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敢えてニッチのみ狙う会社が作った『お経燈』


(株)レッツ コーポレーションという会社があります。
この会社、ニッチな商品のみで生き抜く戦略を取り、見事に成功しています。
どの位、ニッチかというと言うことで、見て頂きたいこの商品。名付けて『お経燈』です。
■実物を見てみて

サイズ:Φ98×165(H)mm、重さ:410g。
市場想定価格:7,000円前後(税別)。


正直、見せてもらった瞬間、笑いました。
仏具然とした USB、Bluetooth スピーカー。今のスピーカーはアルファベットが並びますので、ちょっとそぐわない感じですが、ま、京都の坊(ぼん)さんは携帯がないと、仕事にならないと言いますので、今ドキなのかも知れません。

コンソールは図示されており、分かり易い。


さて、このスピーカーの特長は、名前の通りです。
お経が入れてある、和蠟燭(ロウソク)ふうの燈の揺れをLEDで再現した、妙に凝ったスピーカーです。

お経は、どの宗派でも問題ないように、「般若心経」が入れてあります。しかも独唱、復唱、2つも入っているのですから念が入っています。

実際、お寺というものは、仏の世界、いわゆる天国のアミューズメントパーク的なところがあり、お経は今でいうと「ラップ」でしょうかね。
仏様のありがたいお言葉を、次々投げかけ、場を盛り上げます。

 
仏教には「声明」という、合唱の様な部門もあり、これは壮大です。人数も必要ですので、中々お目に掛かれませんが、スクリーンマッピング技術と組み合わせコンサート形式で行うと、面白いのではと思います。

脱線はこれくらいにして、実物を見て感じたのは、実に丁寧に作ってあることです。正直、仏壇に置いても余り違和感がありません。

見たお客さんの意見は、「お盆でお坊さんの到着が遅れた時に、使いたい。」(田舎では親族、ご近所が集まることがあり、遅刻は歓迎されません。)「お経覚えていないので、便利!」などだそうです。

まぁ、お経が下手で、こちらの方がはるかに上手いお坊さんもいます。

死者への礼儀ということもありますが、やはりニッチな市場で確実に支持され続けるには、これ位の丁寧さが必要だと思います。

他は、Bluetoothスピーカーと余り変わりません。
Bluetoothのバージョンは4.0。スマートホンに自分の宗派のお経を入れておけば、その再生も可能です。
容量2000mAの内蔵リチウム電池を内蔵しており、連続使用時間が約5時間(ランプ点灯およびお経の連続再生)、連続点灯時間が約20時間(ランプ点灯のみ)、充電時間が約3時間。仏壇で蠟燭を消し忘れると、火事になりかねませんが、『お経燈』だとそんな心配はありません。

柄違い。宗派にひっかからないように「蓮の花」をデザイン。


 
■レッツ コーポレーションという会社 レッツ コーポレーションは名古屋の会社です。
経営方針がふるっており『私どもレッツコーポレーションは、情報・通信・映像のニッチ市場において、お客様が満足のいく商品を安定して供給し、健全な営業を行う事を経営方針としています。』とのこと。

銀行なら、ベンチャーに金貸してイケイケゴーゴーなのでしょうが、流石にそこは、名古屋手堅いです。しかし、経営方針に「ニッチ」と入れるとは強者です。

また、ニッチですから、技術は社内に溜まります。このためでしょうか、国家組織(警察など)、地方自治体(オレオレ詐欺対策、防災など)への納入も多いです。オレオレ詐欺のシステムは、ここが作ってから、大メーカーは動く感じでしょうか? ニッチ市場で頑張る時、気を見るに敏は必要です。

何か、秀吉の抜け目なさと、家康の堅実性が合わさったような会社です。

 
詳しい情報は、以下のホームページにてご確認ください。
http://www.lets-co.jp/lets/

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2018年9月19日

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