これイイじゃん! ECOBACS社の窓ふきロボット「WINBOT950」
IFA2016 05 掃除機02
今回のIFA、ロボット掃除機での目新しいモノは、ほとんどありません。
今、どのメーカーも、日本市場を重要視して、発表するようになったからというのが理由なのですが・・・。
が、でもそこは世界最大の家電ショー IFA。面白いモノがありました。
■窓ガラスの掃除
ドイツの大詩人ゲーテの最後の言葉は、「もっと光を」。
と言うわけではありませんが、ベルリンの位置は、北緯52°30’59”。日本の近くで言うと、樺太の北側に当たります。
この当たりになると、白夜圏に近いですから、夏は9時位まで明るいし、冬は8時に日が出て、午後4時には暮れるという有様。
この性でしょうかね。ドイツ人は外で日の光を浴びることを好みます。ある人に言わせると、カフェのテラス席もその延長だとか。
建物も、新しく作られたモノは押し並べて、窓が大きい。と言うより全面ガラスという感じの建物も少なくありません。
これがピカピカ。家庭でも同じですね。とにかく窓ガラスはきれいなのが相場です。
これに対し、ドイツにあるケルヒャー社を始め、さまざまなクリーナーで対応してきました。
ところが今は、お掃除ロボットの時代。普通の掃除ですら、お任せです。
もっと面倒な窓ふき。当然、お掃除ロボットも発売されてきました。
そしてその中の一社、ECOVACSのブースに行ってみると、中々カッコイイ新型が動いているではありませんか!
■WINBOT 950
見た瞬間、その合理的なデザインに惹かれましたね。
四角のベースの上に低い円柱、そして大きな取っ手。そして長いACケーブル。が、決して厚くない。
見た瞬間に、「扱いやすそう!」と思いましたね。
えっ。原理が全く分からないですって。
では、窓ふきロボットの原理を説明しましょう。
その前に、皆さんは掃除機の吸引力がどの位か、ご存じですか?
え、ダイソンなら、スゴそうですって!
ダイソンは置いておくとして、ある程度密閉してやれば、10kg位のモノを難なく持ち上げることができるのです。
よく店頭で、ボーリングの玉を吸い付けるデモをしておりますが、現代の高性能モーターだと楽々吸い付けることができるのです。
窓用お掃除ロボットは、この原理を利用します。
本体を軽く作り、ある程度密閉してやり、モーターで吸引。
これで垂直、ツルツルのガラスにもへばりつく、というわけです。
写真を見てください。吸い込み口で空気を吸引。そして移動は、無限軌道(キャタピラ)で行います。戦車と同じ様に、2本ですので自由自在に動けます。
そして、モップ部で拭くと言うわけです。
考えてあるのは、方向転換。
窓枠は、多くの場合四角ですし、それに合わせWINBOT950も最外枠は四角です。
キャタピラなので、超信地回転という移動することなく向きを変える必殺技がありますが、しかしその場合、外側もくるりと回ってしまいますので、窓枠と本体が合わさっている時は使えません。
このため、四角の部分と円柱底の丸い部分は、別の動きができるようにしてあります。
非常にイイ感じです。
■価格もかなり意欲的
お値段は、429ユーロ。
ざっくり言うと、5万円を切る価格です。
今、ファミリー買いなら10万円。個人買いなら5万円が相場。
かなり手頃な感じの価格でもあります。
「頑張っているなぁ。」と思います。
■掃除機に求められる多様性
ルンバの生みの親、iRobot社も多種多様なロボット掃除機を作っていますし、このECOVACS社もそうです。
しかし、日本メーカーはそうではありません。
取りあえず、床用だけです。
日本だと、雑巾という必殺技がありますので、市場的には厳しいと見ているのかも知れませんね。
また、技術的には作れると考えているのかも知れません。
実は、今回のIFA、ロボット掃除機の新製品のめぼしいモノは、ECOVACS社以外、ありませんでした。
(ルンバ、ブラーバの新製品は、日本市場を重要視し、発表済)
日本、韓国の家電メーカーは、米iRobot社ほどのレベルには達していません。
もしこの日進月歩の分野で、開発を怠っているとしたら、あっと言う間に、このECOVACS社に逆転を許すかも知れません。
このためにも、もう少し多様性への進出が必要なのではと思っています。
2016年9月13日