IFA 2015 09
JVCKENWOODのちょっとイイ話
今度のCEATECでは余り期待できませんが、その昔のイベントでは、カーナビの会社はこぞってスーパーカーを並べたモノです。 IFAの会場では・・・。 ありました。 JVCKENWOODのブースに、McLaren(マクラーレン) 650S Spider。説明員にお話を聞いてビックリしました。 まず、写真を見てください。 4種類のディスプレイが内蔵されたこのクルマ、クルマ好きならすぐ分かるのですが、あるべきモノがないのです。
そう、ドライバースシートとナビシートの間の盛り上がりですね。 スポーツカーには必ずある盛り上がりです。
これは境目をはっきりさせるモノではなく、高速でコーナリングする時、車体のねじれに対抗するために強度を上げるために不可避なモノです。
そこに、やや太めのバーが2つ。 その間にナビのディスプレイですからね。
「いや〜ぁ。知らない間に、こんな細いバーでも、それなりの強度が取れるようになったのかしら?」 そう思い、場違いとは思いながら、クルマに対する質問から取材を始めたわけです。
「可笑しくないかい?」
「えぇ、本来とは異なります。改造しています。」
唖然としましたね。
強度と言うモノは一体成形とか、一体製造で初めて確保できるものですから、切ったりくっつけたりしても設計通りの性能はでません。
つまり、このクルマ、超ド級スポーツカー。市場価値はグッと下がってしまうのです。
「えぇ、このクルマ自社所有です!」
「???!!!」
バブルの時代なら兎も角、メーカーで生き残りを掛けたサバイバルレースを展開している時代ですからね。
スゴくビックリしました。
しかしよくよく考えて見ると、腑に落ちました。
JVCKENWOODのカーナビは、どちらかというと「後付け市場」です。
これは、納車時に、予め付いているカーナビを付け替えるという市場なのです。
機能が優れている、カッコイイ、どの様な理由があるにせよ、名指ししてもらわないことには始まりません。
当然、超ド級のスポーツカーに相応しいカーナビまで、煮詰めれば、名指しレベルはグンと向上することに間違えないでしょう。
KENWOODは、昔から「本物志向」は高いメーカーでした。
「志」が高いのですね。
イイお話です。
まだ、今の段階では、完全ではないそうですが、 通常の「メーター部」、その上の「トリプル・ワイド画面」、フロントガラスに映す「投影画面」そして、横の「ナビモニター」、全てがオリジナルなのです。
この高い志、そしてあくまで本物にこだわり勝負するやり方、久しぶりにイイ気持ちになれました。
早く完成品が見たいものです!
2015年9月6日
タグ: 2015, IFA, JVCKENWOOD, マクラーレン, 本物志向