レポート

4Kムービーは静止画にも強かった!
「太鼓判!」ムービー、パナソニック「WX990M」で、広島名物を撮す


今の一眼レフデジカメは、動画機能もなかなかのモノ。
さて、そんな時、4Kムービー高いお金を出して買ってもお得なの?という声が聞こえて来そうです。
答えましょう!4Kならお得です!静止画にも強いのです。
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パナソニック 4Kムービー WX990M の後編です


 
■4Kで、静止画と動画双方が、初めて満足行くモデル
下の写真を見てください。
綺麗だと思いませんか?
実はこれ、4K動画からセレクトしたワンシーンの写真です。

パナソニック WX990Mは、撮影した動画から、かくもキレイな写真を切り出すことができるのです。

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原爆ドーム頭頂部。川向こうからの撮影なので、70m近い距離がある。


昔は、静止画はペーパーで見るモノ、動画はスクリーンで見るモノでした。
PC時代になっても、静止画はPC、動画はTVとされていました。

ところがディスプレイ技術が大いに発達した現在、皆、スマホで、タブレットで静止画も動画も楽しんでいませんか?
昔はバラバラだった静止画、動画が同じ所で同じ様に楽しめる。
そう昔と今では全く状況が違うのです。

では、そんな今、静止画と動画で違いがあるのでしょうか?

ありますね。
YouTubeを楽しんでいるとすぐ分かります。

動画の方が圧倒的に画質が悪い。
というより、画質が悪いモノがある。ということです。

これは、VHS、8mmなど古い機材を使っている場合に往々にして起こります。
これらの画は、今の変換方式では、画素数が足らないのです。
そうすると画はボケボケになってしまいます。

ちなみにスマホ、タブレットの解像度は、iPhoneのRetina HDディスプレイで、1920×1080ピクセル。
画素数で約2M。ハイビジョンハイビジョンを2Kというのは1920から来ています。Kは1000の意です。と同じです。
それを50インチではなく、5インチほどの画面に押し込んであるのです。
だから、字が小さくても滲まず、綺麗に見えるのです。

逆に言うとこの高解像度ディスプレイに合う、画素数(データー量)の画を用意することが必要と言うことです。

4Kはその倍です。
動画でも、静止画でも、キレイに見ることができるわけです。

 
■写真印刷時に差は出るか?
今の一眼レフを見ると、20M(2000万画素、Mはミリオン:100万の意)画素という数字が踊っています。
数字だけ見せられても、分かり難いのですが、この20M、実は巨大な容量です。
ハイビジョン・ディスプレイが必要とする10,000倍のデーター量。

画を大きくする場合は元データーは、大きいにこしたことはありませんが、扱いが大変です。
大型ポスター印刷などでは必要ですが、普通はここまで必要ありません。
では、実際にA4サイズ(これでも十分大きいですが)に印刷する時に必要な画素数はどの位でしょうか。
綺麗に印刷するには、300dpi(ドット・パー・インチ。1平方インチ当たりのドット数を示す。)と言われています。
それで計算すると、8.69M画素。
ほぼ4Kのデーター量です。

 
つまり、4Kというのはムービーでもキレイですが、その中のシーンを静止画と切り出して、A4サイズのペーパーに印刷したとしても十分キレイなのです。

 
■弱みは高速被写体撮影時
ただ一眼レフと比較すると足らない部分もあります。

それはシャッタースピード。
光量にもよりますが、1/1000秒から撮影可能なカメラに対し、ムービーは、基本、1/30秒。動画のコマ数で切り出すわけですので、被写体が高速の場合はぶれた写真となります。

また、確かに写真用の単体シャッターはあるのですが、カメラの様に、フリーな指で上から下への火蓋を切る感覚ではなく、握りしめた指を伸ばして押すので、ちょっと不自由。何度か使いましたが、咄嗟に押しにくく、高速被写体の撮影には余りお勧めしません。

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20km位で走行中の路面電車。このスピードだとほとんどぶれない。


それより、1/30秒でも、安定して撮影できているムービーからの切り出しの方がベターです。
一般スナップとして扱うなら、まず問題はありません。

 
後、もう一つ違いがあります。それは構図です。

ムービーは、無意識のうちに被写体が動く方をかなり空けた構図を取ります。
理由は簡単ですね。
被写体と共にカメラが動くと見にくくなるからです。

カメラはそうではありません。
瞬間を切り取るわけですから、自分がビビッときたら、動いた後を大残しにしてもイイのです。
カメラの方が、ムービーから切り出した写真に比べ、自由度が高くなります。

別の言い方をすると、ムービーの動画は、極めて自然な構図とも言えます。
それ以外の構図が撮りにくいだけ、どちらかというとマニアよりの話です。

 
■ムービーの強みは?
実は、フィルム代を気にせずに撮影できるデジカメは、連写して一番いいシーンを選び出すのがイイです。
しかし、それは写真に慣れた人で、普通の人は1枚1枚撮ります。
(ちなみに連写した場合は、セレクトには時間もかかりますし、保存も大変です。)
しかし、最もイヤのがシャッターチャンスを逃した時です。
こればかりは、取り返しが付きません。

でも、ムービーならこんなことありません。
常に連続して撮影しているわけですからね。

 
その上、自動調整機能がスゴいです。
ギミックこそ付けることはできませんが、肉眼にかなり近いです。

例えば逆光でも、この通りです。

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原爆の子の像。何もしなくてもこのレベルの撮影ができる。


 
■広島名物 その3 原爆ドームと原爆資料館
広島市内にある世界遺産と言えば、原爆ドームです。
しかし平和都市を標榜する広島が見て欲しいのは、ドームに加えて「原爆資料館」。
ここには、戦争という人類が果てしなく繰り返して来た愚行の、残虐性、悲惨さ、そして未だにその悲惨さが放射能病という形で続いていることの証拠が集められています。
ここに来ると「はだしのゲン」は絵空事ではないことがはっきりと分かります。

