単4充電池購入時の小さな憂鬱
充電池が好きである。
ウォークマン、ゲームボーイ等、携帯ツールで嫌というほど乾電池を消費したからだ。
ひどい時には生活費の2%以上が、乾電池代だったこともある。 それが理由である。
電池は長い間、使ってきただけに信用もしている。確実なのだ。
アウトドア(=災害時お役立ち)ツールは、内蔵充電地と共に電池が使えるものを選ぶ。
電池で最も使って来たのはパナソニック・ブランド(含ナショナル・ブランド)の電池だと思う。幼い頃は、山に行く度に懐中電灯用の乾電池を新調するのが常だった。かれこれ40年以上も使っていることになる。
■慣れているはずだったのに・・・
新しいモバイル機器を買ったので、そのための充電池を買おうとした。場所は新宿ヨドバシ本店のB1Fである。
先にお断りしておく。筆者は電池が最寄り品化してから、近くのドラッグストアか、コンビニで買うことにしている。
たまたま、家電量販店で買ったと思って欲しい。
さすがに品揃えが凄い。ま、こんな時は馴染みのパナソニックで・・・と、探し当てた時、はたと手が止まった。
「これって何? 分からん」と、思ってしまった。四十にして迷わずどころではない。脳が回転を止めた感じである。
そのパッケージを下に掲げる。
表面には、「くり返し使う生活へ。」「「5年後でもすぐ」「約2100回」使える。」とある。
これだけなら分かる。可もなく不可もない、単4型ニッケル水素型充電池が2本入ったパックである。
コンビニならさっさとレジに持って行き、迷うこともない。
が、ヨドバシでは、次のような並びで眼に飛びこんできたのだ。
同じ eneloop の種類違いである。
脳が動かなくなったのは、eneloop liteの方の「お手軽モデル」「充電して5000回使える」という語が飛び込んで来たためである。
しかもお手軽モデル(左)は500円。もう一つは860円。性能が良い方が安い!??
あなたなら、どちらを買いますか?
■充電池の性能はどこで判断するのか?
ブランドを問わず共通なものを規格という。電池の場合は「サイズ」「電圧」である。
サイズというのは、「単×(×は数字)」。ご承知の通り。
電圧はニッケル水素充電池の場合、1.2V。乾電池より0.3V低い。
これは正極、負極の素材で決まるから、1.2Vから上げることができない。
大きな支障はないが、一部機器に「充電池だと使用できない時がある」などの表記があるのはこのためである。
変わるのは、「容量(電池にどの位の電気があるのか)」「充電時間」「充電可能回数(充電して何回使えるのか?)」「1(数)年後の残存率」など。
少なくとも「容量」と「充電可能回数」が分からないと、納得できる買い物にならない。
■(放電)容量
容量、正確には放電容量は、電池に入っている電気の量を示す。
単位は mAh。使う電流値と時間を掛け合わせたものが放電容量だ。
値が大きい程、1回の充電で長く使える。
これと密接な関係にあるのが、「充電時間」。容量が小さい程、早く充電できる。
■充電可能回数
充電池は、使うに従い容量が低下する。ダメになって行く訳である。JIS規格で元の容量が60%になったら充電池は寿命とされているので、それまでに何回 放電&充電ができるのかが充電可能回数である。(実験方法はこれまたJIS規格で定められている)
これも多い方が良い。
■で、現実は? 上の表が現在販売されているeneloopの数値である。
お手軽品はアルカリ電池同等、その他2つの容量はアルカリ電池を凌駕するレベル。
逆に、充電可能回数だと、お手軽品は5000回と長く、スタンダードは2100回である。
お手軽は「細く、長く」。ハイパワーは「太く、短く」。スタンダードは中間。
まるで、人生論のようである。そう充電池も適所適材で用いるべきなのだ。
■改めて見てみよう・・・
某有名TV番組の台詞ではないが、「改めてパッケージを見てみよう。」
そう、eneloopのスタンダード品は、このパッケージでは性能が分からないことが分かる。
しかも並べられると、5000回という数字が一人歩きしそうでもある。
しかし考えてみると、2100回の充電回数って、毎日放電&充電したとしても5.75年。携帯ツールなら壊れている可能性が高い時間でもある。
となると特性の重要度としては下がる。
やはり容量が記載されていないのは可笑しいのである。
あと「お手軽」もよく分からない。500円だからであろうか?
とにかく、分かりやすい商品にして欲しいと思う。
2013年6月28日
タグ: 充電池