターンですが、実際に実行するとなると利害関係が邪魔をして上手く行かないことが多いです。
大企業の良いところは、実行するために必要な技術、事業をほとんど持っているため、それを実行することができると言う部分です。東芝は、医療事業も行っていますので、更なる拡大をすることも可能です。
家電、クラウド、医療を自社内で組み合わせることができるのは、東芝ならではの強みです。
さらに言えば、東芝はPCの雄でもあり、新しいインターフェイスの提案なども仕掛けてくる可能性もあります。眼が離せない企業と言えます。
■家電コンシェルジュとは
家電コンシェルジュとは、東芝の持つHEMS「FEMINITY」とクラウドの連携サービスのことです。
HEMSは管理が仕事です。太陽光発電でどの位の電気が出来たとか、現在エアコンがどの位電気を使っているとかを表示、管理する訳です。
これに対し、家電コンシェルジュは、次のようなサービスを提供します。
例えば、外出先で冷蔵庫の内画像をチェックできるとか、使い方が分からない時教えてくれる、メンテナンスが必要な家電があるとそれをお知らせするとか、です。
管理だけでなく、ユーザーに則した、より使いやすく、きめ細かなサービスの提供と考えれば良いです。
また、このサービスはどんどん増えて行きます。ユーザーとしては欲しいサービスは提案すべきです。より使いやすくなります。
逆に言えば、HEMSが前提のサービスなので、東芝のHEMS「FEMINITY」を導入していることが前提となります。冷蔵庫を買っただけでは、家電コンシェルジュのサービスは受けられません。サービスを受けるためには別にFEMINITYの導入料金も必要です。
■統一デザイン化
また、東芝は今回より統一デザインを取り込んでいます。
今回発表された3点は、シェイカー家具を思わせるシンプルなデザインで中々の力作と思います。
が、統一デザインを継続するのは中々難しい作業です。特に2世代以降、「統一」という言葉に縛られ、新しい要素を盛り込めなくなることも多々あります。
逆に統一と言う言葉は使っていませんが、Apple社のPC、Macintoshは、統一されたデザインだと思います。よくその斬新なデザインで業界トレンドになりますが、どれを取ってもAppleデザインです。デザイン・コンセプトが変わらないからです。
多様性、選択ができると言うことは、人間の生活を豊かにする上でとても重要なことと思います。
今後の東芝デザインに注目、応援したいと思います。
■新製品に共通するコンセプト
では新製品の機能はどうでしょうか?
「エコ!らく!かしこい!」のママゴコロはキープコンセプトです。
機能的には「ecoモード」と「ピコイオン」の活用です。
それぞれどのように活かされているのかを見てみましょう。
■冷蔵庫「VEGETA」
ベジータの魅力は、野菜室の魅力です。
他社の冷蔵庫が全て、省エネのため冷凍効率を考慮し、冷凍室より開け閉めが頻繁な野菜室を一番下に設置される中、野菜室を真ん中に持つ使いやすさは東芝独自の大きな魅力です。
また野菜の保存するのに最適な3〜5℃の低温と95%の高湿も両立させています。
ピコイオンは除菌・老化抑制に使用されます。いちごを10日間保存しても問題はないレベルです。
省エネは、各種センサーが、設置環境、運転・使用状況、収納状況を把握。自動運転でも従来品より約20%省エネされます。さらにecoモードにすることにより、霜取り等の電力が必要な作業を電力ピーク需要時(=電気代も高い)に当てない、外出時には扉の開閉がないのでゆっくり冷却させそれを維持する等の機能が使えます。
■ルームエアコン「大清快」
今、家庭用空気環境家電は凄いことになっています。「温度」「加除湿」「清浄化」「風」を家全体でコントロールしなければならないからです。メーカーはそれぞれに得意技術でアプローチしますが、使う家電はどんどん増え、部屋がどんどん狭くなっているのが現実です。
東芝がこれに出した結論は、エアコンと空気清浄機との融合です。
名づけて「プラズマ空清」。ウイルスから花粉まで汚れを除去します。しかも空気の汚れ具合により、パワーをコントロール。また汚れはフィルター部に集塵されますが、それを水で洗い流し屋外排出しますので、フィルター交換は不要とのことです。
新しく日本電機工業界で定められた新基準「PM2.5を90分で99%減衰」もクリアしています。
省エネ効果も進化。
冷房「涼風」運転時、暖房「保温」運転時が最小パワーでの運転となりますが、55W。1時間当たり約1円の電気代です。
■ドラム式洗濯乾燥機「ZABOON」
清潔な機械で洗濯したい、深夜でも洗濯したいというニーズに対応した機能を付加したモデルです。
清潔ニーズに対しては、ドラムに汚れが付かないマジックドラム加工を施すと共に、すずぎ・脱水時のAg+抗菌水の勢いでその度に汚れを洗い流します。
またAg+抗菌水に含まれる抗菌剤濃度を200%上げており、最近多くなっている部屋干し時にするいやなニオイを抑えます。
さらにピコイオン除菌機能もあり、水洗いできないもの(スーツ、帽子、革靴、など)の除菌・消臭も可能です。
低騒音ニーズは、アクティブ S-DDモーター、振動吸収クッションにより対応。洗い31dB、脱水38dB、乾燥42dBです。東京都環境局の騒音リストでは洗濯機は約64〜72dBですので
かなり低めです。ちなみに同リストでは、42dBはエアコン並となります。
省エネは、布量、布質、温度、乾燥の4つのセンサーで的確に状況を把握することにより行います。さらに言えば、東芝の洗濯機は、予定時間通りに洗濯が終わります。当たり前のように思われるかも知れませんが、洗濯は予定時間より延長されることが多いです。それは洗濯が不十分だからです。時間通りに確実に終えると言うことは、電気も水も最低で済むということです。
■CMは、やっぱり「天海部長」
CMは天海祐希さんが、今期も務めます。トークショーで、天海さんは新製品を「頼もしい味方がお家に居るよう。」と絶賛。中でも冷蔵庫内を外出先からでも見ることができるサービスはお気に入りとのことでした。
女部長という才能あるキャリアウーマンにピッタリの天海さんは、今回のシンプルで機能的な3製品にピッタリだと思います。
■お願い
新製品毎のより詳しい仕様は、東芝のホームページでご確認ください。