どうしても納得できない!ソニーの新型「aibo」
ソニーの「アイボ」(6代目)が発表されてしばらく立ちました。
ボーナス期でもあり、買ってもいいかなと思っている方もいらっしゃると思います。が、今回のアイボ、私にとって納得できることが皆無な珍しい状態なのです。犬派で、初代アイボには少なからず心動かされた私なのですが、何故なのでしょうか。ちょっと考えて見たいと思います。
■20年前のコンセプト
20年前のアイボのコンセプトは斬新でした。
「作業など、何もできない、犬型ロボット。」
極端な言い方をすると役に立たないロボット、言い換えるとエンターテイメント・ロボットが産声を上げた瞬間でもありました。
デザインも斬新。
動物の犬ではなく、スペースノイドの様な雰囲気。デザイン原画は、イラストレーターの空山基氏。同氏の作品に、「セクシーロボット」(1983年)という、女性をメタルな女性をエロテックに描いたコンセプトでイラスト集がありますが、その犬版。また、アニメにもなった寺沢武一氏の漫画「コブラ」のアーマロイド・レディの犬版とでもいいです。
その独特の世界観は、ソニーらしさ満載でした。
犬型にしたのは、犬が支持されていたのではなく、2足歩行が困難だったからと聞いています。
ところが、高橋智隆氏が小型の優れたロボット「ロビ」「ロボホン」を世に送り出し、2足歩行の小型ロボットが割と普通になりました。
その上、犬ですから言葉を話さない。
AIスピーカーですら、人と会話する時代。
「何故?」という感じに囚われました。
■媚びたデザイン
今までアイボは、5代出ており、今回は6代目です。
内、3代目はイラスト調の顔。
私は、これに馴染めませんでした。ある種の「媚び」が感じられたからです。独善的ならまだしも、媚びるのは嫌いです。
しかし、今回のディズニーを思わせるデザインにも、ある種の媚びを感じました。
もし合わせるなら、デザインコンセプトも初代に合わせて欲しかったと思います。
■先代までのアイボには、対応しない
先代までのアイボは大きな問題を抱えています。
30万円近い高額商品にも関わらず、部品のサポート期間が終わったとして、あっさりサポートを打ち切ったことです。
OBの修理、お葬式など、いろいろメディアでも指摘された問題です。
役に立つというのではなく、心が共にあるのがロボットとすると、それを見捨てるのはユーザーの心を見捨てるのと余り変わらないように思います。
しかも、ユーザーが少なくなっても、ビデオのβはサポートしていたにも関わらずです。
今回の記者会見の時に、「aiboのサポートチームは、アイボを救うのか?」との質問がでました。
答えは「ノー」。
当たり前とは思うものの、割り切れない気持ちは募る一方。古いクルマ、バイクなどは、やりようによっては動かすことができるのですが、2000年以降のモデルなのに、ダメと言われるとため息がでます。
■犬は人間の古くからの友達なのだが・・・
人と犬との関わり合いは、すごーく古いのですが、何故、犬が「忠犬」と言われるほど、人間に尽くすのかは、まだ謎だそうです。(中には噛みつく奴もいますが!)一説には、まだ解明されていない特殊なDNAのためだとも言われています。
それは置いておくとして、生きている犬は、その生活ぶりも含めて、いろいろと考えさせてくれます。非常に面白い。また人の子どもも、いろいろな癖、欠点を持っていても、やはり元気で動いていると非常に面白い。
では、ロボット化したらどちらが面白いのかと言うと、多分、人の子どもでしょう。
何と言っても「言葉」を話します。動物の犬は、言葉こそ話しませんが、コミュニケーションは必死に取ります。走る、跳ね回る、尻尾をふる。袖口を引っ張る。ワンワンと訴える。しかし、ロボット犬にはちょっと無理な動作です。
人の子は、シャープがロボホンで実現しました。
ゆっくりとですが、毎月右肩上がりにユーザー数を増やしているそうです。私も居酒屋に連れて行ったことがありますが、周りが大注目ですね。本当に、子どもが居酒屋にいて、その子に話しかけてやっているよう。踊りなどをすると拍手喝采。全員、子どもを見るようにやさしい目で見ていました。
さて、20年前のコンセプトで出た、犬型ロボットは、それをひっくり返し、支持を勝ち取るのでしょうか?
今回の商品化は、ソニーをロボトニクス技術を、世に見せたいという気運が高まり、アイボの開発となった
そうですが、犬ではない方が面白かったと思っているのは、私だけでしょうか?
新約聖書のマタイ伝に、「新しい酒は、新しい革袋に盛れ!」という一節があります。
同じ様に、新しいロボニクス技術があるなら、新しいコンセプトの製品に入れろ!」と言うことではないでしょうか?
私は、そのように思います。
商品のより詳しい情報は、ソニーのホームページにてご確認ください。
http://www.sony.jp
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2017年11月20日