東芝の新型オーブンレンジ、8年目のフルモデルチェンジ
東芝のオーブンレンジが、フルモデルチェンジを行いました。
8年ぶりだそうです。
「毎年、モデルチェンジしているはずなのに・・・。」
そうなんです。この意味は何なのでしょうか?
■モデルチェンジだと、サイズが変えられる!!?
フルモデルチェンジというのは、実は金型を含め、全ての見直しを掛けたモデルということです。
ここに書きました、金型というのは、家電の基本サイズの見直しをすることを意味します。
実は金型というのは安くありません。モノによっては、数千万円の金型もあります。
年間、10000台作るとするとすれば、1年で償却するとしたら、数千円コストを上乗せしなければなりません。
原価で数千円は大きいです。
このため、金型はなかなか変わりません。元が十分取れるまで使います。
金型は形を作るものですからね。
これを変えなければ、サイズ、形という基本的な要素を変えることはできません。
サイズ、形は、製品の全てではありませんが、設置、使い勝手に関して大きな意味を持ちます。
今回の東芝のオーブンレンジは、それを行ったということです。
■どんなサイズなら良いのか?
今、キッチンとリビングの境が曖昧になっています。
冷蔵庫などは、リビングに置いても違和感がないことが望まれます。
では、そんな時代、オーブンレンジはどうなのでしょうか?
世界的に見ると、基本、作り付け、つまりビルトイン型への移行が一つの流れとしてあります。
しかし、台所は必要な道具が多い。
壁に並べ立てるのも一つですが、ボード内にいれ収納するのが主流になりつつあります。
家電も道具の一つですからね。
これは、炊飯器、オーブンレンジなども同じ。
使う時は、ボードの扉を開けて使い、そうでない時は閉めてしまっておく。
庫内は大きい方がベターなのは、いつも通りです。
オーブンレンジER-PD7000は、その辺が実によく出来ています。
昨今のあり方として、設置はギリギリまで寄せてもOKのモノが多いですが、当モデルも例外ではありません。
上にスペース:10cm確保できると、左右、後ろは0cmでいいのです。
それでいて、奥行きは、39.9cm。
ハンドル部を入れても、44.2cm。
キッチンボードにもキチンと入ります。
今のニーズは、キチンと捉えています。
■電子レンジの最も重要な機能
では、電子レンジの重要なポイントは何でしょうか?
言うまでもありません。
温め、解凍ですね。
電子レンジの最も基本的な機能です。
典型的なのは、コンビニ。
コンビニバイトがまず覚える言葉は、「いらっしゃいませ」「温めますか」「ありがとうございました」ですから、ガンガン使います。
しかし個人的に、私はコンビニ弁当にかなり長い間馴染めませんでした。
理由は、チンすると漬け物まで、温かくなるためです。
漬け物だけ、温かくならない電子レンジがあれば、皆使うのでは?と思ったものです。
冷蔵品を温めるのは、ムラができ難いものですが、いざ冷凍品を解凍ということになると、そうは行きません。
解凍は基本「全部を同じ様に!」が理想ですが、先ほどのコンビニ弁当とは違い、あちこちに解凍ムラが出てくる場合があります。
これは電子レンジは、その機能を表面温度を測定しコントロールするためです。
表面温度の違いを的確に抑えることができなければ、フォローすることはできません。
それは、正確な解凍です。
これが中々できなかった。
今回の東芝は、2つのセンサーを組み合わせた「高精度ダブル赤外線センサー」を搭載。
スイングする8つ目赤外線センサーで庫内の1,024ヵ所を細かく検知する「1024ポイント赤外線センサー」と、庫内の中央部分を連続的に検知する「センター赤外線センサー」(1ポイント)を組み合わせて対応しています。
2015年もスイングする8つ目赤外線センサーが搭載されいたのですが、ここまで細かくありません。
前述の通り、センシングは細かであればある程、有利ですので、より正確に解凍ができる様になったわけです。
その上、今回のフルモデルチェンジで、電磁波を出す底面のアンテナのサイズも見直されています。
