ここまで来たか、EOの骨伝導音響システム
第3回 ウェアラブルEXPOより
骨伝導って知っていますか?
通常、音は、鼓膜で振動を捉え、耳小骨連鎖を経て内耳に入ってくる空気伝導で感知するのですが、音の振動を頭蓋骨に伝え、内耳の中にある内耳液体を振動させ、その音を聞くよる方法です。
空気伝導ではありませんので、どんな騒音下でも電話の声を聞くことができるなどが想定され、研究が進み、一時期、電話などにも採用されたことがありました。
私は、携帯オーディオのヘッドフォンとして期待。幾つか買いましたが、意に沿うモノはまく、数万円をフイにしました。一番の難点は、音が小さすぎるのです。
ところが、今回のウェアラブルEXPO、EOのブースで展示してあった骨伝導システム。
これは、すごく音が大きい。
かなり使えると直感しました。
■ポイントは装着部位
骨伝導は、その名の通り骨の振動を使います。
このため、装着は、頭蓋骨が、それなりに感じられるところに装着します。
よく使われるのは、こめかみ、耳の下の顎のかみ合わせ部など。
音が小さいのは、頭蓋骨をギュンギュン振動させることができないためです。
EOの骨伝導音響システムはひと味違います。
それは装着部位です。
耳たぶの軟骨部分に装着します。
この軟骨部分は、フリー。つまりガンガン振動させることができるのです。
その大きな振動で、頭蓋骨を振動させる訳です。
これはちょっとスゴいです。
■応用範囲は大きい
今は、ノイズキャンセリング技術が発達し、騒音下でもその騒音を消し、聞き取りやすくできる技術が発達しました。
結構便利そうなのですが、これ言い方を変えると、外からの刺激をシャットアウトするわけですので、そのまま外で行動すると危ないわけです。
特に自転車などだと、人の通常の歩行スピードなどより速い。このため、ヘッドフォンで音楽を聴きながら、自転車に乗ることは禁止されています。
しかし骨伝導だとどうでしょうか?
鼓膜で、外の音を聞いていますので、多少はイイとされるのではないでしょうか?
また難聴の人も、このシステムの電話だとイイですね。よく聞き取れます。
■慣れるまでちょっと違和感
このシステム、欠点がないわけではありません。
実は振動がスゴい。
スマホの振動よりビックリします。
(ということは、スマホの振動子としても使えるかも知れません)
多くの場合、それだけ振動が激しいと、四方八方へ小さな音が漏れるのが常ですが、それがほとんどありません。振動の操り方が巧みです。しかし、それだけパワーがあるのも事実です。
骨伝導は古い技術ですが、新しいステージを切り開く力を持っていると思います。
2017年1月20日