エレクトロラックスから新しい提案!
セミプロ用洗濯機「My PRO」
セミプロ用洗濯機???
「そんなの知らないよう!」ですって。私も知りませんでした。
これはスウェーデンの総合白物家電メーカーの造語。プロ用の洗濯機を使う程でもない小規模の洗濯ニーズ用の洗濯機「My PRO」に用いられた言葉です。
■病院の洗濯
常に清潔を旨とする病院。
基本、先生も看護師も白衣を着用します。
当然、衛生の象徴でもある作業着、白衣は汚れていてはいけません。
ちょっとでも汚れたら、当然即洗濯です。
クリーニングを使うこともありますが、基本は白い木綿、もしくは混紡の作業着。
洗濯機と乾燥機があれば、ことが足ります。
ここで登場する洗濯機ですが、業務用となります。
業務用と一般用では何が違うのでしょうか?
■業務用の考え方
大きくは2つあります。
「大量」に「確実」にということです。
現在、日本でもっとも業務用洗濯機のシェアを確保しているのはアクア(ハイアール・グループ。ほとんど元三洋のメンバーで構成される。)です。
そのカタログを見てみますと、「洗濯容量:25kg、乾燥容量:15kg」などの文字が飛び込んで来ます。
今、家庭用の洗濯機で一番大きいのは、日立のビッグドラムの洗濯容量:11kg、乾燥容量:6kgですから、倍以上の能力を持つわけです。
最低の洗濯容量でも、10kg。
基本、ユニフォームの様に同じ種類の洗濯物を大量に洗濯するわけですから、チマチマ区分けして洗うことなどしませんからね。
次は確実ということです。
汚れを確実に落とすために、お湯洗いです。
その方が、洗剤の中の酵素が活性化しますから、ぐんと汚れが落ちやすくなります。
乾燥は、基本火力の強いガスを使います。業務用で生乾きなどは許されませんからね。
そして常に確実に動くと言うことで、耐久性もイイ。
家庭用洗濯機は、1回/日。そう使って、約8年使える様に設計されています。
洗濯機の寿命は、時間ではなく「サイクル数(回)」で設計されます。
例えば、3500回の設計は、毎日洗って、8.2年。1日おきだと、16.4年保つ換算です。
逆に2回/日なら半分の4.1年しか持ちません。
正確に、何回で壊れるというものではないですが、よく回す家だと、割と早く寿命が来ます。
業務用は、そうではないですね。1回/日だと15〜20年のタフネスさで設計します。
このため樹脂などはなるべく使いませんね。金属ですね。
家庭用とは思想が根本的に違うのです。
このため、必然的に高価格になります。
■セミプロ用とは何か?
市場と言うモノは完全に二分割され、白黒がはっきりしているということはありません。
必ず中間ニーズがあります。
家庭用より、より早く、よりキレイにというニーズがあるものの、業務用機器を入れると採算割れ、間尺に合わないというニーズです。
エレクトロラックスは、日本ではスティック型掃除機が傑出して有名ですが、ヨーロッパでは、家庭用から業務用まで生産、販売する総合家電メーカーとして有名です。
同様に有名な総合家電メーカーとしてドイツのミーレ社があげられます。
「高級家電メーカー」と言われる同社ですが、販売員の口からは、「20年使えるように設計されています。」と言われることがあります。
耐久性にこだわった作りですからね。先に説明した業務用、要するに優れた道具とのしてのエッセンスをスゴく持っているわけです。
ミーレに初めてあったのは大学の研究室。ここでいうセミプロ市場です。
その結果に高いものを求めるのだが、予算の関係で業務用は入れられない。
じゃ「ミーレ」で、という感じです。
しかし、ミーレはセミプロの市場を意識して作っているわけではありません。
家庭用のレベルが高いので、そのニーズにも答えることができるというわけです。
逆に、今回のMy PRO。完全にセミプロ市場を意識した作りになっています。
■セミプロの仕様
では、My PROの仕様は、どうなっているのでしょうか?
単純にいうといいとこ取りです。
『洗浄力(温水洗浄)』は繰り返しになりますが、40℃前後のお湯で洗うことをいいます。洗剤中の酵素の活性が上がるので、汚れはよくおちます。
面白いのは洗剤ですね。基本、何でもOKになっています。業務用は結果を出さなければ使い物にならないため、汚れに対し、温度、水質、洗剤を規定し対応することが多いのですが、エレクトロラックスは問題なしとしています。
『除菌力』ですが、これは熱湯で洗うことです。
40℃では、菌は死にません。それどころか、繁殖しやすい。このため熱湯消毒を掛けるわけです。
例えば、ノロウィルス。
ノロウイルス属(ノーウォークウイルス種)は60℃30分の加熱では感染性は失われず、85℃以上1分間以上の加熱によって感染性を失いますので、小さなクリニックなどは、当然この除菌できることを望みます。
My PROは、そのコースがありますので、当然クリアです。
『乾燥時間』。
これも難題です。先に、業務用はガスを使うとしましたが、これは発生する熱量が強いからです。短時間確実を狙うためです。
My PROは、電気ですが、200V(通常の家庭用は100V)。これで対応ですね。
ただし、完全化繊でない限り、服も生き物です。過乾燥はNG。パサパサで着心地も悪くなります。これには残留水分コントロール機能で対応します。
また高熱発熱ですから、排気もしっかりしないと、室内に熱が籠もります。
コンデンサ式と呼ばれる排気システムで対応しています。
『耐久性』は家庭用の3倍。
7500サイクルの設計です。
また、正確には「仕様」ではありませんが、業務用ならではのサービス体制が別に確保されています。
洗濯機と乾燥機は別型です。双方共に容量8kg。全自動だと乾燥容量は下がりますので、セパレートで同じ容量対応にしたわけです。
お値段は、希望小売価格で洗濯機:38万円、乾燥機:37万円です。
高いように感じられる人もいらっしゃるかも知れませんが、これかなり頑張ったお値段。つまり、お値打ち物といえる価格です。
■何故、日本市場なのか?
ドイツ ミーレ社を競業品として見なすなら、ヨーロッパですべきでは?と言われる人もいらっしゃると思います。
こちらは両社とも地元。ガンガン競争しています。
むしろ、今回、アジア、日本で発表したのは、この市場がまだまだ伸びるとされているからです。
日本は、今後超高齢化社会。政府が、安心して生活できる方法、そして教育システムを提唱しない限り、これに歯止めは掛かりません。
さて、政府への愚痴は置いておくとして、今から老人用の施設はガンガンと増えます。
中では、基本木綿もしくは化繊混紡を着てもらい、清潔を旨とする生活をすることになると思います。
そんな所にピッタリなのです。
エレクトロラックスでは、このカテゴリー、ドイツで約30万台の総需があることから日本で20万台の総需を見込んでいます。
洗濯の市場はゆっくりですが、まだまだ動いて行きます。
商品のより詳しい情報は、エレクトロラックスのホームページにてご確認ください。
http://www.electrolux.co.jp
2016年5月4日