原爆ドームだけ見ても、それを感じることができません。行くなら原爆資料館です。
オバマ大統領に見て頂きたいのは資料館なのです。



 
■カメラと違う創造性
写真が日常の中の非日常を切り出す芸術なら、動画は日常を撮ることにより、日常の良さが再認識できる創造性を持つと言えます。
最後の広島名物は「お好み焼き」なのですが、この動画、好きな人が実に多い。
ビールを飲みながらだと、全員見入ってしまいます。

しかし、これ写真だとどうでしょうか?
余りにもつまらなくないですか?
視覚は確かに情報量が多いのですが、それでも残る4つの感覚(聴覚、臭覚、味覚、触覚)の代わりはしません。

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行きつけの「笑顔」(広島市銀山町)のお好み焼き。
ソースが甘いので、トマトの酸味と良く合う。


お好み焼きの時は、ソースが焼けてくる音、色の移り変わりに、ロマンを感じる人がいました。(お腹が空いているだけかも知れませんが・・・)
それは写真では中々表現できませんね。

写真が、その一瞬を切り取る「俳句」とすると、動画は「詩」でしょうね。
宮澤賢治の詩の様な、雑多な、整理されていない、それだからこそカオスともいえる強さを持つと思います。

中でも、スナップに向いていると思います。
ズームで大きさを調整すると、後はひたすら撮るだけです。
面白いのは、撮る時、軽いブレがある方が、「らしさ」がでること。どんどん撮るのがポイント。

動画も後で訂正できますし、静止画も後で抜き出せます。
考えてから撮るのではなく、撮ってしまってから考える。
デジカメでは、こうはなかなか行きません。

 
■薄暗くても問題ない
人間の目の機能は実にスゴいです。
光の全くない闇の中では見えないことを除き、真夏の太陽がギラギラ照りつける大光量から、新月、星しかない時でも物を捉えます。地球で生きていくためには、そう進化したのだと思います。

光量が低い時の問題はノイズです。
画面から奥行き感が消え、ジラッとした感じがします。
このモデルはそれが凄く少ない。イイです。

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「笑顔」の店内は、さほど明るくなく、目が慣れるまでは正直暗め。
でも目が慣れた後のような感じで撮れる。


 
■広島名物 その4 〜お好み焼き〜


広島名物の最後は「お好み焼き」です。
小麦粉の生地を薄くのばし、上に野菜(キャベツ、もやしが多い)、そして豚、そば、卵。(お好みなので、それ以外の具も大丈夫です。)それを圧縮。
最後に、どろみ満点のお好み焼きソースを掛けて頂きます。
品名は、「豚、玉、ソバ」が普通です。

広島カープが、戦争からの心の痛手を払ってくれるおらが村の球団として創設されたとしたら、お好み焼きは、戦争未亡人(含旦那さんが行方不明)が生きるために始めた料理です。
アメリカ軍が大量に持ってきた小麦に、地元野菜がベース。豚肉、玉子、中華ソバは高級品なので、これは注文になります。これがメニューで今も残っているわけです。
こんな感じなので、店名は「××ちゃん」が実に多い。店主(未亡人)の名前です。愛称ということもありますが、「自分はここに居るからね、ここに帰ってきてね。」という切なる願いでもあります。

ちなみに、最近、オーストラリアから修学旅行も含め、広島に来る外人にも大人気。隣で、美味い、美味いと食べていました。

そんな訳で、お好み焼きは、広島の第二の家庭の味です。
小イワシなどより、オバマ大統領に食べて頂きたい名物です。

 
■最後に、使いこなしのポイントを
2つあります。

1つめはバッテリーです。
内部メモリーは64GB。一層ブルーレイ:2枚分以上。4K画質での録画で、約1時間50分。
長時間イベントをフルに録画しようとすると足りませんが、普段使いで問題ありません。
むしろバッテリーの方が、ここまで持ちません。
バッテリーは必ずフル充電、予備持ちがベターです。

2つめは必ずデーターを別の媒体に保存することです。
しかも夜など、自分がPCなど使わない時がポイントです。
4Kはビッグデーターです。64GBで、110分。約580MB/分。DVDだと8分位しか録画できません。

逆に言うと、内部メモリーからそのままの状態(4Kデーター)で保存するには、それなりに時間が掛かります。
外出先でノートPCに移そうとすると結構大変です。
ノートPCでも、少し前のタイプは、4K保存など想定していませんからね、PCのHDDも一杯にしてしまうというのはない話ではありません。

保存に関して、前より楽になったのは、PCに接続するとメモリー内部の状態が分かり、データーをダイレクトコピーできることです。私はこちらを使っています。

とにかく、大量のデーターを上手く扱うことがポイントです。

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頼れる黒。全くもってスゴいムービー。ちなみにレンズはライカ製である。


 
■総括
太鼓判動画だけでなく、静止画でも使え、多くの場合、これ1台でことが足ります。
もう重い思いをして、カメラを一緒に持ち出す必要はありません。

画素数も、4Kと今後とも使える画質の上、2K(ハイビジョン画質)で良ければ、後からのフォローがじっくり効きます。

アナログ時代から今まで、いろいろなムービーを使ってきました。
が、その中でもベストでしょうね。

生活家電.comの太鼓判ムービーです。

 
商品のより詳しい情報は、パナソニックのホームページにてご確認ください。
http://panasonic.jp/dvc/
 
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