旅先であると、かなり楽しめるものは?答えは、スマホ用のポータブルプリンターです。
「そんなのどうでもイイじゃん。」とお思いの人も多いと思いますが、スマホで撮った写真を共有化するのとは、違った面白みがあるのです。かなり欲しいデジタルガジェットです。
■写真は眺めるモノ
スマホが普及したため、今の世、常にカメラ、ムービーを持ち歩いているようなものです。しかも、昔のフィルム時代に比べると、掛かるお金はただ同然。皆、パシャパシャ。しかし、どちらかというと撮りっぱなしで、メモリの肥やしになっている写真も多いと思います。
フィルム時代は、こうではありません。フィルム代、現像代、プリント代とお金が掛かっています。当然、部屋に飾っても楽しみます。枚数が少ない分だけ、シャッターチャンスはもちろんのこと、できる限り構図にもこだわります。このため、その一枚には分厚い思いが入っています。
今は、フォトフレーム。スライドショーで次々と写真が変わります。しかし、これは感心しません。これは紙芝居であり、写真とは別の見方だと思います。やはり、写真は壁なり、アルバムなりに貼り、ゆっくり観るのがいいです。
■ポラロイドならではの楽しみ
本来なら、インスタント写真というべきでしょうが、未だに普及していないので、商標であることを承知の上「ポラロイド写真」と書きます。
撮ったその場で、撮った写真を見ることができるポラロイドは、アメリカで人気でした。理由は簡単、即時性です。パーティなどで一枚パシャリ。パーティですからハイな状態。だから面白いのです。この即時性は、コミュニケーションを盛り上げてくれる秘訣でもあります。
新国立劇場のこけら落とし。ある団体が、そのこけら落としの演出を行うヴォルフガング・ワーグナー氏を招きレセプションを行いました。ヴォルフガング・ワーグナー氏は、あのリヒャルト・ワーグナー(ワルキューレの中の「ワルキューレの騎行」はさんざんいろいろな映画シーンで使われましたので、ご存じの方も多いと思います。)氏の孫です。
ご夫妻でいらして会が始まったのはよかったのですが、「さぁご歓談ください。」という時になって、誰もゲストの側に寄りません。世界の名士ですから、気遅れしたのか、それともワーグナー氏がドイツ語しか話せないので、遠慮したのか。有名大学の独文学の教授が何人もいらしたのですが、誰も進み行く人はいません。
5分経ち、誰も行かなかったので、私は友だちと、カメラを持ち、ワーグナー氏のところへ行き、英語で “Hello. Can I take a picture with you?”と話すと、奥様が “Yes!”。続いて「私英語が分かるから、夫には通訳しますから、何でも話してね。」と、極東の田舎者にやさしく手をさしのべてくれました。
で、この時、使ったのがポラロイドです。4枚撮り、それぞれがサインをし、持ち分けました。それから20分、次の人が来るまで、いろいろ話しました。ちょっとユニークな体験でした。
このサインを見ると当時のことがありありと思い出されます。先ほど写真は「分厚い思い」と書きましたが、プラロイドも含め、プリントアウトされた写真は、なかなかのコミュニケーション力を発揮します。
■2つの良さを兼ね備えるスマホ用ポータブルプリンター
この2つの良さを兼ね備えるのがスマホ用のポータブルプリンターです。
今、カメラとして一番人気の「スマホ」の写真をターゲットにしていますし、どこへでも持って行ける。
便利さと即時性。デジタル時代のイイところを具現化したのが、スマホ用のポータブルプリンターです。
今、この手のプリンターには2種類あります。
1つは、インスタント写真のフィルム技術を応用したモノ。と言うより有機ELによる3色露光方式です。これはフィルム屋の富士フイルムが得意としており、『スマホdeチェキ』という名前で商品化しています。
あと1つは、熱転写印刷です。ZINK Zero Ink方式と言われる方式で、2007年にZINK Imaging社が開発した方式です。で、こちらはシアン、マゼンダ、イエローの3層がそれぞれ染料の結晶により形成されています。熱によりこの結晶を溶かし、発色させる手法です。今回、レポートするHPの『Sproket(以下 スプロケット)』は、こちらになります。
いずれにせよ、「色素」という複雑で特殊な化学物質を扱うため、新メーカー参入がすごく困難な分野です。
■画質
今、スマホの画質は大変に上がっています。有機ELとの組み合わせだと、これでもかと言う程色鮮やかです。しかも高解像度。普通のコンパクトデジカメがなくなるわけです。ちょっとやそっとでは勝てません。ということで、スマホの方の解像度は十分です。
対し、『スプロケット』ですが、カタログスペックでは、画面サイズ:76×50mm(3×2インチ)、画素数:1200×626(=75万)ドット、解像度:400×313dpiとなります。
雑誌などの誌面掲載の場合、300〜350dpiと言われますから、雑誌の並の解像度だと考えていただければイイと思います。
幾つかの作画例です。
まずは、「工事中の新国立競技場(部分)」です。このように細かく同じモノが並んでいると、解像度によっては破綻を来すことがあります。それがありませんから、割りとちゃんとしているという感じです。
下は元絵。iPhone SEで撮影したもので、1200万ドット。こちらはよりシャープとなります。
次は色味です。
3月上旬に咲いていた花です。
画素数減のため、シャープネスが足らないのと、あと色が濃く、やや暗めに出ています。全て標準モードで対応していますので、これが一つの枠です。
私は、どちらかというと解像度より色にこだわるタイプです。このため、次はもっと色とりどりのものを撮影してみました。
傾向は同様です。ではということで、アプリ「スプロケット」で画の色を最高に強くしてみました。
これは行き過ぎですが、明るさ少々UP、色少々UPで、かなり追い込めることが分かります。
まぁ。ポータブル、しかもカードサイズのリーズナブルな写真に、どこまで期待するのかという命題はありますが、印刷されたペーパーだけ見ていると「それなり」と思います。
ただ、スマホなどにも有機ELディスプレイが入って来ており、解像度もさることながら、色も抜群にキレイです。
それから考えると、解像度UPが、今後の課題としてあげられます。
その2へ続く
それでも欲しい、スマホ用ポータブルプリンター
日本HPの『スプロケット』〜その2:ここが魅力編〜
商品のより詳しい情報は、日本HPのホームページにてご確認ください。
https://www8.hp.com/jp/ja/home.html
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