画質へのこだわり、ブラザー ヘッドマウントディスプレー「エアスカウター」
見た目、ドラゴンボールに出てくるスカウターのような外見。
今、注目されているウェアラブル機器でもあります。
しかし、ブラザーのヘッドマウントディスプレー「エアスカウター」の特長は別にありました。
■業務用機器の特長
業務用機器の特長は何かと聞かれると、答えは1つです。
「必要な時に確実に使えること」です。
このために、その道のプロは高いお金を出して、高い機材を求めるのです。
ブラザーのヘッドマウントディスプレー「エアスカウター」も業務用です。
どこにこだわったのでしょうか?
■単眼ヘッドマウントディスプレーの使い道
単眼ヘッドマウントディスプレーは作業サポートとして用いられます。
例えば、工場での組み立て作業。
組み立て時、工程数が多いと、確認のため、組み立てマニュアルが必要になる時があります。
しかし、分厚いマニュアルを置くスペースなどないのが普通です。
そんな時、視界の隅の方にマニュアルが見えるとどうでしょうか?
凄く便利です。
単眼ヘッドマウントディスプレーは、作業の利便性を向上させるためにうまれたものなのです。
■ブラザーのこだわり
ブラザーのヘッドマウントディスプレー「エアスカウター」は、よく出来ています。
そして、どこにこだわったのかもすぐ分かります。
1つは装着です。
実に付けやすい。
「エアスカウター」はカチューシャのような感じで装着します。
そして位置も決めやすい。眼鏡があっても大丈夫です。
また145gですから、軽いです。
非常に使い勝手がいいです。
2つめの特長は、画がキレイだと言うことです。
これは瞬時に情報を確認する必要がありますので、非常に重要なポイントです。
しかも焦点距離を見ている先に合わせることができますので、視線を移すだけで、すぐ内容が見て取れます。
解像度は、1280×720p。
ハイビジョン画質まで行かないのかと思われる人もあるかも知れませんが、1m先で約13インチのモニターがあるのと同じですので、かなりキレイに見えます。
ちなみに、ハイビジョン画質は1.5m、40インチのサイズをきれいに映し出すために開発された技術で、13インチだと、画素数が多すぎてお釣りがきます。
この2つの特長を磨き上げた所に、ヘッドマウントディスプレー「エアスカウター」の真骨頂があります。
■医療用に大きな期待
このヘッドマウントディスプレー「エアスカウター」は、実は東京大学との共同研究により開発されました。
と言っても、技術的に東大の技術が用いられているわけではありません。
医療で使えないかと言うことで、製品評価などをしてもらったわけです。
医療用語に「穿刺」という言葉があります。
具体的にいうと、静脈などに針を刺すことです。
特に重要になってくるのは、血液透析と麻酔ですね。
このため、エコーと呼ばれる超音波診断機で血管をディスプレイに映しながら穿刺をします。
エコーは皆さんも健康診断の時に使われるので、ご存じと思います。
「肝臓」の状態を確認する機器です。
それとも産婦人科で胎児を見る時に使う機器といった方が、イイでしょうかね。
ところが、これが中々使いにくいのです。
と言いますのは、針刺しは患者のその部位を見ながら行いますが、その時、同一のところにエコーの画面がないからです。
要するに、首動かし、あちらを見たり、こちらを見たりと忙しいわけです。
このエコーの画面を、「エアスカウター」に出せば、穿刺部位を見ながら、エコー画面を確認しながら対応ができます。
より的確な対応ができるわけです。
また拡大などもスムーズにできるそうです。
ちなみにエコーは720pもの情報量を持ちませんので、すごくキレイに映ります。
■映像は有線、HDMI端子
■単機能で高い完成度
ウェアラブルEXPOでも、視覚用のウェアラブル機器は数多く出されていました。
展示品の多くに感じたのは、「装着のしにくさ」と「見えにくさ」でした。
逆にいうと多機能すぎて、いろいろな情報を一気に伝えようとしている感じすね。
「エアスカウター」は映像を映す機能に的を絞り、結果使いやすい機器になったと思います。
単機能の高い完成度。
業務用という名に相応しい相応しい出来だと思います。
商品のより詳しい情報は、ブラザーのホームページにてご確認ください。
http://www.brother.co.jp/
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