アメリカのサービスモデルをそのまま日本で!
東電が欲しいバッテリー充電サービスは「充レン」で成功するのか?
ムシムシした暑さの東京。多くのサラリーマンが行き交う新橋 ゆりかもめ駅に設置された一台のバッテリーレンタルサービス・マシン。
それはどうしても、この分野に橋頭堡を築きたい東電が、アメリカから取り寄せたサービスでした。
■2016年に実証実験で失敗した東電EP
2016年の夏。東京電力エナジーパートナー(以下 東電EP)は、コンビニ、イートインコーナーなどに充電器を置いて、プリメイドカードで支払う公衆電源サービスを提案、実証実験しました。
この時は、サービスとして十分とは言えないところが多く、正直ベースで言うと、よくこれでゴーサインが出たなと思いました。公式発表はありませんが、実証実験は失敗に終わったようです。
参考:生活家電.com 新製品
『急場だから?お殿様商売? 東京電力エナジーパートナーが提案する公衆電源サービスの実証実験 他に関して』
失敗の理由は、いろいろ考えられますが、私の場合、20分間も充電が終わるまで、待つのがいやですね。だいたい、いつでも、どこでもというモバイルに合いません。しかし、この分野かなりの需要があるのは確かです。そうでなければ、コンビニがあれだけ充電池を販売していません。しかし、忘れたからと言ってコンビニで買うと、2,000円也もします。忘れ物の代償としては高すぎます。
そんなこともあり、この分野、大きなビジネスの可能性が残っています。
ならばと、東電EPが行った、次の手は、アメリカで成功したサービスを導入することでした。
■スマホがないと何もできない時代に必要なサービス
今、スマホとクレジットカードなしに大手を振って生きて行けるのは、よほどの金余りか、持つことができないお金に不自由な人たちだけで、ま、必需品です。
ま、私もかく言うデジタル・ジャンキーの一人。出る時は、予備バッテリーを2つ鞄に忍ばせています。忘れるともう大変。あっちをウロウロ、こっちをウロウロ。充電できる場所はないかと探してしまいますね。これは海外でも一緒です。
ところで昔、日本人が初めてアメリカへ行ったとき、食事の逃げ込み口はマクドナルドと言われていました。味、サービス、価格が決まっているので、安心なわけです。レストランは、その次、落ち着いてからと言うわけです。
情報が、食事と同じ様に、必要不可欠なインフラとなった今、全く同じことが言えます。海外の「モバイルバッテリーレンタルサービス」と同じことを、日本のスタンダードにしてしまえば、世界共通でもあり、楽です。
■「充レン」サービス
今回、東電EPが、(株)ゆりかもめと実証実験を行う「充レン」は、米NRGエナジー社(米国の大手電力会社)がヒューストン、中国などで、実績を上げているサービスです。「充レン」というサービス名からお分かりの通り、充電池のレンタルサービスです。
貸し出される充電池は、接続端子が付いているモデルで、iPhoneで使われているライトニング端子、Androidで使われているミニUSB、そして最新のUSB TypeCの3種類があります。容量:4,200mAhなので、大体、1〜1.5回の充電が可能です。
貸し出しは、専用の自動レンタル機で行います。左右に、15個ずつ、合計30個のバッテリーが装着されています。
レンタルする時は、「借りる」というボタンを押した後は指示通り。
まずバッテリーの種類を選びます。
次に本人連絡先のメアドを入れます。よくあるメールを使った認証などはありません。
そして決済。クレジットカードのみです。対応カードは、ビザ、マスター、JCB、アメックス、ダイナーズですから、基本困ることはないと思います。
そして、点灯しているバッテリーを引き抜けば終了です。機械が満タン充電済で、合った端子のバッテリーをセレクトしてくれます。
料金は、翌日の24時が第一回の〆で、それまでは300円。3日目の24時で、300円が加算されます。4日目の24時までは、300円加算ですが、以降、3000円の買い取りに変わります。
返却時は、タッチパネルで「返却」を選び、空いているスロットに挿せば終了。万が一、スロットが一杯の場合は、バッテリーに書き込まれている「ID#」に続く数字を打ち込み、右側にある返却口へ返却します。
かなり簡単なシステムです。
■お台場、16施設、20ヵ所に設置
今回の設置場所はお台場です。
パートナーのゆりかもめの、「新橋駅」「汐留駅」「お台場海浜公園駅」「台場駅」「テレコムセンター駅」「青海駅」「国際展示場正門駅」。
りんかい線の「東京テレポート駅」。
施設では、「アクアシティお台場」「カレッタ汐留」「グランドニッコー東京 台場」「ダイバーシティ東京プラザ」「デックス東京ビーチ」「東京ビッグサイト」「日本テレビ」「フジテレビ」。
ところで、今年の夏コミケは、8月10〜12日。場所はもちろん東京ビッグサイト。毎年うんざりするほど人が並んでいますが、当然スマホを使いまくり。「充レン」がビッグサイト3ヵ所にあるのは、なんとも心強いですね。
飲料の自販機もそうですが、これら「充レン」のレンタル機は使われない時間もあります。その時は、ゆりかもめの等の、ローカル・インフォメーションとして使われます。ちょっとゴタゴタしているので景観を損ねるという話もありますが、そこはアジアのカオスさが残っているモノとして・・・、ですね。
■ベースは海外観光客狙い
東電EPの広報は、2020年全国一万台を狙うと、かなり強気ですが、そのベースは海外からの観光客です。
実は、お台場は、成田空港から最も移動しやすい観光スポットの1つ。JRで成田から久里浜行き1本で新橋に着けるし、京成スカイアクセスで印旛日本医大までいくと、浅草線に乗り入れる北総線に乗ることができます。
浅草線の逆は、羽田空港に通じており、景色はあまり面白くありませんが、空港から空港へ、都心を経て行くこともできます。
その上、新橋、汐留は銀座8丁目に隣接。あの銀座への入り口に当たることもあり、実は新橋は、観光客の乗り降りが激しい駅でもあります。
しかも、2020年のオリンピック競技場他、いろいろな施設ができるゆりかもめエリア。今後、ますます観光客が増えると思います。
という意味では、アメリカ、中国で使われているサービスを、観光客の多いエリア、しかも駅を中心に配置するのは、かなり上手いやり方と言えると思います。
さて今回、東電EPは、上手に橋頭堡を組むことができましょうか。
ご覧じろ。ご覧じろ。
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2018年7月2日
タグ: JUREN, お台場, バッテリーレンタル, ゆりかもめ, 充レン, 新橋, 東京電力, 東京電力エナジーパートナー