象印、東京 表参道に期間限定食堂。秋の味覚満載の「炎舞炊き御膳」は、美味いか?
先日、タイガーが代官山におにぎりレストラン『La Donabe(ラ・ドナベ)』を出しましたが、今週は、象印が表参道に定食屋を期間限定で出します。今年発売の炊飯器『炎舞炊き』のご飯を味わってもらおうと言うわけですが、さぁ、味の方はどうでしょうか?
表参道は並木が続く通りで、東京でもかなり季節を感じられるエリアです。その表参道と明治通りとの交差点にほど近い、原宿ピアザ・ビルに象印食堂はオープンしていました。
■お水の器は?
午後2時30分頃、現地に到着しました。一日150食だそうですから、ギリギリと言ったところです。2階建ての店舗ですが、1階は『炎舞炊き』の展示をしており、2階が食堂になっております。ここは元々カフェなので、ひどく洒落た感じの店舗なのですが、それに炊飯器という和のテイストを足しているため、ひどくモダンにです。
メニューは「炎舞炊き御膳」1種類ですが、東京のこの店舗では、「白米 ふつう」「白米 かため」「玄米」の食べ比べが可能です。当然、食べ比べでお願いしました。
そして、お茶か、お水かと聞かれます。食べ比べですので、余分な味はない方がベターです。「お冷や」をオーダーしました。
出てきたお冷やはなんと、ステンレス・タンブラーで。
グラスと違い、かなり長時間温度が一定に保てます。
水もいい感じ。期待が高まります。
■食べ応えのある「炎舞炊き御膳」
出てきた炎舞炊き御膳は、一汁三菜。懐石の形式に従っています。
懐石だと、ご飯の代わりに、お酒がでてくるのですが、まぁ定食と言うことで。
煮物は、鶏と小芋の炊たん。炊たんは、京都を中心に関西で使われる言葉で、ひたひたの出汁で具材をコトコト加熱して、出汁の旨味をじっくり含ませた料理です。出汁の中に入れないところがミソです。出汁の中に入れると、どうしても出汁が勝ちます。炊たんは、出汁だけでなく、素材の味も堪能してもらおうとするときに使う調理法。薄味の関西が好む技法です。
焼物は鰆味噌幽庵焼き。幽庵というのは人、江戸時代の茶人の名前です。(江戸時代は、洒落っ気が強い人が多く、今なら嫌われる「幽」の字なども使いました。)
醤油、酒、味醂を混ぜ、柚子などを入れたつけ汁に、魚の切り身を入れて数日ねかせ、味が染みたのを見計らって焼くわけです。鰆は、「魚」に「春」。が、美味しいのは秋、冬だそうです。春〜初夏が、産卵シーズンなので、沿岸までよるので、春を告げる魚と書いたんだそうで、旬ではありません。これも美味しそう。
酢の物は秋野菜満載。そして、きのこと豆腐の汁。1000円の割りには中々手が込んでいます。
■お米は?
お米は、新潟は佐渡のコシヒカリ。
佐渡はトキで有名です。で、トキは田圃で、ドジョウ、サワガニ、カエル、昆虫などを捕って食べます。このため、佐渡の田圃では、極力 化学肥料、農薬を使いません。その代わり手入れは大変です。
文字通り、八十八の手間をかけて、お米を作るわけです。
中でも、指定条件を全てクリアしたものは「朱鷺と暮らす郷」という名で呼ばれます。
美味いわけです。
日本穀物検定協会の食味ランキングでは「特A」。イイお米です。
■やさしい和食
金曜日ともなれば、仕事疲れは溜まります。そんな時、ゆっくり食事できるのはある意味、すごく贅沢なことです。しかも美味しい和食ともなれば、なおさらです。定食で特に気に入ったのは鰆味噌幽庵焼き。薄味ですが、つけ込んであるので、味がしっかりしているのです。これは美味い。
■食べ比べのためには、温度に注意して欲しい
今回、「普通」、「しっかり」、「玄米」と食べましたが、食味の比較はできませんでした。と言うのは、運悪く「しっかり」のお米が足らなくなり、炊きあげたばかりだったからです。
料理は熱いうちが美味しいと言いますが、お米も同じこと。炊きたてはどうしても美味い。つまり、比較にならなかったのです。分かるのは、とにかく美味しいと言うことでした。
ボリュームも含めて、1000円の価値は十分あるでしょう。
■「炎舞炊き」について
昨年まで、象印の看板は、「南部鉄器 羽釜極め」。もちろん内釜の異名です。
とても美味しいのですが、日常使う家電としては重いのです。内釜の重量:1.8kg。中に、お米、水を入れると持ち上げたくない重さと化します。
炊飯器は基本、毎日使います。これでは、やはり使いにくい。「味がこんなにイイのに」と思いながら、私も5.5合炊きを「太鼓判」から外しました。
象印に寄せられたユーザー要望も、それと同じだったそうです。それに加え、一升炊きも欲しいという要望もありました。5.5合炊きですら重い内釜。一升炊きだと、完全に持ち上げる気にはならないでしょうね。そのため、象印は一升炊きを作りませんでした。
さて、今年は、象印創立100周年。
「炎舞炊き」は炊飯器の技術の総決算として作られたそうです。というと、初めから技術があったようですが、本当は違います。
軽い内釜にすると言うことは、数年間、頑張ってきた「南部鉄器 羽釜極め」を手放すことです。まぁ、これは必殺技を封じるに等しいことです。
こんな時は原点回帰。刑事と同じで、現場(かまど)を見ながら、何か見落としはないか、観察を続けたそうです。そして気づいたことは、炎は揺らいでいるということでした。自然では当たり前のことです。しかし、科学技術は「均一」を重んじます。均一でないとコントロールがすごくし難くなるのです。
この炎のゆらぎを、ローテーションIH技術として組み込んだのが、炎舞炊きであるわけです。
内釜は、当然軽くしますが、やはり一番こだわってきた鉄は、やはり内釜に組み込まれています。名付けて、「鉄 ーくろがね仕込みー 豪炎かまど釜」。私は永井豪原作の鉄(くろがね)の城と異名をとる「マジンガーZ」を思い出してしまいました。
実は家でもテストしましたが、実に美味しいです。私は舌を偏らせないため、家では土鍋でご飯を炊きます。それに勝るとも劣らない味。いろいろな炊きわけが、楽々できることを考えると、これはスゴいと思いました。
そんな象印食堂、日本のあちこちに行きますので、是非頂いてみてください。
https://www.seikatsukaden.com/?p=24200
詳しい情報は、象印のホームページにてご確認ください。
http://www.zojirushi.co.jp
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2018年10月26日