レポート

Kodak SP360、あるいは”魚眼レンズ”の、
“日常”映像冒険


Kodakの黄色いフィルム箱の上にドーム状のレンズ。
360°アクションカメラです。
この360°というのは、別の言い方をすると、「魚眼」です。
人間の見え方とは全く異質の見え方です。
水中では、敵は上下左右前後:360°から襲って来ますからね。
このように見えるわけです。

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Kodak SP360。
世界初の360°アクションカメラ。
市場売価:4万円前後と高めの値付けで推移。


カメラレンズの中でも、かなり特殊なタイプです。
が、見たこともない映像ですからね。
妙に心引かれるものがあります。

 
今回、このアクションカメラを「日常」として使い、楽しめるかトライしてみました。

 
■装着はトートバッグに
日常ですから、ヘットライトの様にマウントすることはしません。
あくまでも、「さりげなーく」です。
と言っても本体はイエロー。
目立ちます。

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ハデなような、さりげない様な・・・


フィルムのパッケージを思わせるデザインは、場違いとも言えますが、アナログ・カメラ時代は大きく君臨したビッグ・アイコンですからね。
まあ、バッグに付けている分には可笑しくもありません。

また、肖像権の問題もありますので、何か言われたら、すぐ取り外す必要もありますからね。
一番取り付けやすいトートバックのショルダーベルトにセットしました。

 
個人的に言いますと、装着しても可笑しくならない、また簡単に装着できる帽子が欲しいですね。
アクション・カメラは「ウェアラブル」ですから、後付けだとどうしてもダサくなります。
カメラというものは、出番が多いと「相棒」ですが、少ないといつの間にか使わなくなります。

3万円以上もするものですからね。
そうすると、どこに装着するのか、どううまく装着するのかには、答えを出す必要があると思います。
その意味で、何気ない問題ですが、重要な問題と考えています。

 
■撮影は日枝神社〜虎ノ門
江戸には天下祭というものがありました。
神田明神と日枝神社が交代で行う祭りです。
何故、「天下」の名が付いたかというと、江戸時代、この2つの神社には、江戸城内で山車や神輿を入れ将軍様に上覧が許されたからです。

江戸の町の守護の神田明神に対し、日枝神社は江戸城の守護、幕府の保護も厚かったようです。

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左)日枝神社の社殿。この社殿も、Kodak SP360では奇妙に写る。
右)日枝神社のお使わしは「猿」。これは社殿脇の「こま(?)猿」!


虎ノ門で新製品の発表会があるので、少々早めに出て、赤坂から日枝神社、そして虎ノ門まで歩きながら撮影することにしました。
距離にして、3〜4kmというところでしょうか?

 
■準備、準備
それはさておき、撮影前にすべきことがあります。
1つ目は充電。
2つ目は十分な容量がある micro SDカード。
そして3つ目は、スマホとの接続です。

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左)バッテリーは、別ACアダプターにより充電。
右)ミニSDカードは、値がこなれてきている。


1、2は分かるけど、3つ目は必要なの? と思われるかも知れません。
が、これはかなり重要です。
スマホで撮影画をチェックするわけです。

私の場合は上下が逆であることがわかりました。
カメラを逆さに取り付けていたらしいのです。

撮影の失敗は、撮影に要した時間、努力を無駄にすることになりますので、「要注意」。
ここで手間を惜しんで、失敗すると泣きたくなります。

 
■自分が映る・・・。キュビスム(ピカソの絵)を思い出してしまった・・・
しかしスマホで、自分の画を出して見た時、一番ビックリしたのは、自分の顔、手と足が見えることでした。

スクリーンショット 説明付き 意識していないので、「自撮り」とは言えません。
SP360°の撮影は、周囲:360°、上下214°ですから、レンズより後ろのモノでも撮してしまうわけです。(認識的には、180°が基本。このため、34°ほど多く映る。このため「自撮り」となる。)

