加湿機にもいろいろ種類があるのって、ご存じですか?
実は、4種類あります。その内、1種類は2つに分かれますので、計5種類。湿度を上げるのにもいろいろあるのです。
▇スチーム式(ファンなし / ファンあり)
日本人が、昔から無意識の内に行っている加湿方法は?
お分かりですね。
『ストーブの上に、水の入ったやかんを置いておく』です。
これと同じ加湿機が「スチーム式」です。ヒーターで加熱し、蒸気にして放出するタイプです。
一度加熱した後は、ガンガン蒸気を出しますが、加熱するのに時間がかかります。(下写真 象印マホービン EE-RN35で、約20分。)また、水を蒸気にするのには、エネルギーがかなり必要です。ストーブの上のやかんは、ストーブの過剰なエネルギーに助けられましたが、スチーム式は、自前で蒸気を作りますので、電気代がかかります。(EE-RN35は、約8.87円/回。筆者算出)
標題にある「ファンなし」は、できた蒸気をそのまま放出します。熱いですが、反射的に手を引っ込めますので、火傷はしない温度に設計されています。(EE-RN35のスチーム温度は約65℃です。)
一方「ファンあり」は、ファンで冷まし、部屋の温度に影響がでないようにしています。
分かりやすい方式で、フィルター類を持たないため、お手入れが非常に楽です。基本魔法瓶と同じだと思っていただいて問題はありません。
尚、全ての加湿機に入れるのは基本水道水です。理由は水質、特に病原菌など存在レベルが一定以下になるまで消毒されているので、室内汚染を防ぐことができるためです。スチーム式は湯沸しするため、気を使わないでもイイですが、他の方式は、そうではありませんので、防菌のため、よりしっかりしたメンテナンスが必要です。
▇気化式
気化式は、洗濯物が乾くのと同じ原理を使います。
洗濯物の乾きの4要素は、「温度」「湿度」「風」「表面積」と言われます。この内、「風」と「表面積」を使うのです。
薄いフィルターを濡らし、このフィルターに風を当てるのです。これだと効率よく水が蒸発します。ヒーターを使わない分、安全で、電気代もかかりません(BALUMUDA Rainの場合、最も電力消費が高くても、0.621円/h。湿度が一定になったら、0.054円/h。筆者算出。)が、パワフルではありませんので、一挙に加湿したい人には向きません。
逆に乾燥を嫌う美術品などがあるところなど、24時間、加湿しておきたい場所にはうってつけです。
別の言い方をすると、室内に口の開いた水槽を置いているようなものです。当然、空気中の、黴菌ほかが入り込みます。メーカーサイドは、防菌機能を織り込み、二次汚染防止に努めますが、決して機械任せで済むことではありません。マニュアルに従ったメンテナンスをお願い致します。
▇ハイブリッド式
気化式に、ヒーターを加えたのが、ハイブリッド式です。風の代わりに温風で気化させます。気化式が扇風機なら、こちらはドライヤーというわけです。
電気代は、スチーム式の湯沸かし時の1/3程度です。
▇超音波式
水に超音波を当てて、細かい振動を起こすと、水の表面から細かな水滴が発生します。いわゆる「霧」です。振動と水滴発生の原理は、現時点で完全に解明されては居ませんが、広く知られた現象です。
この霧を放出するのが、超音波方式です。
霧吹きの様な加湿機と思っていただけると分かりやすいと思います。
メリットはいろいろあります。超音波素子を付けるだけですので、構造制約が非常に少ないです。電気代も安いです。(Cado STE,620の場合、最強モードで、1,1円/h。)また熱を使わないので、火傷の心配もありません。
欠点は、水蒸気ではなく、水自体を飛ばしていることです。
このため、水の中のモノも一緒に飛ばしてしまいます。
例えば、水タンクの中に雑菌が繁殖していると、雑菌ごと噴霧しているのと同じです。
このため超音波式は、他のモデルよりメンテナンスをきちんとする必要があります。