コーヒーメーカー入門 その1
コーヒーメーカー分類法
家電量販店。大好きなAVコーナーを覗いた帰り。コーヒーのイイ香り。
コーヒーの試飲会。一口飲むと「美味しい。」
ふと当たりを見回すと、いろんな形、いろんな色のコーヒーメーカー。値札を確認すると、2000円〜20万円近いものまで、100倍近い価格差。何故こんなにも価格が違うのか?。
AVもコーヒーも嗜好品。追求した方がより面白い。
しかし今のAVもそうですが、ネット時代で情報が溢れているのに、中々よい、手頃な入門情報がないのも事実。
「ならば」と言うことで、数回に渡り、コーヒー&コーヒーメーカーに関する基礎知識をまとめることにした。
なお、この稿では、飲料の状態のコーヒーをコーヒー、焙煎したコーヒー豆を挽いた粉末はコーヒー粉、機器をコーヒーメーカー、会社はコーヒーカンパニーと表記する。
■コーヒーの種類
まず、コーヒーの種類から。
辞書的な書き方をすると、コーヒーとは、コーヒー粉から、湯または水で成分を抽出した飲料。
しかし、その種類は、アメリカン・コーヒー、ブレンド・コーヒー、各種ストレート・コーヒー(以上3つはレギュラー・コーヒーと呼ばれます)、カフェ・オ・レ、カフェ・ラテ、エスプレッソ、カプチーノ、アイスコーヒー、など、非常に多岐にわたる。
なぜ種類がこんなにあるのかというと、コーヒーが「嗜好品」だからだ。
人間は長い時間と膨大な金と人手をかけ、いつでも、どこでも、美味いコーヒー、すなわち自分の好きなコーヒーが飲めるようにしてきた。
「豆」(種類、産地、加工法、焙煎、ブレンド)「挽き方」「水」「抽出法」「添加物」(砂糖、シロップ、ミルク類)を変更することにより、幾多の味を出すことができるのがコーヒーの面白み。
コーヒーの大会に行くと、漠然と淹れる人は皆無。
飲み手に対し、この様な香り、この様な味を楽しんでもらうコンセプトを立て、それを具現化するのだ。
例えば、Aという方法ではAという味は出せても、Bという味が出せなかったりする。
オーディオのスピーカーと同じ。音が前に出てくるモノもあれば、漂うモノもある。
コーヒーの香り、味は複雑な要素が絡み合ってでき、それはオーディオの機材選択、使いこなしに似ているのだ。
コーヒーメーカーを買うということは「飲みたいコーヒー」、つまり上記表の重要3項目、「豆」「挽き方」「抽出法」とを決めることと同意語である。
ハイレゾに例えると、豆は音源。挽き方はプレーヤー〜DAC、抽出法がヘッドフォンに当たる。
音でも、どんな音が聴きたいのかで機材が変わるように、「自分はどんな味のコーヒー(コーヒーの種類)が飲みたいのか」をはっきりさせなければ、自分に合っていない、つまり最終的に使えないコーヒーメーカーを買うことになる。
友達が入れてくれたコーヒー、駅前のカフェで毎日飲んでいるコーヒー、ヨーロッパ旅行の時レストランで飲んだコーヒーなど、具体的に決めることが、まず重要。
■味を決めるとコーヒーメーカーは決められるのか?
コーヒーメーカーはコーヒーを抽出する機械であり、「ドリップ式」「エスプレッソ式(加圧型)」に大別される。味を決めるということは抽出法が決まるので、どのコーヒーメーカーが良いか決められそうであるが、実はこれだけでは決めることはできない。
実際には、「豆」と「挽き方」を組み合わせた「抽出源」を選ばなければ、コーヒーメーカーの選択は無理である。
■「豆」と「挽き方」
豆自体はスーパー、カフェで売っているので、自分の好きな味の豆を買えば良い。しかしコーヒーメーカーには多様の抽出源がある。どうしてなのか?
それは、豆の「扱い」で味が変わるからである。
実は焙煎後のコーヒー豆も「生鮮食料品」であるため日光、温度、湿度、酸素により、すぐ劣化する。特に高温多湿の日本、特に梅雨の時期はすぐに風味がなくなる。
一般的な目安として、室温で豆の状態で2週間、挽いたら1週間と言われている。(これ以上を目安と書いている文献もあるが、梅雨などの多湿時期はこれが限度。)またコーヒーの抽出したカスが消臭剤として使えることをご存知の方も多いと思うが、コーヒーは周りの臭いも吸収する。このため周囲の環境も注意が必要。
コーヒーはメーカーが、ユーザーが使いやすいようにと、次の5つの中から選択できるようになっている。
①コーヒー豆を購入、使用する 購入は専門店をお勧めします。専門店ですが敷居は高くない。
自分の好みの味を店員に伝えるのがポイント。
「豆」の種類と、焙煎レベルを考慮したお勧めが出されるはず。
また専門店なら、試飲させてくれます。そこで更に好みを反映させるとモア・ベター。
豆だと自分で「挽く」必要がある。
グラインダー、もしくはミルと呼ばれる豆を挽く専用具が必要。しかし、自分で色々な工夫ができるので楽しい。
②コーヒー粉を購入、使用する 購入店で挽いてもらい購入。
挽き方により大きく味は変わるため、是非、購入店の人に自分の抽出方法を説明して助言を求めてください!
挽いた豆はスーパーでも売っていますが、情報が聞けないので、イイ店員がいる店をチョイスするのがポイント。
挽いた豆の難点は劣化が早いため、十分注意して管理すること。
③カフェポッドを使用する カフェポッドとは、主に1杯分のコーヒー粉を、最適な挽き具合でフィルターペーパーに詰めたもの。
対応したコーヒーメーカーでしか淹れられませんが、個別包装であるため保存が簡単、扱いが簡単、無駄が少ないなどのメリットがあります。
世界共通規格であり、60mmがドリップ用、44mmがエスプレッソ用。
主にカフェで取り扱われているが、最近ヨドバシカメラの様な、家電量販店でも扱われ出した。
④コーヒーカプセルを使用する 巨大コーヒー・カンパニーのオリジナル規格。最も有名なのはネスレ系のカプセル。ネスプレッソ用(ネスプレッソ社)、ドルチェ グスト用(ネスレ社)の2種類。デパート、家電量販、スーパー、コンビニなどで販売されている。
カプセルはカフェポッドより、保存性が高く、扱いも楽。
短所としては、メーカーを越えたカプセル互換性がないこと。価格が割高なこと。また、用意されたカプセル以外の香り、味を得ることができないことが上げられる。
ネスレ以外に、UCC(ドリップポッド)、スターバックスなども参入している。
⑤インスタント・コーヒーを使用する ネスカフェ ゴールドブレンド、香味焙煎、プレジデントから抽出。④と同じくネスレ製。
以上の話しをまとめたのが下表です。
コーヒーメーカーが多種多様で分かり難いのは、5つの抽出源と、2つの抽出法、2つのコーヒー種の組み合わせがあるからです。抽出法とコーヒー種は組合わられ、「ドリップで淹れたレギュラー・コーヒー」「一部加圧を利用したレギュラー・コーヒー」「加圧を利用したエスプレッソ」の3つに大別できる。
加圧抽出は元々エスプレッソの技術ですが、濃い味が好まれるにつれ、使い勝手のよいシステムとしてレギュラーにも応用された。
以降、各カテゴリーのコーヒー・メーカーの代表例を示しながら、どの様なライフスタイルに合うのかを考えて行きたい。
⇒To be continued
2015年10月22日