世界三大穀物の一つ、「小麦」。
代表的な食べ方はパン。キリストが最後の晩餐で「わが身体」と言うわけですから、西洋食文化の根幹をなす食べ物です。
ところが、この小麦に含まれるタンパク質「グルテン」を問題視する場合があります。
■パンが膨らむのはグルテンがあるから
グルテンは小麦に含まれるタンパク質と書きましたが、正確には正しくありません。正確には、小麦の坯乳に含まれる2種類のタンパク質、「グリアジン」と「グルテニン」、この2つが水と混ぜ合わせられることにより「グルテン」になります。
グルテンができると、生地が粘ります。要するに皆さんがパン生地として思い浮かべる、お餅の様な生地。これは「グルテン」があって初めてできるものなのです。
マンガ「美味しんぼ」の中では、副部長が貧しかった子ども時代、親が水を流しながら小麦粉を捏ね取り出したグルテンを「代用ガム」として食べるシーンがありましたが、その位粘ります。
同じ麦で、パンに使われる「ライ麦」。ドイツ系のパンでは有名ですね。この麦は、「グリアジン」と「グルテニン」を持ちません。しかし、グルアジニンに似た「セカリン」というタンパク質を持ちます。このため、ライ麦の膨らみは悪いです。「フワフワ」のなんて出来ません。みっしりと、「モチモチ」っとしたのがライ麦パンの特長です。
何故、わざわざ小麦でなくライ麦を使うのか?
これは単純です。小麦が育たないような寒い地域でもライ麦は収穫できるからです。ライ麦の収穫が多い国は、ドイツ、ロシア、ポーランド。ヨーロッパでも北です。もし小麦が獲れるなら、小麦を作っていたでしょう。ドイツのパンは硬くて重い。膨らまないから、ミッシリしています。グルテンが1/2になったらこの有様。さて、グルテンフリーでパンはできるのでしょうか?
■日本の米の多様性
日本は、お米があります。お米の品種改良で日本に敵う国はないでしょうね。
今回、使用したのは「ミズホノチカラ」というお米の米粉です。
「ミズホノチカラ」。
聞いたことがない銘柄ですね。これは米粉パンのために、特に品種改良された銘柄です。ポイントは、デンプンを損傷せずに粉に出来ることと、アミロース成分が適量にあることです。粘るなら餅米と考えて仕舞いがちですが、餅米のアミロース成分は0%。パンにはなりません。
■ボンドのような生地
さて、当日、生地を見て見ると、通常のパン生地とは似ても似つかない生地です。モチッとしていません。どちらかというとペチャっとしています。しかし触ってみると、手に貼り付きます。色は見事な「白」。私は、木工ボンドを思い出しました。乾くと透明になるあのボンドです。
こんな状態ですから、通常の時間でこね上げるのは無理です。このため、イースト菌などを入れる前に21分、事前に練ります。膨らみにくいモノを膨らますためには、通常のパンより手間がかかるわけです。と言っても、ホームベーカリーが勝手に頑張ってくれるわけですが。
当然、全てのホームベーカリーが、グルテンフリーの米粉に対応しているわけではありません。タイガーのホームベーカリー「やきたて」KBD-X100も、国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構と共同開発でプログラムを作り上げています。
しかし、実際やってみると、ホームベーカリーへの負荷が大きい。机が安定していないとガタガタと揺れるほどです。
■食べた味は・・・
そして、硬く、ミッシリとしたパンが焼き上がります。切ると、中もミッシリ身が詰まっています。軽く焼くと、外はパリパリ、中はモチモチです。
あることを思いついて、強く焼きました。香ばしい香り。思った通り、素焼きのせんべいに近い味わいのパンが、そこにはありました。
また、一緒にお茶を含みますと、ボロボロと崩れる感じがします。グルテンを含むパンのような、粘りを感じません。
味、食感は見事にパンライクですが、新しい食材としてみるのが正しいように思います。
■和洋折衷パンはとても美味しい
今のはすっぴんで食べた場合ですが、今回の「タイガーグルテンフリーアレンジパンレッスン」では、川崎市の古民家にて、米粉のパンとお菓子の教室「あれこれキッチン」を主宰する多森サクミ先生の指導で、パンを調理します。
調理と言っても作るモノは「タルティーヌ」。フランス式オープンサンドウィッチですから、いろいろのせて食べようというわけです。
今回載せたのは、ガーリックグリルド野菜。
ホームベーカリー「やきたて」KBD-X100と同じ、GXシリーズの中の、スチームコンベクションオーブンで焼きます。スチーム前提ですからしっかりした作りですし、パンも見事に焼き上げます。バルミューダを皮切りに高級「オーブントースター」が活性化しましたが、ポイントは2つ。水分調整機能があることとコンペクション型であることです。
KAX-X130は、両方とも備えていますので、鬼が金棒を持った状態で、自在に調理していきます。
そして、このガーリックグリルド野菜と、米粉パンの間に塗るのは、味噌クリームチーズ。味噌は先生のお手製ですが、それでお酒が飲めるほど、美味しい味噌。これ見方を変えると、米、味噌、野菜に醍醐(奈良〜平安時代チーズの言い方。スゴい珍味だったようで、醍醐味という言葉が生まれたくらいです。)ですから、80%以上 和の食べ物。今年流行のほうじ茶と共に、美味しくいただきました。
実際、ジャムトーストのようなお菓子的な感触はなく、まさに定食を食べた感じです。米粉パンは満腹度が高い上に、腹持ちがいいのも実感しました。
「グルテンフリー」ではなく、新しいお米の食べ方として、「洋風おにぎり」と言った感じでもっともっと、一般的にしていいのではと思った体験でした。
また、デザートとして安納芋のモンブランを作りました。これには、黒糖米粉パンを使いました。こちらのパンは、かなりフワフワ。同じ米粉パンでも、添加物によりかなりいろいろな食感が楽しめることが分かりました。
ちなみに、このイベント。募集人数の20倍近い応募があったそうで、すでにグルメと健康を両立させたい女性からは注目されているようです。パンの代用品ではなく、新しい美味しい食材とすると、もっともっと注目を浴びてもイイと思います。
とても有意義な体験でした。
商品のより詳しい情報は、タイガーのホームページにてご確認ください。
https://www.tiger.jp
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