昔、ルンバの日本総代理店を務めていたセールス・オンデマンド社(以下 SOD)。アイロボット・ジャパンが設立されるということで、ルンバを担当していた人は、アイロボット・ジャパンに移籍、今のメインはブルーエア社の空気清浄機販売です。
今回、彼らが新しく手がけるのが、窓用ロボット掃除機「ウインドウズメイト」。さあ、果たして上手く市場は立ち上がるのでしょうか?
■あなたはどの位、窓掃除しますか?
炊事、掃除、洗濯。掃除がない家事はまず考えられません。が、この掃除。多くの場合は床掃除だけで、箪笥の上とか、照明、窓などは、毎日掃除することは、まずありません。
隣の家の窓が汚いと、隣に文句を言うといわれるドイツ人でも、2週間に1度程度と言います。
ドイツには、高圧洗浄機で有名なケルヒャーがありますが、ここはウインドウクリーナーでも有名です。オプションアクセサリーも充実しています。2m近い延長ポールなどもあり、徹底したラインナップは、ドイツらしいと思います。
●参考ニュース:「ケルヒャー、より軽く、コンパクトなった家庭用窓用バキュームクリーナー『WV 1 プラス』『WV 1 プレミアム』を発売」
https://www.seikatsukaden.com/?p=21088)
さて、SODの調査では、日本の窓掃除は、月一以上が約25%。2〜5ヶ月が約20%。半年に1回以下というのが約55%だそうです。
窓掃除は面倒臭いです。洗剤で汚れを落とし、から拭きしなければなりません。汚れを落とすだけだと、拭き後が残ります。「拭く」という行為は結構面倒です。
床そうじは、昔はホウキで掃き、雑巾がけが当たり前でしたが、雑巾がけは非常に面倒。掃除機の性能がアップするにつれ、だんだん雑巾がけをしなくなります。窓掃除も同様です。
拭くという行為は、いろいろな姿勢を取らなければなりませんし、力も要ります。高齢者には厳しいのが現実です。
■窓用ロボット掃除機
人が面倒なことはロボットにさせる。今の風潮です。同じ思いは皆がすると見えて、一社だけではありません。同じカテゴリーに数社参入が当たり前です。SODの新製品「ウインドウメイト」の前から、窓用ロボットは発売されています。
垂直な窓にロボット掃除機を貼り付けるのは、余り難しいことではありません。今の掃除機の吸引力をもってすれば、貼り付かせることができます。展示会でも行われるパフォーマンスです。
問題は電気の供給を続けなければならないこと。供給を止めると落っこちてしまいますからね。このためには、長い電源ケーブル、もしくは高容量バッテリーが必要です。
家の内側だとあまり問題にならないのですが、外側だとケーブルを窓に挟んだりしなければなりません。その分、窓が完全に開かず、一部拭けないところが出てきたり、完全な解答ではありません。
また危険防止のために、供給ストップの時の落下防止をしなければなりません。窓に強い吸盤を付け、命綱を付けたりします。当然、吸盤部分の掃除はできません。
まぁ、床用のロボット掃除機と違い、とにかく手間です。
■「ウインドウメイト」は窓に付きっぱなし
ウィンドウメイトは、窓にくっつける時に吸引を使いません。永久磁石を使います。2つの本体で、窓ガラスの表裏から挟み込むます。それぞれに永久磁石が付いているので、ずっとくっついていられるわけです。
一見よさそうに見えますが、これがかなり難しい。適切な永久磁石を選ぶ必要があります。『適切」というのは、永久磁石が強いと本体が窓ガラスに強く押しつけられ、前進、後退などができなくなるからです。
このため、ウィンドウメイトはガラスの厚みによって、異なる強さの永久磁石を持った4種類のウィンドウメイトが用意されています。
この問題がクリアされると、後の設計はかなり楽になります。窓は枠にはめられた四角形が基本。まず、ゆっくりと上まで進みます。上と判断すると、今度は左右です。ゆっくり進んで、右左のサイスを確認します。超音波で確認しながら、本体が接触する方式を採用しており、ここまではゆっくり。その後は、それなりのスピードで斜め下への動きを加えながら左右に動いて、窓を拭いていきます。
最後まで掃除し終わると、始めに付けられた位置へ戻ります。
■慣れが必要な、窓への接着
ウィンドウメイトをテストした時に一番慣れが必要だと感じたのは、窓への付着させる時です。永久磁石の磁力はかなり強いので、上手く付けないと、「ガチャン」と時ならぬ音を立てることになります。
まず永久磁石がどの位強いかというと、通常はキャップを被せられているのでも分かります。間に何もない状態で、本体がくっついてしまうと、引き離すのに大の大人でも苦労します。女性には厳しいかもしれません。
また窓に付ける前に、落としてしまうかも知れません。
設置の時の音、落下を防ぐために、SODでは、専用治具を揃えています。
