IFA 2015 23
漢(おとこ)が惚れるアイロン”台” @ LAURASTAR
IFAで目立つ家電にアイロンがあります。
「そんなにアイロン掛け好き?」と聞きたくなる程ですが、欧州は、下着にまでアイロンを掛けるそうですから、大きなニーズがあるのだと思います。
そんな中、凄まじいモノを見てしまいました・・・。
■呼び止められて
「そこの日本のお人よ。見ていってくれないか?」
オープンしたてのIFAの会場で声を掛けられたのは、スイスのLAURSTAR(ローラスター)のブースからでした。
オープン前に一社取材を終えていたので、時間に少し余裕があったので、「OK」というと、そのブースで一番の名人という人のアイロンショーが始まりました。
アイロンのしわの取り方は、スチームで取る方法と押さえて伸ばして取る方法があります。
要所要所で使い分けるのですが、今、どちらかというとスチームを多用するのが流行しています。
その上、60分近くアイロンを掛けるのが欧州流とのことですから、使用する水の量もかなりのモノ。
このため欧州の多くのアイロンは、水タンクを別に用意、アイロンに供給するスタイルを取ります。
アイロンというよりアイロンシステムと称した方がベターなことになっています。
■驚くことに
彼は、ローラースター社のアイロン台の上、手早く掛けて行きます。
まぁ、鮮やかです。
アイロンも、アイロン台も使い勝手が良さそうです。
しかし台を良く見てビックリしました。
台が動いているのです。
シャツの背部を掛ける時、中央が盛り上がっているのです。
どうしてって尋ねますと、「スチームだよ」との答え。
■理想のアイロン台!!?
台からスチームを出すことにより、台の中央を少し凸にして盛り上げていたのです。
これはいろいろな意味で理に適っています。
まず、スチームの量ですが、これは多ければ多い方がイイです。
ただし限度はあり、アイロンの熱で瞬時に飛ぶ必要はありますが。
下からも上からもなので、十分すぎるほどのスチーム量です。
次に、服はいろいろな形状があります。
そのため、台もいろいろな形状を取った方がイイのですが、汎用ということで中央がやや盛り上がり気味の平面が基本です。
しかし、それでいいかというと、それは人によっても違いますね。
特に4〜5枚かけるとはっきり違いがでてきます。
個人的には、微妙ですが、丸みがちょっと強い方が好きです。
が、丸みを強くすると、ズボンが掛けにくいなぁと思いながらですが・・・。
それが一気に解消なのです。
実はアイロンは上から押しつける必要はないです。
自重でプレスできる様に設計されています。
スチームメインの場合は、それよりどちらかというと、ただ単に当てるという表現の方が合っていますかね。
下からスチームで当てると、シワも伸ばしやすいし、力も要らないと言うわけです。
■腕部のアイロン掛け
このアイロン台、仕組みは割りと簡単で、土台と厚めの布の間をスチームが後ろから前へ通っているわけです。
で圧巻はここから。
ジャケットの袖の付け根を台の前に引っかけるのです。
するとスチームは、ジャケットの腕部を通りますね。
一人でも、スムーズに掛けられるのです。
今人気のガーメントスチーマーですが、片手でアイロン、片手で袖口を持ちシワをのばしながら、スチームを掛けるのですが、まずジャケットがハンガーにきちんと固定されていることが条件となります。
そうでないとシワが伸びない。
このアイロン台は、それをいとも簡単に作り出してしまう。
その上、袖の中にスチームを送り込み続けるので、形が自然に整う。
これはマジックを見ているようでした。
通常、椀部はアイロン台とは別に、ミニアイロン台とも言うべき、「袖馬」を使います。
キレイにかけることができるのですが、能率はがた落ち。
多くの人が面倒がる理由の1つですね。
このアイロン台は、その様な面倒臭さがない。
これはスゴイです。
■アイロンより欲しいアイロン台
このブースに私を招き入れてくれたのは、実はこの会社の社長さんでした。
「どうだい。」と、秘蔵っ子を見せる時のように、ちょっと自慢げです。
こう言う具合に、社長が自社の製品が好きという雰囲気のメーカーの製品は概してイイ事が多いです。
しかしこのアイロン台、まことに圧巻です。
ただ日本ではクリーニングが発達していますからね。
ここまでアイロン掛けは、普及していない。
そんな国に住んでいる自分でも、久しぶりに目がくらみましたね。
それなりにアイロン掛けもしますからね。
このアイロン台、間違いなく、アイロン掛けのイメージが変わります。
いや、アイロン掛けがしたくなるアイロン台です。
日本での発売は考えられないのかと聞くと、検討中との事。
是非、日本でも扱って欲しいアイロン台です。
2015年9月25日