大型化。電磁波エリアの拡大。
きめ細かいセンシング技術と、電磁波エリアの拡大。
以前は、隅に皿が寄ったりすると、それだけで解凍ムラがありましたが、今はほとんど心配は要りません。
論より証拠。
以前のモデルと量、時間を比較したのが、下記の表です。
全く別物に近い仕上がりです。
フルモデルチェンジは、構造を変えるのも非常にやり易いタイミングなのです。
■スチームオーブン機能も名前の通り、強力
各メーカー、大物の家電にはペットネームを入れます。
その家電の愛称ですね。
東芝の電子レンジは、「石釜ドーム」。
この「石釜ドーム」は、オーブン機能から来ています。
ヨーロッパのオーブンは、石釜ですからね。
このペットネームの通り、かなりこだわった機能になっています。
まず業界no.1と銘打たれている 調理時の最高温度:350℃。
通常は250〜300℃ですから、これは正直すごい。
今、オーブンに求められるのは、庫内の温度が一定であることと、高温の場合、一気に焼き上げることができるのか、の2点です。
ですから、当然、それに伴い庫内を熱風循環させ、温度を均一にします。しかも庫内はドームの名称の通り、角がないように曲線で覆われていますので、熱風が一部分に溜まるようなことはありません。
先ほど、からフルモデルチェンジで、いろいろなサイズが変わったと書いていますが、オーブン機能も例外ではありません。上下二段に設けられた熱風ユニットが、従来の約1.5倍。
正直、かなり強力です。
さらに言いますと、壁面はセラミックコート。遠赤外線を放射します。
これだけ大盤振る舞いすると、料理がきれいに焼けるのはもちろんですが、時短にもつながります。200℃予熱も約5分。
時短にも優れた電子レンジということができます。
■電子レンジのポジションと第一印象
日本人は電子レンジが好きです。というより、欠かせない家電です。
スーパーに行けば冷凍食品が多いこともありますが、自分で作った料理も冷凍にしてしまうからでしょうか?
「?」を付けましたが、共稼ぎの場合、土日に作り置きしますし、これを使えないと、子供に持たせる多彩なおかずが入ったお弁当を作るのも厳しいのが現状です。
というわけではないですが、日本の場合、電子レンジがないと厳しいのは事実です。
このため、家で料理される人は、電子レンジはイイモノをお求めになることを勧めます。
今回の東芝の電子レンジは、非常によく出来ています。
不満な部分には手が加わり、今、市場で言われている欠点のほとんどをクリアしています。
では、満点かと言われると「?」。
私は、違和感を覚えました。
理由は、IoTに対する対応が全くないからです。
例えば、電子レンジは、各社、この機種を買うと「貴方の料理生活は全く違うものになる」と言わんばかりの触れ込みです。
しかし、本当にそうなのでしょうか?
料理で一番、皆が困るのは、献立の組み合わせ。
家族が皆、「美味しい」と言ってくれるために、お母さんは頑張っているのです。
しかも、子供の好き嫌いに対して、いろいろなアプローチをしなければならないなれば、尚更です。
その上、家計も預かるので、食材はなるべく残さずが鉄則。
これが至難の技。
しかし、実は、この献立決め、ネットとの相性はすこぶるイイのです。
例えばクックパッド。
鳥唐一つにしても、まぁ、出るわ出るわ。
いろいろなレシピが一杯。
その上、写真入りだし、感想が付いているのも少なくない。
正直、「使わにゃ損!」ですね。
こういう膨大なレシピ集があると、献立作りは楽になります。
それができるのがネット。
つまりIoTです。
今後、IoTは当たり前になると言われています。
それなら、フルモデルチェンジの時に布石を打つべきだと思います。
ま、私が見つけられなかっただけかも知れませんが・・・。
今までの集大成なんだけど、次の未来はどうする気なんだ!と感じてしまいました。
商品のより詳しい情報は、東芝のホームページにてご確認ください。
http://www.toshiba.co.jp/living/microwave/index_j.htm
2016年7月7日