新製品

シャープの電気無水鍋「ヘルシオ ホットクック」


シャープのヘルシオシリーズにニューフェイスの登場です。
「水を使わず、火を使わず、健康的な「無水料理」が手軽に」の標語を掲げ、電気無水鍋「ヘルシオ ホットクック」がデビューしました。
■何故、電気無水鍋・・・
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電気無水鍋「ヘルシオ ホットクック」 KN-HT99A-R
オープン価格、11月5日発売


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いろいろなパーツから構成される。洗いは大変そう。


「電気無水鍋」と呼んでください。
シャープの人から、そう言われました。

これは「無水鍋」が(株)日本食生活改善指導会の登録商標だからです。

「無水鍋」ですが、結構多くの人が見たことがあると思います。シルバーのごっつく、重い鍋です。

 
まず、ホームページから、その説明を転記させて頂きます。
「1953年、無水鍋は日本で最初のアルミ合金鋳物厚手鍋として誕生しました。

「素材の旨味と栄養を生かしたスピーディーな料理をいかにつくるか」を追及して完成した、鍋の傑作ともいえる商品です。
発売当初から大ヒットし、厚手鋳物鍋のベストセラーとうたわれました。現在までの販売累計から考えると、無水鍋®は日本のご家庭の4世帯に1世帯の割合で 使われていることになります。

無水鍋®は発売以来の機能と基本デザインを忠実に守り続けています。それは「これ以上改良する所のない完成品」である証です。

 
「無水鍋で炊いたごはんがおいしい理由」

無水鍋の原点は、昔、かまどで使われていた「羽釜」にあり、その形をヒントにデザインされています。
また、蓋も重くできていて、羽釜の木の蓋と同じように蓋と本体がピッタリとくっついて蒸気を逃がさず、
内部が高温で均一に保たれるので、米のデンプンのα化が一層進み、ふっくらとおいしいごはんが炊けるというわけです。」

 
この説明は2つのことを教えてくれます。

1つめは、無水鍋は無水料理ができるほど、効率の良い鍋で有り、無水料理専用というわけではないこと。

2つめは、無水鍋の元ネタは「羽釜」であること。
これは現在の炊飯器が非常に効率の良い調理家電であることからも窺い知れます。

 
ではシャープの電気無水鍋「ヘルシオホットクック」は、何をポイントとして作られたのでしょうか?

いろいろ説明をして頂けたのですが、どうもヘルシオシリーズになくてはならないとして作られた様です。

健康調理を旗印に掲げるヘルシオシリーズは、現在以下のモデルが揃っています。

炊飯器(基本は米用。炊く)、ウォーターオーブン(焼き、蒸し)、スロージューサー(絞る)、お茶プレッソ(挽く)。

因みに、和食の場合調理人は次の様なポジションがあります、
板前、次板(脇板、二番)、煮方、焼き方、揚げ場、洗い方(魚、肉の下処理)、追い廻し(雑用全般)。

調理家電をこれに合わせて見ると、板前は仕方がないとして、シャープのラインナップには、煮方、揚げ場が足らないことがわかります。

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発表会の時のシャープの説明資料。


揚げ物は、昨今の健康ブームでオーブンで対応することを考慮すると、要するに「煮」が足らない。
この電気無水鍋ですが、ユーザーニーズがあるというよりは、「煮」が欲しいというメーカーの考え方から産まれたものだと思います。

 
■無水料理は、幾つもあるのか?
では、タイトルになっている無水料理は、料理する時、水を足さないで、食材の水分だけで料理する調理法です。
水に味、栄養が逃げませんので、味は濃厚、栄養価も高いのが特長です。

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無水料理のメリット。栄養価が高い。


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野菜の摂取量も多くできる。


この無水料理どんな食材でもできるのかというと、そんなことはありません。

方向性は大きく4つです。
「カレー」「肉じゃが(うま煮)」「温野菜」「ゆで」。
料理レシピの数もそんなに多くはありません。

無水料理は、食材の水分を逃がさず使います。
このため、水分が外に出やすい食材選択がポイントになります。
これがそんなに多くないためです。

で、鍋の方も水分を極力逃がさないのがポイントです。

電気無水鍋の方は、後で説明しますが、無水鍋はフタの重さでそれをおこなっています。
要するに蒸気が外に漏れるのを極力防ぐのです。
また、蓋の重さの範囲ではほんの僅かですが加圧もされます。

