新製品

Cado、ベルリンに現る
IFA 2016 02 メーカー01


Cadoは、華道から その名を取った日本のベンチャー企業。
商品は、空気清浄機、加湿機、除湿器と言った空調家電です。そのベンチャー企業が、今回IFAでブースを構えました。
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小さなスペース。浅い奥行き。露天での説明に近いため、
いろいろなユーザーさんがちょっと見ていく感じ。イイ感じの集客。


Cadoの空気清浄機は、非常に能力が高く、空気清浄機の評価で最も厳しいと言われる米国家電製品協会のCADR/クリーンエア供給率でトップグループに入っています。
これはかなりスゴいことです。

ただし、その性能が広く日本で認められているのかというと違います。

商品は、「デザイン」「性能」「価格」のバランスが上手く取れてなければなりません。
性能に見合ったデザイン、価格であることが必要です。
こちらの方は、情熱ではなく、ある種経験がモノを言う部分でもあります。
このため、ベンチャーでよく使われるのは「○○は良いんだけど、××はちょっとねー。」となります。

では、これを変えることはできないのでしょうか?

 
■文化が変われば、評価が変わる
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独特のデザインで、
存在感の強い加湿機


実は可能なのです。
日本では評価されなかったことが、海外ではすごく評価が高かった。日本では高評価ななのに海外では誰も振り向いてくれないのは、よくあることなのです。

理由は簡単。
ユーザー事情が異なるからです。

例えば、この加湿機。
カッコいいです。オシャレな感じです。600ml/時間ですから、性能も優秀。
では、推奨できるのか? と問われると、日本では厳しいのです。
正直、サイズと性能が、間尺に合わないのです。

日本のリビングは、平均で14畳前後。
欧米から比べると狭い。そこに欧米以上の家具、家電が置かれているのが現状です。
その中に、Cadoが作る、空清、加湿機、除湿器は置かれるわけです。
このため、日本は設置面積が小さければ小さいほど有利。

そして、次は住宅構造が、変化しています。
エアコンの省エネを助けるために、密閉度がスゴいのです。
どれだけスゴいかというと、日本のほとんどは、亜熱帯〜温帯です。
しかし家の密閉度は、寒帯である北欧並。

このため、いろいろな問題が発生しています。
例えば、冬場の結露。
放っておくと、カビが生えます。
冬じゃない?という人もいますが、エアコンで気温は適温。そして結露で水もある。となると、日本は空気中に黴の胞子などは、他のエリアの倍もありますので、すぐカビます。

密閉空間で、カビの胞子が多いのは、ろくな事になりませんね・・・。

 
そう、このカッコよさげな加湿機は、日本だと「ちょっと・・・」と、厳しい評価を下すことになります。

 
では、欧米ならどうか?
緯度は高い、そして大陸性であるため、常に乾いています。
ラスベガスで行われるCESで、長期滞在した時に、たまたまジャグジーがある部屋だったのですが、その時の注意は、「使い終わっても、水を抜くな」でした。
ラスベガスは、沙漠の真ん中に作られた都市ですから、思い切り乾きます。
そのための措置です。

またリビングの畳数も多い。

日本と事情が変わり、欠点がプラスに変わるわけです。

 
■日本市場でも成功して欲しい
ブースで、話を伺ってみますと、非常に好評。
商談にもつながりそうだということでした。

はるばる、海を越えてやってきたかいはあった様です。
時が来ると、「あの時」海外を目指したのは大英断として、NHKなどで放送されるかも知れません。

 
ただやはり初志貫徹。
日本で、成功する商品を開発して欲しいと思います。
初心を貫けねば、ただ金儲けをするために、モノを作ればイイとなり、堕落することが出てきますので。

でも、海外で、同胞のベンチャーが頑張っているのは嬉しいことです。

2016年9月6日

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