23.75カラットの金を使ったモデルを出すことは聞いていました。
ただ写真を見せられた時思ったのは、「これブルーでなくムラサキじゃん!」
私の知る限り、日本人が「緑(信号)」を「青(信号)」と呼ぶような真似を西洋ではしません。

しかし、眺め透かしてみると、ありました。ムラサキに見える角度がです。

瞬時に理解しました。
金箔の下地に「赤」が使われていたのです。

金箔はその性質を上手く利用したものです。
箔の厚みは、なんとミクロンのオーダー(今回使われているのは0.1ミクロン)。超薄い。この薄い箔を対象物に貼り付けていくわけです。
この薄さになると、金属でも向こうが透けて見えます。
つまり下地が見えるわけです。
ダイソンが選んだ下地は『赤』。暖色系ですから、金のポッテリとした柔らかさがキレイにでます。
この金に合わせた「青」。つまり赤の影響を受ける前提の青です。だからムラサキに見えるのではと言うことです。
ここから先は想像です。
一つはブルーとムラサキの2面性を持つ塗料を使用した場合、そしてもう一つはボディーも一度赤く塗ってその上に青を被せる方法です。
いずれにせよ、凝ったものです。
またダイソンは、このゴールドコーティングをいろいろ研究した上で、手作業以上のものはないとも、言っています。これも面白いところです。

よく「輪島塗モデル、お値段一桁違います!」というのがありますが、これでは興ざめというもの。

レザー調ボックスも凝った色。
「金+青」の使いこなしが上手かったのはロシアですが、「金+ムラサキ」とくれば、お江戸。
「武士 鰹 大名小路 広小路 茶店(ちゃみせ) 紫 火消 錦絵 火事に喧嘩に中っ腹 伊勢屋 稲荷に犬のくそ」と唄われたものです。
当時、紫は江戸で染められていましたから。歌舞伎 助六の鉢巻きでも有名ですね。助六の鉢巻きは病鉢巻。これは紫染めの原料であったムラサキ(花の名です。現在、絶滅危惧種!)の根に、抗炎症・解毒・解熱などの薬効があったからです。
ダイソンさん、東京モデルは、ぜひムラサキで!
商品のより詳しい情報は、ダイソンのホームページにてご確認ください。
https://www.dyson.co.jp