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ピカソ「泣く女」


「さすが!」と言ってもイイのですが、自分の顔、手、足がバラバラになっていますからね。
とても可笑しな感覚です。

初めてピカソの絵、キュビスムの絵画を見た気持ちです。
キュビスムというのは、二次元表現である絵画に多視点を持ち込み、三次元表現に迫ろうとしたわけですから、それに近いとも言えます。

 
■不思議の国、それとも・・・
まずは、動画を見てください。
なんとも奇妙ですね。



近くのモノが動いた時、いつも見ているのより、割と大きく動くことが分かります。
まあ、捕食されることが多い「魚」の目ですからね、やばそうな時にははっきりとした信号を出すわけです。

しかし、まぁなんとも奇妙ですね。
曲がったロープを掴むところなどは、かなりSFチックで使い方によっては、活かせるのではと思います。

 
■面白いビル内廊下。まるで、ゲームのダンジョン
実は、一番面白かったのは、ビルの中です。
まるでゲームのダンジョンに入ったというか、別の世界に入り込んだようなものです。
天井があるので、スピード感もある。
一般ムービーでは撮れない画で、KODAK SP360を象徴する様な画です。



 
Kodak SP360を買う理由は、「普通では撮ることができない画を撮ること」にあります。
トートバッグのベルトに付けるだけで、余り手にできない画を撮ることができるのは、Kodak SP360です。

 
■盗撮と言われないために
都市で撮影していると、いつ何時「止めて」と言われるか分かりません。
まあ、これは仕方がないことですね。
公安・警察の様に大義名分があるとしても、気持ちのイイものではありません。

 
盗撮になるのかどうかは、その時の対応に掛かっています。

一つ目は、撮影をさっと止めること。
二つ目は、真摯に対応することです。

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バッグに付けているのだとまだしも、
こういう付け方だと言い訳は無理でしょうね!


一つ目は大きなレンズカバーをかぶせれば終わりです。
これでダメな場合は、謝罪が必要です。
態度が真摯であり、紳士であることが必要です。

が、Kodak SP360の場合は、かなり得できると思います。

例えばこれが、「黒」でスパイカメラ然としている場合、どうでしょうか?
「意識して盗撮していた」と言われる可能性が大ですね。
逆に、ユーモラスともいえるフィルムパッケージの Kodak SP360ではどうでしょうか?
多くの場合、「スイッチを切るのを忘れていました」で納得してもらえると思います。

盗撮用とするのは、大きく、派手なため、目立ちますからね。

 
■いろいろやって見たい気にさせる!
動画が趣味になりますと、いろいろな画が欲しくなります。

私が欲しいのは実は「空撮」です。
上から俯瞰すると、そのエリアを大きく把握するのには断然有利ですからね。

ところが「ドローン」事件が起こりました。
しばらくの間、ドローンに Kodak SP360を載せてということはできないと思いますが、まだ諦めていません。

載せると魚眼ですからね。
かなり面白い画が撮れると思います。

Kodak SP360のイイ所は、初めからほとんどのアタッチメントが付属しており、まず追加で買う必要がないところです。
ちょっとしたことですが、通常使いするカメラではありませんので、追加の出費はない方がベターです。(通常使いのカメラも同じですか・・・)

 
しかし、今回バックに付けて、都市空間でもかなり使えることが分かったのはプラスです。
アタッチメントを見ていると、あんな所でもこんな所でも使えそうと、次はどんな撮影をしてやろうかという思いに駆られます。

また、専用ソフトはこの魚眼(ソフト上は「GLOBAL」と表記)以外にも、二画面分割、四画面分割、パノラマなどの映し出し方ができ、それをmpg4など、他のムービー・フォーマットに変換することが可能です。
Kodak SP360は、アクションカメラですが、このように360°撮影という面白い撮り方が可能です。
新しい感覚の動画で遊んでみるのは如何でしょうか?

 
商品のより詳しい情報は、マスプロ電工のホームページにてご確認ください。
http://www.maspro.co.jp/products/pixpro/sp360/
 
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2015年5月12日

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