ダイソン ロボット掃除機 “360eye” は、ダイソンのDNAそのものだった!
ダイソンのロボット掃除機が、ついに発売の運びになりました。
発表されて、1年半。
で、最後中身を紐解きますと、「あぁ、ダイソンらしいロボット掃除機!」と痛感しました。
どこがですって?
それは、全て「サイクロン」が原点になっているからです。
■「サイクロンありき」のコンセプト
ダイソンのロボット掃除機「360 eye」を見ると、背が高いことに気付かれると思います。
高さ12cm。
世界中で使われているiRobot社のルンバは9cmですから、3cmも高いわけです。
理由は簡単です。
サイクロンを組み込んだためです。
ここは重要です。
いいロボット掃除機と、サイクロンを組み込んだいいロボット掃除機は、似て非なるコンセプトです。
今回のロボット掃除機は見事な位、ダイソン社ならではのロボット掃除機と言えます。
■サイクロンをちょっとお復習い
ダイソンの掃除機は、吸引力が凄い!
これは真実です。
技術的に言うと、ゴミ吸い込みエリア〜本体までの密閉度が高い設計になっていること、小型デジタルモーターが強力なことが理由です。
その上、サイクロンシステムを使っていますので、吸引力が落ちません。
このサイクロンシステムですが、欠点もあります。
それは、想定外に大きなゴミを吸い込むと、サイクロン気流が乱れてしまうこと。
そして、掃除機が吸い込んだゴミを捨てる時、どうしてもゴミが舞ってしまうことです。
先の問題は、人間の生活がどんどん清潔になって行きますので、どちらかというとゴミのサイズが小さくなっているので、基本問題はないです。
後者は外で、ゴミを捨てるか、ゴミ袋の中にダストボックスを入れて捨てることで解決できます。
■ダイソン製品としてのロボット掃除機
ロボット掃除機をダイソンが作る時、皆さんは何を期待しますか?
デザイン? 吸引力?
大きくはこの2つですよね。
格好良くて、きれいに掃除してくれる。
となると、期待に応えるために、サイクロン&小型デジタルモーターを入れるのがマスト。
これは面白いですよね。
普通のメーカーなら、ベスト回答を目指し、商品設計をするのですが、ダイソンの場合は条件付きの設計になってしまいます。
この当たりは非常にユニーク。
吸引力は他社の4倍とのことで、デモテストでも見事な吸引で、「1回」で見事にキレイ吸い込みました。
■シングル・パス・クリーン
実は、ダイソン社はこの吸引力に自信を持っており、このロボット掃除機は「シングル・パス・クリーン」(一度通ったらきれいになる)ことを前提にされています。
これは他社のロボット掃除機と大きく異なります。
他社のロボット掃除機は、センサーでゴミが多いと判断すると、数回、繰り返し、その部分を掃除します。
ただ、これを繰り返すと、走行距離とかに誤差が生じることがあります。
センサーを付けたり、補正プログラムを組み込んで・・・とか、割りとやっかいなのです。
シングル・パス・クリーンだと、それがありません。
部屋隅々まで一回トレースすれば終了です。
当然、一回トレースするだけですの、掃除面積も伸ばすことができます。
賛否両論あると思いますが、吸引力へのダイソンの自負をまざまざと感じさせてくれます。
■ヘッドブラシにも一工夫
今、ダイソン掃除機の最高峰に付いているブラシは、「フラフィー」ですが、大きく重いのでロボット掃除機向きとは言えません。
このため、カーボンファイバーブラシを搭載しています。
が、ここにも一工夫。
ブラシは、吸引力だけで取れない、紙ゴミのようなちょっと大きなゴミにも対応することが必要。
今回のブラシは、スリットを設けることにより、その対応もしているそうです。
これは、重要な視点です。
■幅目一杯の吸い込み口
サイクロンを入れた分3cm高くなっていると冒頭書きましたが、逆に幅は狭くなっています。
しかも開口部をギリギリまで設けてあります。
実はダイソンは壁面用の掻きだしブラシを持ちません。
掻き出すのではなく、ボディをギリギリまでよせる、つまり吸い込み口をギリギリまで壁面に寄せることにより、対応しようという考えです。
掻きだしブラシは消耗品。
メーカーにもよりますが、半年〜1年で取り替えるが必要です。
不要なら、それに越したことはありません。
■ナビ:360°ビジョンシステム
360°をデジカメで撮影、自分の位置を判断するナビゲーションシステム。
デジカメを使ったナビゲーションスシテムは多々あるが、この様にフル映像が必要というのは余りないタイプです。
実際は、部屋をある大きさのマス目で覆い、そのマス目毎、ラーメンどんぶりの横に描かれる四角渦のように掃除します。
ダイソンとしては、ビジョンシステムは、今後も使って行く、重要技術の位置づけとのこと。
同時にロボット自体にも興味を持っていて、2014年にはインペリアル・カレッジ・ロンドンに500万ポンド(約8億5,300万円)投資したとのこと。
ダイソンはこのような将来投資をよく行っています。
■足回りは「無限軌道」
無限軌道とは戦車、ブルドーザーなどに使われているキャタピラのこと。
元々、ロボット掃除機は無人探査ロボットから進化したので、オフロード用のごついタイヤが一般的でした。
が、タイヤですとカーペットなどでは滑る時がありますので、キャタピラにしたとのこと。
これは、ちょっと男心をくすぐりますね。
「超信地旋回!」とか、気合いを入れながら、リモコンで操れないかなぁとか思ってしまいました。
■スマホが使える
ダイソンでは初めてですが、ダイソンのロボット掃除機はスマホで各種の設定が可能です。
また、アップデートも可能であるとのこと。
このアップデートが可能であるということは、型落ちはしても、新しいプログラムが使えると言うことです。
これは嬉しい話です。
■第一印象
冷徹な目で見ると、高さでベッドの下など入れない部分が多いということは事実ですが、それもこれもダイソンのDNA丸抱えだからです。
意地の悪い見方をすると、あちらこちらで想定外の部分が見つかりそうですが、実使用での問題は、余り問題ないのではと感じています。
逆に、ダイソン・ファンには垂涎モノかも知れません。
間違えなく、ダイソン以外のメーカーが、「360eye」を作ることはできませんから。
個人的には、「痛快」なロボット掃除機と思います。
掃除の手間が省けるということではなく、新しいモノを持つという面白さ、楽しさを地で行くようなロボット掃除機だと思います。
価格はオープンですが、店頭参考価格は138,000円(税抜)ですから、かなりします。
買う時は、絶対実物を見てくださいね。
商品のより詳しい情報は、ダイソンのホームページにてご確認ください。
http://www.dyson.co.jp/dyson-vacuums/robot.aspx
2015年10月23日