サイクロンシステムの欠点を改良!ミーレの “モノサイクロン技術”
IFA2016 01 掃除機01
ダイソンが作りし、サイクロンシステム。当時の、掃除すればするほど、紙パック掃除機の吸引力が弱くなるという欠点を改善した掃除機でした。しかし、この世に完璧なものはありません。サイクロン掃除機にも欠点はあります。
■サイクロン掃除機の欠点
細かな欠点はいろいろあるのですが、それはさておき、サイクロン掃除機の最も大きな欠点は「ゴミ捨て」です。
ゴミ箱にゴミそのものを捨てる形になりますので、舞い散ります。
泥団子を地面に叩きつけると細かく四散する。
そのイメージです。
特に、現在の日本では、掃除機を掛ける時に、窓を開けるなどの換気をせず、窓を閉め切ったまま掃除をしたりします。
日本人の1/3が発症していると言われている花粉症。
花粉が舞い散る季節は、外にすら出たくないわけです。
換気と共に、部屋の中に入ったらどうでしょうか?
言うまでもなく、酷い苦しみに見舞われます。
この様に、窓を開けずに掃除をします。
今の掃除機は、排気をHEPAフィルタリングするのが当たり前。
部屋に、微細なゴミをまき散らさないためですが、
多くの場合、そんな閉め切ったところで、サイクロン掃除機のゴミ捨ては行われます。
アレルゲンの様なチリは舞い散ります。
この瞬間に、排気にまで馬鹿高いフィルターを付けた意味がなくなります。
これを防ぐには、新しいゴミ袋を用意。その中に掃除機のダストボックスを突っ込み、開けるべきなのですが、当然面倒臭い。
便利そうで、不便なサイクロン掃除機の欠点です。
一方、紙パック掃除機は、ゴミが紙パックからでません。
安心して、ゴミ捨てができると言うわけです。
■ミーレのモノサイクロン技術
サイクロン技術と言うのは、遠心分離技術です。
強力な吸引力で吸い取った空気とゴミ。それを分離、空気のみ排気します。
このため、排気フィルター他、ほとんどゴミなどによる目詰まりがない。
だから吸引力が落ちないと言うわけです。
では単にそれだけかというと、もう一つの特徴があります。
重いモノと軽いモノを分離するのです。
遠心分離機ですからね。
ミーレは、この大本の原理に注目しました。
つまり、吸引したゴミを二分する方法と取ったのです。
ダストボックスに溜まる重いゴミと、そうではない軽いゴミです。
重いゴミは、現在のサイクロン方式のダストボックス方式を採用しています。
つまり、今の様に手荒く、扱っても飛び散らないので、今までと同じというわけです。
では、細かいゴミは?というと。
排気と一緒に、ゴアテックスフィルターに導かれ、フィルタリングされるのです。
ポイントは、このフィルターがゴアテックスであること。
水に強いのです。
ある程度、フィルターにチリが溜まったところで、水洗いしてやるのです。
フィルターは、黒いホルダーに収納されています。
このため、実際はこの黒いホルダーを外し、洗い場まで持って行き、水で洗えばいいわけです。
黒い筒は樹脂ですので、その吸気口から水を入れるとチリは飛び散りません。
かくして、アレルゲン物質から逃れることができるわけです。
サイクロンシステムを開発したのはダイソンですが、その大きな欠点であるゴミ捨ての部分の改良を行ったのはミーレと言うわけです。
サイクロンは、吸引力を維持するために、フィルターレスを考えることにより、作られました。
今回は、大きなゴミは今までと同じ、チリは排気と一緒に出し、それをフィルタリングすることにより、区分けてしまうという考え方、かなり逆説めくところが多いので、中々閃きにくい発想です。
■日本発売は未定
全てのモノが欠点を持つように、このシステムも欠点を持ちます。
このシステムを組み込んだ掃除機、ブリザード CX1 を実際に見ると、大きい!
元々、耐久性に妥協しないミーレ製品は、筐体の樹脂の厚みなども取ってあり、大きく、重いのですが、CX-1は中でも一際大きい。とにかく、尻がデカいのです。
サイクロンシステムは、その機構からある程度大きいのは仕方がないのですが、それにしても大きい!
大きいことに関して肝要な海外では、すでに発売が決まっているのですが、この大きさのためか、日本での販売は未定とのこと。
ちょっと残念です。
まぁ、ここは日本上陸までに大きさの改良を行って頂きたいと思います。
しかし、ペットの脱毛と、ダニの様なアレルゲンを分離して掃除できるとなると、今までアレルギーを持っている人でも毛のあるペットを飼うことができるかも知れません。
今は、展示品を見ただけですので、本当にそうなるのかは、わかりませんが・・・。
いずれにせよ、非常に興味深い掃除機であることは、間違いありません。
2016年9月5日