この「つなぎ」がIoTでしょ!
パナソニックが見せた健康アプリの先見性
健康計測家電の種類はスゴく多い。
が、全てを同一機に搭載することはできません。
fitbit、JAWBONEのUP、Misfitに代表されるアクティビティー・トラッカーが注目されてはいますが、現時点では、体重、血圧を測定することはできません。
これは当たり前ですよね。
人間の体は至って複雑。
例えば、循環器系心臓と血管の状態を知るには、聴診器心拍数、心音計、心電図計鼓動の正常さ、超音波診断機実際の弁の動き、心臓内容積、血流速、血管サイズ、血圧計、脈拍計などが用いられます。
それぞれ、体のどこに当てるのか、なども違います。
同じカテゴリーのモノを計ろうとしても、こんなものです。
1つの部位で測定できるモノは、限度があります。
■アクティビティー・トラッカー(本体)が抱える2つの問題点
そんな中、アクティビティー・トラッカーはかなり使える奴です。
それぞれの機種差は置いておくとして、日の活動量、睡眠量はほぼ確実に捕らえてくれます。
使って見ると、これはスゴイとなります。
「24時間、付けて置けばいいだけ。だから便利。」を標榜するアクティビティー・トラッカーですが、大きく2つの問題があります。
1つめは、体への負担です。
皮膚が弱い人は、ちょっと厳しい。
そして寝苦しい。
実は、これ以外と難関です。寝るときは、ダブダブのパジャマに着替え、アクセサリーはすべて外すのが当たり前。そうでないと寝にくい。
2つめは、ファッション性です。
TPOでファッションを使い分けるのは当たり前。
特に女性はそうです。3つ位の選択肢は持ちたいのではと思いますね。
■アプリはIoTだが、どちらかというと囲い込み型
対応アプリもかなりよく出来ています。
使っていて、かなり楽しいのも事実です。
が、データーを外に出したり、足らない部分を入力することに対しては、まだまだハードルが高い。
体重計とリンクできる機能を持っているモノもありますが、体重計が海外製だったりします。
日本に広く流通している、タニタ、オムロン、パナソニックではないわけで、ちょっと唸ります。
これはIoTとは言いながら、ユーザーの便宜を図ると言うより、どちらかというと囲い込み型です。
■パナソニックのアクティビティデータ管理クラウドPF
2月頭に行われたパナソニックの展示会 Wonder 2000 の中、これらを払拭する可能性があるアプリを見つけました。
パナソニックのアクティビティデータ管理クラウドPF(プラットフォーム)。
最大の特徴は、「iPhone」「JAWBONE」「fitbit」のデーターを選択して使うことができるということです。
特に大きなポイントは、「iPhoneを活動量計」替わりに使うことです。
万歩計だけでなく、「睡眠計」としてもです。
パナソニックは活動量計も販売していますので、会社としては大きな決断です。
しかし、日中はJAWBONE UP、睡眠時は枕元のiPhoneということになると、体への負担は全く変わりますからね。理にかなっていると、膝を叩いたわけです。
■未完成な部分
複数のメーカーの機器をサポート、及びスマホの見事な使いこなし。
これはパナソニックの新しいアプリの魅力です。
が、それでも未完成な部分は多々見受けられます。
一応、2つほど、上げておきます。
1つめは、食事カロリーの計算です。
ベストなのは、スマホで写真、それでカロリー概算できるのがベスト。
それを許さない高級レストランでは、メニューを頂いて帰り、後で算出するのも一つの手です。
とか言うものの、これができない。
まず、料理が外から見て判断できないのです。
例えば、日本の卵焼き、関西ではみりん、関東では砂糖で味を付けます。
「さて、これを外側だけで当ててご覧なさい・・・」
まあ、カメラの精度、撮影方法まで考えると、「無理!」ですね。
パナソニックは写真を貼り付けるのを基本にしていました。
これは有りでしょうね。
2つめは、欲しい2つの要素に対してのグラフを描くことができないことです。
例えば、歩数と体重が取れると、「ここから歩数伸ばしても体重が減らなくなったなぁ。
これは、もう少し距離を伸ばせと言うことか。」とか、考えながらトライすることができます。
■スマホの素晴らしさは、非ウェアラブルなところ
fitbit、JAWBONEから見ると、スマホはデーターを集計、総合表示するという意味合いが大きいですが、幾つもウェアラブル機器を見てきますと、スマホは非ウェアラブルだからいいなぁと思うところがあります。
ウェアラブルは結構体への負荷は大きいですね。
眼を塞ぐ場合は視界の問題がついてまわりますし、耳に装着するヘッドフォンでも難聴を引き起こします。手首も先ほど書いた通り、肌が拒否する人もいます。
もちろん、スマホでも依存症になると体への負担があります。(スマホ依存症の場合、眼精疲労、肩・腰のコリ、肘の筋肉への影響、肩の筋肉への影響が上げられます。これは長時間、同じ姿勢で、手に持って、のぞき込む様に使うためです。)
が、心身に対する負担は、体に付けることが必要条件であるウェアラブル機器よりはるかに楽になります。
■世の中を変えるのは、「オープン」 IoT
これでお分かり頂けたと思いますが、パナソニックのアクティビティデータ管理クラウドプラットフォームは、「オープン」型です。
いろいろな機器から、適切なデーターを引っ張ってこれます。
いろいろな機器からですから、お気に入りを、使いやすい方法で使えるわけです。
これがユーザーに強いることの少ないIoTと言えます。
またこれは、小さな一歩、大きな踏み出しと言えます。
2月9日より、一般公開ということで、見て見るとiTunes Storeにありました。
「Life It」。
実際に使って見ないと、会場のモノがどこまでフィードバックされているのか、結論は出せませんが、すごく気になったアプリです。
2016年2月10日