IFA 2015 11
窓ガラスクリーナーの別用途@ケルヒャー・ブース
IFAの取材の方法はいろいろ。
パナソニックの様に、ホール1つ借りて行っている場合、プレス・ツアーと言って、見所を案内してくれる方法もあれば、アポなしで製品を見て、質問をする場合もあります。
もちろん、日本の販売会社にお願い、詳しく説明してくれる人を頼むこともあります。
今回ケルヒャーは、担当者に時間の都合してもらえ、より詳しい商品の考え方を聞くことができました。
■目玉は「窓ガラスクリーナー」
ヨーロッパは余り地震がありません。
このためでしょうかね。
ガラスを思いっきり多用します。
建築の華である議事堂などは、ガラスのドームを持っている位です。
まぁ、日本と違い「北」であることも大いに関係があると思います。
少しでも日の光なのです。
とにかく、冬の日の短さはスゴイですからね。
一度オランダ出張の時ビックリしたのは、朝8時で日本の5時位の暗さ。夜が明けません。
その癖、午後5時には夕暮れです。
そんな感じですから、お日様を少しでも優遇したいのでしょうね。
で、「ガラス」なわけです。
そして、そこに「キレイ好き」という要素が加わります。
ピカピカにするということです。
中でも窓ガラスの汚れは、他人からも指摘されると言います。
これは、ドイツで生活したことのある人の言い分で必ずしも実感があるわけではないのですが・・・。
しかしドイツでは必需品とされている窓ガラスクリーナーですが、日本で必需品でしょうか?
少なくとも、そうは思われていないアイテムではないでしょうか?
■「風呂」と「鏡」を考える
私は、ここでケルヒャーの担当に、「案内してくれて悪いんだけど、日本人はそんなに巨大なガラスを持っているわけでもないので、大きなニーズがあるとは思えない。」とストレートに言いました。
で、彼の答えは、
「風呂はどうか?」というのです。
なるほど、ヨーロッパのバスルームは一部ガラスで仕切ってあり、シャワーをすぐ使える様にしてあることも多いです。
これも巨大なガラスです。
日本にそんなのはまずないですからね。
これも違うかと思った時です。
日本の潜在ニーズを思い出したのです。
それは「結露」と「カビ」への対応です。
高温多湿、微生物の多様性は、日本の大きな特質です。
これにより、世界有数の発酵食文化を持ちます。
味噌、納豆、漬け物、くさや等々・・・。
しかし、その逆も真実。
カビ、かび、黴・・・。
日本で気持ちよく生活するには、カビをどうやって生やさないかにかかっていると言い切っても可笑しくはないです。
要するに対高湿度です。
もしくは、あってはならないはずの所に、付いた水滴をどうするのかです。
しかも、今の日本は密閉度が極めて高くなっていますので、一度カビが生えると厄介です。
これに対し、ガラスクリーナーは極めて有効です。
というのは、Tの字型したクリーナーの横棒部分は、水滴を吸い込む仕組みになっているからです。
雑巾で拭くよりキチンと取れますし、何より速い。
集合住宅にお住まいの人で、風呂に窓がないという環境は実に多いです。
とりあえず換気扇を回すわけです。
しかし、これで風呂の壁の水取までしようとしたらかなり大変。
24時間換気をし続けなければならないのが現状でしょう。
ところが、それでも壁に水滴が残っていたらカビます。
それが日本というエリアの特長です。
ここにガラスクリーナーを持ち込むと話は一変します。
確かに、壁を拭くのは新たな手間です。
しかし、速い上に確実な効果が見込めます。
日本はガラスクリーナーではなく、平面の水滴除去装置としてアピールした方がベターかも知れません。
これは面白い話です。
ちなみに、鏡もキレイになるそうです。
風呂の鏡も、一晩で曇るわけではありません。
汚れがドンドン付着して、曇るわけです。
ケルヒャーのガラスクリーナーは、もっと大きな面でも楽に掃除ができますからね。
風呂の鏡レベルですと、10秒と掛かりません。
これ以上は、実際にテストしないと論を進めることはしませんが、大いなる可能性を感じました。
2015年9月7日