シャープのスティック型掃除機「フリード2」、
バランス良好で、使いやすさを向上!
「スペック的にスゴいのに、使いにくい!」
よく聞かれる言葉です。
理由は、ユーザーを知らずに開発していることが多いためです。
■使うのは女性!
話は飛びますが、タイガーの据え置き型フードプロフェッサーから入ります。
「このフードプロフェッサー、容器がステンレスで軽いんです。
中身がめいっぱい入っても、1.5kgを超えません!」
言ったのは、女性の開発者でした。
その後、幾つか質問したのですが、「あぁこの人、使うと言うことを、よく数値化しているなぁ!」と思いました。
家電を設計する時は、感覚ではいけません。
必ず、感覚を「数値」化させる必要があります。
できる、できないで、良い開発、悪い開発の分岐点ともなります。
私が知る限り、男女を問わず手で扱う家電の場合、「1.5kg」以上の負荷が手に感じられると、とたんに扱いにくくなってしまいます。
特に女性の場合は、男子より体力がないですから、初めは良くても数分でキツくなってきます。
そのためには、軽ければ軽い方が良いわけです。
■スティック型掃除機の場合
スティック型掃除機の場合、ハンディ掃除機を基に作るのですが、2つやり方に大別されます。
成るべく重心を下に持ってきて、床にほとんどの重量を掛ける方法と、重心を腕の延長線上に持ってくる方法です。
前者で有名なのは、エレクトロラックス社のエルゴラピード。
これは手に掛かる負荷は、500g。
後者で有名なのは、ダイソン社のV6 フラフィー。
フラフィーは一寸ヘッドが重いので、ややバランスは悪いのですが、ヘッドが軽いDC62だと、自由自在に振り回せます。
何故、日本メーカーを例に持って来なかったかというと、ここに心底注意して作ったモデルがなかったからです。
昨年のシャープの「フリード」、いろいろな機能が付いて華やかでした。
しかし、扱いにくい。
バランスが悪いのです。
スティック型掃除機のコンセプトは「簡単」「すばやく」。
双方とも「機動力」です。
クルマ好きならピンとくると思いますが、「機動力」を付けるための基本は「軽量化」なのです。
このため、クルマの中で重い「エンジン」「ドライバー」「ガソリンタンク」は低い位置に配置します。
クルマの中で最高の機動力を誇るF1マシンの特異な形状は、そのためです。
それと同じなのです。
腕に掛かる重さを軽くすることは、スティック型掃除機の生命線でもあります。
■パーツレイアウト、ハンドルの位置を変える
次の写真が全てです。
クルマと同様に、モーター(エンジン)、バッテリー(ガソリンタンク)、そして取っ手の位置を見てください。 昨年度モデル:EC-SX200の方は、モーター、バッテリーの下に吸引パイプがきてますね。
そして、取っ手はモーター&バッテリーの上です。
こうすると、支点が端に偏ったヤジロべーも同然。端に近い、重い部分を手に提げることになります。
実に、1.82kg。
これが腕の負担になります。
据え置き型のフードプロフェッサーですら、素材の入れ替えが1.5kg以上だと辛くなると言うわけです。
ましてや、手で支え続け、20分近く掃除する分けですからね。
今年度モデル:EC-SX310の方は、吸引パイプにモーター、バッテリーがぶら下がっている状態。
それで取っ手は棒の端。
角度を上手く調整すると・・・
「なんということでしょう!
1.08kgで支えられるではありませんか!」
シャープは「マジックバランス」と名付けていますが、言い換えるとニュートン力学の問題です。
しかし、これで「フリード2」は、スティック型掃除機には不可欠な要素、「機動力」「操作性」を手に入れたわけです。
■ダイソンにない機能:「自立スタイル」
「フリード2」は実はダイソンにない機能を持っています。
それは自立できることです。
使い方によっても変わると思いますが、これは便利な機能です。
掃除は、途中モノを動かしたりしますので、そんな時自立してくれるのは、すごく便利。
高ポイントです。
■こだわりのファイバーブラシ(EC-SX310のみ)
今回の目玉の1つは新しいブラシです。
能書きより、こちらが面白いです。
■吸引力
年々実力がアップしているスティック型掃除機の場合、改良されるのが常です。
シャープも例外ではありません。
吸引風量:30%アップです。
■充電はバッテリーを外して
バッテリーは外して充電します。
理由は、そちらの方が自由度が利くというのが理由です。
本体は棚の中、バッテリーのみ充電とか、いろいろなシチュエーションを実行することが可能になります。
バッテリーは80分の高速充電、最長30分とのこと。
これは中々ないパターンです。
■アダプターは・・・
アダプターは2種類。
2WAYベンリヘッドとすき間ノズルです。
ハンディ型といっても本体はそれなりに大きいですし、狭いところでは直線的なノズルが使えませんので、これに加え、ホール&小さなブラシをを付けることが多いのですが、まずはここからスタートです。
「バランス」はスティック型掃除機の生命線です。
これがダメなスティック型掃除機は、使い物になりません!
今回のフリード2の第一印象は、「ふりまわすことができる掃除機になったなぁ!」という感じです。
商品のより詳しい情報は、シャープのホームページにてご確認ください。
http://www.sharp.co.jp/souji/
2015年6月16日