全く逃がさないと圧力鍋になります。
が、この二つは全く考えが違います。
圧力鍋は1.2気圧位まで加圧します。その時沸点は上がりますね。120℃位。
100℃を越える高温ですから、野菜なら硬さの原因といえる細胞壁が壊れますし、肉系だと肉の繊維がほぐれます。
短時間でよく火が通るため、時短、省エネです。加えて加熱時間が少なくて済むため、煮くずれがおきにくい。一般の鍋で煮るよりも少量の水で調理できるため、食材に含まれる水溶性の栄養成分を食材外に流出させにくい等の長所があります。

ということで、皆、一度は買う圧力鍋ですが、その分、温度と時間に注意が必要です。(慣れれば、問題ありません)
その上、洗うのが面倒。
結構な割合で、諦める人がでます。

これに対し無水鍋は、圧力鍋に似ており、熱効率もよく省エネ、時短もできるのですが、基本「鍋」です。
無水料理という特殊な料理を作ることはできますが、基本は鍋。
扱いもそんなに難しくはありません。

 
■無水電気鍋の長所
では、ガスと電気調理どこが違うのでしょうか?

熱のコントロールですね。
熱は物理量としては非常に制御しにくいです。
が、ガスと違い電気の場合は、かなりこの調整が楽です。

無水料理は、食材から出てくる最小水分で料理を作ります。
このため、温度と時間の制御がポイントになります。
これが自動でできるのは大変便利です。
これが一つ目の特長です。

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二つ目は、混ぜる機能を付け加えておくことができるということです。
カレーなど、特にルーを入れた後などでは、すぐに焦げてしまいますからね。
これが自動でできるのもプラスです。

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「まぜ技なし」は切った形状そのまま。美味しくなさそう。


三つ目は大変魅力です。
それは、料理は限られるのですが、タイマーセットした時間に出来上がらせることができるのです。
例えば、朝出かける前にセット。帰ってくる時に食べられるようにすることが可能なのです。
「素材が傷まないのか?」ですって。

そうです。普通なら傷みますよね。
料理ができていず、食材が傷んでいたりすると、がっかりして自炊する気も失せるのではないかと思います。

この秘密は温度にあります。
単純にいうと仕上げ前まで、セットしたら作ってしまうんですね。
そして高い温度でキープ。

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理屈は分かるのだが、朝に夕食の用意をする時間はあるのかは疑問。


腐敗は、バクテリアによるものです。
つまり、30〜40℃位が繁殖しやすい。
これ以上の温度になると、繁殖できなくなります。
繁殖できない温度で、仕上げ前の料理をキープするのです。
完全密閉型ですので、蒸気は逃げません。
カラカラになることもありません。

そうそう、無水料理のできるこの「ホットクック」のポイントは、フタにあります。
「旨みドロップ加工」といいますが、丸い凸が付いています。
これで蒸気を水分にして鍋全体に落としてやるのです。

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このフタがポイント。


 
■第一印象
電気鍋は、料理で使う鍋と別の料理ができるわけではありません。
また、無水料理も無限にレシピがあるわけではありません。
クックパッドで検索すると、216万あるレシピの内、288レシピ。
かなり少ない。

日本の無水鍋ではないですが、フランスのストウブ(ホーロー鍋です)でも無水料理が可能です。
こちら、ストウブ料理で検索すると、1000を越すレシピがあります。

レシピの豊富さは、どれだけ使えるのかを示す指標ですからね。

 
会場で試食させて頂いた無水カレーの味はというと、野菜などの味が濃厚にでて美味しいのですが、人によっては好みが分かれると思います。
野菜の味が濃厚だからです。まぁ、単純に好き嫌いがでるだろうなというわけです。

インドはベジタブルカレーが幾つもあります。
使う野菜が違う上、肉を使っていない。

「菜食主義者になるならインドはかなり楽なエリアだなぁ」と思った位です。
何の野菜の味を強調するのかは、大きなポイントです。

ちなみに、肉を入れたカレーは、余り美味しくなかったですね。
野菜だけだとクリアな味が、濁るのですね。
貴重な経験でした。

 
当然、水を入れた料理も可能です。
単純な電気鍋として使います。

 
便利だとは思うのですが、「決定打」に欠ける感じがしてなりません。
安いとは言えませんし、家電は寿命があります。
電源部の素材が劣化しますので、普通の鍋のように置いておいても同じ価値というわけにも行きません。

悪くはないのですが、帯に短し襷に長しという気持ちがぬぐえませんでした。
(全部を使って見た上でのレポートではなく、あくまでも会場での第一印象です。)

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展示会用のスケルトンモデル。煮るところが見えるのが面白い。
実は、これかなりのお気に入り。発売されたら買ってしまいそう!


 
商品のより詳しい情報は、シャープのホームページにてご確認ください。
http://www.sharp.co.jp/hotcook/
 


2015年9月29日

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