思うこと

IoT電動アシスト自転車のシェア・サービスは「くらしアップデート業」なのか?


ーパナソニックが、3年間(2019年〜2021年)の予定で、シェリング・サービスを通した、IoT電動アシスト自転車を、神奈川県綱島で開始しました。また、白馬もレンタル自転車の実証実験を開始しました。
またパナソニック、2030年 自社の電動自転車を全てIoT化、50%のシェアを取ると言うことです。

まず、今回の「IoT電動アシスト自転車の実証実験」に関して簡単に説明します。それは、これから3年かけて、神奈川県横浜市にある綱島で、「IoT電動アシスト自転車」及び「「IoT電動アシスト自転車シェアサービス」の実験を行うということです。

 
■綱島という土地
東京は、海外の有名都市に比べると、坂が多いですが、その西に位置する神奈川県は更にです。これは、神奈川県西部が武蔵野台地という丘陵地であるためです。東京、横浜間を結ぶ東横線は、そんな丘陵地を走っています。
古くからある線ですから、著名な駅も多いです。最近のトレンドは「武蔵小杉」でしょう。「シン・コジラ」でゴジラが多摩川を渡る前に通った駅ですが、映画の通り、タワーマンションが乱立している再開発エリアです。

それ以外にも、いろいろ有名なところがあります。有名なのは「日吉」「綱島」。「日吉」は慶應義塾大学の教養課程&理工学部他があります。綱島は、大正時代に掘り当てた温泉を中心とした温泉街。このため、東横線と並行して走る幹線道路は「綱島街道」と言います。

自転車専用の道路はなく、自転車は歩道を走る。


東横線沿線ですから、日吉、綱島は、かなり便利な場所です。

その綱島にあったパナソニック綱島事業所の跡地に、建っているのが、2018年3月に街開きした、次世代都市型スマートシティ事業「Tsunashima サスティナブル・スマートタウン(Tsunashima)」。今回の舞台です。

 
■かなり乗りやすいIoT機能搭載電動アシスト自転車
自転車は便利な交通手段ですが、日本は、歩行者と自転車に対してこれでもかと言う程、やさしくありません。また意識も低いです。例えば、東京の幹線道路には自転車専用レーンがペイントされるようになりましたが、まだ、歩道を暴走する人もいます。自転車は車両なので、基本左側通行ですが、右側通行をする人もいます。ここら辺は、意識の問題です。

それ以外に、遅い、ふらつくなどの問題もあります。特に坂になると遅くなりふらつく人も多いです。今後高齢化を考えると、多分、大きな問題になりますね。そうなると、お勧めは電動アシスト自転車。特に、今回のモデルは、女性でも乗りやすい高さに抑えられ、かなり軽い。ここら辺は、さすがパナソニックと言った所でしょう。

小ホイールなため、小さめ。足つき、取り回しもよく乗りやすい。


駐輪場に並んだところ。統一感もあり、キレイ。


当日、IoTの機能で使ってみたのはロック解除の機能。専用HPにアクセス、IDとパスワードを入れた後、使う自転車に貼られているQRコードを読み取ると、ロック解除する仕組み。

自転車に貼られているQRコード。
剥がれたらどうするのだろうか?


当然、GPS、電池残量、故障などもIoTのポイントとなります。ママチャリで問題になる故障は、パンクです。多分どこかに空気圧センサーも付けられていると思います。

自転車からどんどんデーターが送られてくるので、枠さえ決めれば、スムーズにいろいろなデーターが得られると思います。

 
パナソニックの一つは、自転車事業を持ち、ツール・ド・フランスなどにも参戦していたこと。また、IoTにしてもプロ中のプロです。モノとしての自転車。これはパナソニックの強みといえる。

 
しかし、それだけでは新規ビジネス参入の成功は、50%といったところでしょう。というのは、以前の発表会でパナソニックが、「e-Bike(電動アシスト自転車)でのシェアリング・サービス等は極めて儲かりにくいと言っていましたので。

 
■日本の道路事情をどう考えるのか?

通学、通園する児童に、クルマが突っ込む事故が多発して、いろいろなところで書かれるようになりましたが、日本の道路は、超クルマ重視。

歩道は狭く、ガードレールがないところも多い。また、車両の自転車も混在して走らせる。そして多くの標識。
加えて、名古屋走り、煽り走行。非常に問題が多いと思います。

そして、今回の綱島街道。自転車専用ラインはありません。自転車、エコな乗り物のですが、本当に自転車シェアがベストな回答なのでしょうか?

日吉駅前の駐輪場。自転車がビッシリ、みっちり並んでいる。
種類もバラバラ、シェアサイクルのように統一感があるとは言えない。


 
◼️パナソニックには、もっと上を目指して欲しいと思う

昨年の「くらしアップデート業」宣言以降、盛んに実証実験を行っているパナソニックですが、IoT電動アシスト自転車のシェア・サービスは「くらしアップデート業」なのでしょうか?

例えば、セグウェイ。あれなどは場所も取らず小回りが利きます。しかもそれなりに速い。このような便利な新しい乗り物。クルマ屋だと思いつかないような、より生活に密着した乗り物の提案。私は、パナソニックに是非して欲しいです。

私は今回の実験は悪いと思いません。が、今と違う未来が見えないのも事実です。できれば、ここを打破して欲しい。事業部からすると、シェア:50%は至上命令なのでしょうが・・・。

グルーバル化以降、日本はパッとしません。いろいろな理由がありますが、それは短期ビジョンでビジネスを組み上げるからではないでしょうか?いわゆる枠を自分で作っているのではないでしょうか?
パナソニックのように、人材が揃っている総合メーカーには、新しいことをして欲しい。

過去、二番手市場導入が多く、マネシタと揶揄されたこともありましたが、それは水道哲学があり、広く広めるのが重要だった時代。それを否定して、『くらしアップデート業』としたわけですから・・・。

自転車を作ってきたから、電気自転車。そして自転車シェア。よくわかるのですが、狭い道に、自転車がごった返しているベストなのでしょうか?

いずれにせよ、3年後の結論が楽しみです。

 
商品のより詳しい情報は、パナソニックのホームページにてご確認ください。
https://www.panasonic.com/jp/home.html
 

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2019年5月24日

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