まず落下防止の紐が付いたグラブを到着します。グラブの紐は本体の取手を通り、端の輪っかを親指へ引っかけます。これは設置後、片手で親指から輪っかを取り外し紐を取り除く必要があるからです。
そして、装着音対応です。設置の時は、厚みがあり、中に鉄棒をいれたブルーで柔らかいパッドを使います。本体のモーターがある方にこのパッドをくっつけます。そして設置。頼りない状態で窓にくっつきます。そしてパッドを抜き取りしっかりくっつけます。
よく考えられた対応法と言う反面。手間だなぁと思ったのも事実です。
■2つの拭き方
本体は2つに分離し、双方同時に掃除できるのは、大きなメリットです。基本、モーターがある方は基本から拭き、もう片方は洗剤を付けて拭きます。これはモーター側にあるローラーが滑ってしまうと、動かなくなるからです。
兎に角、ウィンドウメイトのポイントは、これらのバランスが計算通りに行き、滑らずに動くことです。
洗剤はかなりの洗浄力。薄ければタバコのヤニも拭き取れるそうです。
汚れが強い場合は、再度掃除させるとベターです。
私がテストした時は、光に透かしても拭いた跡が分からない、さっさらな状態になりました。これはお見事という感じでした。
■床掃除ロボットの違う窓掃除ロボットの魅力
AI、IoTが本格化した昨今。人間の手助けをするロボットが家電という形で生活に入り込むことに違いはありません。床用掃除機はいち早くロボット化されました。そして、次に窓。
しかし、この2つには大きな違いがあります。
床掃除ロボットは、無人で自動掃除ができますが、窓掃除ロボットは人間が付いていなければならいことです。ルンバは完全に放っておくことができます(ゴミ量をチェックして捨てることは必要ですが)。セットした時間に、掃除を始め、掃除を終わる。
それは床が同一平面だからです。
窓は違います。精々、2m×1m。これを一枠として、幾つもあります。窓用は枠毎にセットしなければなりません。要するに、手放しにはできないということです。こうなると「音は、なるべく小さい方が良い」など、別の要素も重要になります。(ウィンドウメイト他、窓用ロボットは、かなり音が大きいです。)
ロボット掃除機に比べ、少々手間なウィンドウメイトは、不要かと言いますと、そんなことはなく、手放しではありませんが、お勧めしたいと思っています。
理由は、至らぬ点が多いながらも、「拭き残しなく拭ける」からです。
リビングの大きな窓。自分の手が届かず、跡で脚立を持って来て拭こうとして途中で中止したことはありませんか? 2階の出窓。手が届く範囲だけキレイになっていませんか?
窓は拭き残しがあると、かなり気分が悪いものです。それがなくなるのは大きいです。
手間だけど、気分がいいと言えます。
時短と言うより、隅々まで窓拭きができるのが、ウィンドウメイトの大きなチャームポイントです。
■「業務用」は導入済
実は、ウィンドウメイトを作っている韓国RF社が、先に作ったのは「業務用」の窓掃除ロボットです。(業務用ウィンドウメイトのカタログより抜粋)
ウィンドウメイトと同じ構成で作られていますが、こちらは窓の厚みにより2機種の内1つを選びます。(ダイヤルで永久磁石の位置を変更させ、機種を減らしている)
それに対して、民生用は4機種。より細かく区分けすることにより、より適切な素材を使うことができますが、「特化」し過ぎると、マージンがなくなる可能性も否めません。
民生用「ウィンドウメイト」はどちらなのでしょうか?
■まだ、対応できていないことも多い
最後に対応できないことを羅列しておきます。
1)窓の厚み:5mm未満、28mmより大きい場合
2)ガラス面と枠の高さが3mm以下しかない場合
3)幅、高さが、70cm以下の場合
4)凹凸が激しい場合
5)窓形状が四角でない場合
6)結露など、ロボットのローラーが滑ってしまう場合
これ以外は大丈夫です。
兎に角、(1)(2)が正確に分からないと、お話はできません。このためSODは、販売前に次のペーパー測定器を配布しています。
正直、買うまでにしなければならないことが多いのは、ちょっと面倒です。
昔、ルンバが流行し始めた時、脚付き家具は、足の高さをルンバに合わせ9cm以上とるようになりました。
ウィンドウメイトが一般化すると、70×70cm以上の窓は平面で、掃除ができるように、そうでない窓は、汚れを極力避けるように、表面に模様を付けるのが当たり前という時代が来るかも知れません。
そのためには、ウィンドウメイトの一つ一つの動作が確実であることが必要です。
いろいろなスペックのバランス要求される、窓用お掃除ロボット。手放しで、お勧めすることができるのは、いつ頃になるのでしょうか?
商品のより詳しい情報は、のホームページにてご確認ください。
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