ドイツ大手二社が提案したスマートハウスのキーパーツ
IHA2016 06 スマートハウス
スマートハウス。IoTを駆使し、人を助けてくれる家の総称であり、助け方(サービス)は多岐に渡ります。
今回のIFAでは、かなりのメーカーが、その概念を示しました。
その概念には、ほとんど差がなく、横並び状態だったのですが、これはと思ったメーカーが二社ありました。
■独シーメンスと独ボッシュ社が展示していたモノ
その二社とは、独シーメンス社と独ボッシュ社。
馴染みが少ないかも知れませんが、双方共にドイツを代表する家電メーカーです。
双方共に、IoTを含み、いろいろな家電がつながりますよと言う展示を画でしていました。
これ逆な言い方をすると、サービスの内容は、まだ煮詰まっていないということです。
iRobot社が、スマートハウスを手がけると宣言をした時、IoTを三段階に分けました。
まず、家電にインターネットにつながる端子などが組み込まれ、物理的につなぐことができるようになる。
次に、効率の良いプラットフォームができる。
そして、固有のサービスが始まる。
というものでしたが、これで言うと、今は1.5段階程度。
家電を接続できるようにしながら、プラットフォーム、サービスを作り始めている所と言えるでしょう。
良いシステムにするためには、どの様なプラットフォームを作り上げるのかが重要です。
とくに、人間の対話ですね。
ここで、対話としているのは、今まで人間は家電に命じてばかりでしたが、スマートハウスの場合は、家電の方から伝えたい情報があるからです。例えば、掃除機だと、ゴミが一杯で動きたくても、動けないとか、です。
人間は、そんな時、言葉、文字、身振り手振り、いろいろな方法を持っており、それに応じ的確な対応を試みます。
では、スマートハウスはどうか?
ドイツの二社が出した解答はこれです。
■「声」を取り入れるということ
てるてる坊主にも似たロボット(以下、勝手に「てるロボ」と略します)です。
と言っても、人工知能が内蔵され、動くロボットではありません。
簡単な表情が作れ、クラウドからの情報を読み上げ、人の話す言葉を伝えるのが役目です。
機構的には、シャープが発売しているロボフォンの方がスゴいのです。
またスマホがイイとお思いの方もいるでしょうし、パナソニックの様に専用モニターを用意するところもあるでしょう。
しかし、私はスマートハウスとのインプット、アウトプットは、てるロボに集約されると考えています。
というのは、塩梅がいいからです。
まず、人は声で伝えるのが非常にナチュラルであることがあります。
産まれた時の「おぎゃー」から始まり、死ぬ時の一言。
最後まで、自分の気持ちを伝えるのは「声」です。
人にその姿を与えた神も声ですね。
創世記の冒頭、「光あれ」と神は言いますし。
リラックスすべき家で、望ましいのは、主として声、従として画、だと思います。
■顔が命
それなら、「ディスプレイでもいいじゃない。」と言われる人があるかも知れません。
しかし、スマホでも、それ話しかけるのはちょっと違和感を覚えます。
私は、iPhoneを使っており、その中に音声で対応してくれるSiriが入っています。
駅のベンチなどに座っている時など、これが非常に使い難い。
何か、ギスギスしたものを感じるのです。
しかし、これが幼児、ペットだとどうでしょうか?
話しかけることに違和感がない。
これは「顔」の有無だと思います。
人間、顔があるモノには話しかけやすいモノです。
また、昨今、「顔文字」は盛んに使われます。
(^_^)、(^o^)、(^_^;) 等々ですね。
これも、電話での会話が、メールという文字に変わって行く時に、声の表情を顔で表したいというニーズが出てきたためではないだろうかと思います。実際、顔文字の方が、ニュアンスが伝わりやすいことが多いです。
ま、顔文字は余談として、「顔」と簡単でイイので表情は、非常に重要です。
■スマートハウスはパートナーなのか、マシンなのか?
では、てるロボがあると何が変わるのでしょうか?
多分、システムへの親近感でしょうね。居心地と言ってもいい。
特に寝起きする、食事をする、休憩する、など憩いの場が、自宅ですから居心地は重要です。
そうなると、常に壁で待機しているディスプレイは、ちょっとと思います。
多分、てるロボは、スマートハウスを活かす上での重要パーツになると思います。
■日本メーカーはもっと柔軟に!
スマートハウスの時代は、近々来ます。
しかし実は、規模が計れないのも事実です。
例えば、HEMS(ホーム・エネルギー・マネージメント・システム)。
これなどは、段階を追わず、こうなるということばかり、宣伝されたシステムですね。
いずれ、スマートハウスのサービスの1つとして、確固たる地位を築くことになると思いますが、iRobot社のように段階を踏んでという前に、日本メーカーは今までのビジネスプランの作り方に振り回された感じです。
新しいシステムは、新しいビジネスプランと共にあることが必要なのに、それができていない。
また、「てるロボ」の様な発想もできていません。
もっと柔軟に、もっと人間に寄り添う形でモノごとを捉えて欲しいと思います。
2016年9月13日
タグ: IFA2016 スマートハウス, シーメンス, ボッシュ