4Kムービーで、妙行寺を撮影した時に起こったこと 〜前編〜
祟りは今も生きているのか?
四谷怪談のお岩様。現在では日本で一番有名な幽霊でしょう。
しかし、このお岩様、架空のものではありません。田宮神社には、神として祭られていますし、巣鴨にはお墓もあります。今回は、その巣鴨のお墓を撮影中に起こったことをお話ししましょう。
■講談と歌舞伎で語り継がれる「四谷怪談」
四谷怪談、お岩の名前は有名ですが、この筋をキチンと言える人はありまいません。
皆言うのは、髪をすいている時に、ずざっと髪が抜け、目の上が腫れ上がり、二目と見られぬ醜い容貌に。とか、「恨めしや、伊右衛門殿」という断片ばかり。
まぁ、ビジュアル的にも最高のシーンですよね。
とにかく、この印象だけ残り、とにかく怖いという印象でしょうか。
フルストーリーが知りたいなら、講談、歌舞伎からのアプローチが一番です。
毎年のように寄席で夏は「四谷怪談」はかけられますし、歌舞伎でも2〜3年に一度はかけられます。
歌舞伎は去年の年末、国立劇場で行われた松本幸四郎(伊右衛門役)、市川染五郎(お岩役)のを観ましたが、スゴかったですね。
講談は、先日、神田紫(かんだ むらさき)さんの講じたのを聴きに行きました。LEDライトなども上手く使った迫力ある高座でした。
ちなみに、紫さんは女性講釈師。明治時代には、女義太夫が大流行し、夏目漱石なども女性目当てで寄席通いしたそうですが、そんなところもあります。
とにかく、講談と歌舞伎に縁が深いことを覚えておいて下さい。
■祟り、呪いは興味を呼ぶ!
日本には、4大幽霊譚があります。
他の3つは、お菊様の「番町皿屋敷」、累の「真景累ヶ淵」、お露さんの「牡丹灯籠」。
四谷怪談は、映画などで何度もリメイクされているのですが、他の3つの話はほとんど動きがありません。しかし、お菊さんの「一枚、二枚・・・」のシーンなどは、ビジュアルにも優れているのですが、リメイクされませんね。
リメイクは四谷怪談ばかり。
これは、現在に及ぼす「祟り」の差ではないかと思います。
四谷怪談を演じる時は、必ず「祟り」の話がでます。
幽霊は妖怪と違って、なんとなく出ることはないです。
例外は地縛霊なのですが、ジバニャン(アニメ「妖怪ウォッチ」に出てくる猫の地縛霊)は妖怪に分類されています。
幽霊は、因縁がある相手に対して出るのが普通なのです。
このため、「祟り」も限定されるはずです。
しかし「四谷怪談」を演じる話が出る度に、「祟り」の話が出てきます。
先ほど講談の話をしましたが、七代目 一龍斎貞山は、お岩様の祟りを受け、いろいろな不幸に見舞われ他界したと言われています。
呪いもそうですね。
黄金のマスクで人気の古代エジプトのファラオ ツタンカーメン。当時、発掘関係者が次々と怪死。「ファラオの呪い」と言われたモノです。
そう、「祟り」「呪い」というのは、現代でも興味をそそり、四谷怪談は今でもそれが生きているのです。
このため、四谷怪談を演じる、もしくは関わる場合は、お岩様を祭ってある四谷の田宮神社、そして巣鴨 妙行寺の墓参りをするのが通例とされています。
今回、ソニーの4Kムービー FDR-AX40のテストを兼ね、四谷怪談巡礼と洒落込みました。
それはその時に起こったお話です。
広大な墓地には、私一人。
蒸し暑く汗だくだったのですが、ネットリした冷や汗が背を伝います。
「何故、この瞬間?」
画面も黒、頭の中も真っ暗になりました・・・
⇒To be continued
2016年8月25日