世界初!自動洗濯物折り畳み機、セブン・ドリーマーズの挑戦 @ CEATEC 2015
洗濯物を機械がキレイに折りたたんで仕分けする家電が、セブン・ドリーマーズから発表されました。
商品化はもう少し先なのですが、今回はプロトタイプを見せてくれました。
■衣類ケアに掛かる時間
衣類ケアにどの位時間を掛けていますか?
答えは、生涯で18,000時間(750日。約2年)だそうです。
その内の半分、9,000時間は、衣類をたたみ、仕分け、クローゼットに入れる時間だそうです。
これが機械化できれば、まる1年(375日)の余分な時間ができるわけです。
短い人生の1年、これは大きいです。
■セブン・ドリーマーズとは
正式名称は、セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ(株)。
元々はスーパーレジン工業。
1957年に創業したこの会社は、コンポジットマテリアルの研究開発と成形加工を手がけ、コンポジットの歴史を支えるパイオニア的な会社でした。
1988年に開始した宇宙航空分野他、多岐にわたる分野に携わる匠が、継承され続ける唯一無二の技術を駆使した、はやぶさを初めとする人工衛星プロジェクトに参画。
現在日本で打ちあげたほとんどの人工衛星にこの会社の製品が使われています。
2001年にヘルスケア、2005年にロボティクスの開発を開始、その基礎技術は「圧倒的な技術力で人々の生活を変えてゆく」ことを目指し、2011年にseven dreamers laboratories, inc.に譲渡され、引き継がれました。
2014年にその全ての技術を引き継いだ seven dreamers laboratories (株)を東京都に設立。
今までに、セブン・ドリーマーズとして、世に出した製品は、オーダーメイド・カーボン・ゴルフシャフトと、睡眠時の気道を確保する鼻腔挿入デバイス ナステントの2つ。
ランドロイドは3つめの製品になります。
■洗濯物を畳むということ
ロボットの取材をする度に思うのは、人間とはなんて精巧な生き物なんだろうかということです。
人間が、2〜3度経験するとできるようになることが、ロボットはなかなかできません。
洗濯物を畳むのもその一つです。
大きく分けると5つのプロセスが必要です。
1.洗濯物を掴む
2.洗濯物を広げる
3.どんな衣類か認識する
4.洗濯物を折りたたむ
5.畳んだ洗濯物を仕分け、収納する
これらを上手く進めるためには、動きを司るロボティクス技術も大事ですが、それ以上に衣類を認識しる画像解析技術が重要です。
■デモ@CEATEC 2015
このランドロイドのデモを動画に撮りましたので、見てください。
基本の動きはできていると言っても良いように思います。
■懸念点
現時点での、気付いたことがあります。
1つは、時間です。
5〜10分/枚。
将来的には短くなると思いますが、動き続ける家電は、エネルギー的にも騒音という意味でも良くないですからね。
最終仕様を見ない限りなんとも言えませんが、ここは上手くケアして欲しいモノです。
あと1つは、汚れが酷いモノ、ケアが必要なモノをどうするのかということです。
ケアというのは、例えばアイロンが必要なモノ、ボタン付けなどのサポートが必要なモノを言います。
また、汚れが取れているのか、どうか確認が必要なモノなどいろいろです。
分ければイイじゃないかということはできます。
が、これは洗濯だけする洗濯機、洗濯物を乾かす乾燥機、洗濯物のシワを伸ばすアイロンなど、単独で使う家電とはちょっと違います。
ちょっと先読みしすぎのようですが、面白い技術ですからね。
先に懸念点も書かせて頂きました。
■将来像
現在は基本的な技術がまとまった状態で、まだ商品になっていません。
いろいろな状態があるのですが、最終的には、家の中、数カ所のクローゼットに畳んだ衣類を送るシステムとして考えているとのことです。
つまり、洗濯物を洗濯機に入れると、いつの間にか、洗い上がった洗濯物がクローゼットの中に入っているというわけです。
SF映画を地で行くような話です。
この商品化のため、セブン・ドリーマーズは、ダイワハウスとパナソニックと共同開発を行うそうです。
パナソニックは、商品と言うモノをよく知っていますからね。
上に上げた懸念点なども考慮された形で商品化してくれると思います。
HEMSを初めとして、家&家電システムがいろいろと提案されていますが、これは非常に面白い。
完成品が早く見たいモノです。
商品のより詳しい情報は、セブン・ドリーマーズのホームページにてご確認ください。
http://laundroid.sevendreamers.com/#section_technology
2015年10月9日
タグ: 2015, CEATEC, セブン・ドリーマーズ